5・15平和行進
沖縄タイムスの記事から
沖縄タイムス2012年5月8日 09時50分
●国境の島 与那国で初5・15行進
陸自配備予定地の南牧場につながる「南牧場線」を行進する5・15平和行進の参加者=6日、与那国町(又吉嘉例撮影)
【与那国】本土復帰40周年を記念した特別企画として「5・15平和行進」と「平和とくらしを守る与那国島集会」(主催・同実行委員会、与那国改革会議)が6日、初めて与那国町で行われた。町民約70人を含む県内外からの参加者約150人が14キロのコースを行進。国が計画している同町への陸上自衛隊配備に強く反対し、国境の島から平和外交を求める声を上げた。
行進団は強い日差しの中、久部良漁港を出発。約5時間かけて久部良、比川、祖納の3集落や、陸自配備予定地の南牧場そばなどを練り歩いた。集落内では「平和な沖縄に基地はいらない」「与那国町長は自衛隊誘致を撤回せよ」とシュプレヒコールを上げた。
行進後の集会では自衛隊配備計画の白紙撤回を求めるアピールを採択。配備が「近隣国との不要な軍事的緊張や、町民、県民が背負うことになる危険性の増加」をもたらすとし、「今、最も求められていることは住民一人一人が島の自立に挑み過疎化を乗り越えるという強い決意と、島民の固い結束だ」と訴えた。
団長を務めた同会議の崎原正吉議長が登壇。「軍隊のないところに弾は飛んで来ない。与那国から始まり、沖縄から基地をなくしていくために一丸となって頑張ろう」と気勢を上げた。
沖縄平和運動センターの山城博治事務局長は「町は基地では振興しない。与那国に自衛隊基地を造らせないことが本島での平和運動、基地のない平和な島を目指す取り組みにつながっていく」と強調した。
女性町民代表や平和フォーラムの藤本泰成事務局長、高嶺善伸県議会議長らが連帯のあいさつをした。
平和行進は、10日に那覇市の県立武道館で全国結団式と与那国島コース引き継ぎ式を開催。11〜13日まで本島内3コース(東、西、南)を行進する。
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沖縄タイムス 2012年5月11日 10時53分
●復帰40年の5・15平和行進始まる
復帰40年目の節目となる5・15平和行進。東コースの参加者が名護市辺野古を出発した=11日午前9時33分、名護市辺野古
米陸軍トリイステーション前で気勢を上げる平和行進の参加者=11日午前、読谷村楚辺
復帰40年の5・15平和行進が11日午前、3コースに分かれて始まった。県内外の労働組合員ら約1000人が参加。13日までの3日間、計125キロを歩く。
名護市辺野古、読谷村役場、県庁前県民広場を出発。米軍基地や戦跡をめぐりながら、沖縄の現状を考える。最終日は宜野湾海浜公園で合流し、普天間飛行場閉鎖などを求める県民集会を開く。
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●5・15行進きょう出発 結団式で気勢
ガンバロー三唱で気勢を上げる参加者=10日、那覇市・県立武道館
復帰40年の節目となる5月15日を前に、全国の労働組合員らが県内を歩きながら平和を考える35回目の「5・15平和行進」結団式が10日、那覇市の県立武道館であった。昨年は東日本大震災のため県外からの参加受け入れを見送ったが、ことしは各地から集まった約700人が「基地のない沖縄を実現させよう」などと声を上げた。
南部の戦跡を巡るコースで、本土代表として歩く福島県平和フォーラムの国分俊樹さんは「沖縄の皆さんは故郷をアメリカの基地に奪われている。福島では放射能に古里を奪われている。思いは一緒じゃないか。3日間一緒に考えていきたい」とあいさつした。
平和行進は、11日朝に名護市辺野古や県庁前など3カ所を出発し、米軍基地や戦跡を2日かけて巡る。13日は、米軍普天間飛行場を取り囲むように行進した後、午後2時から宜野湾市海浜公園屋外劇場で「5・15平和とくらしを守る県民大会」を開く。
大阪市の保育士岩間裕子さん(26)は、嘉手納基地などを巡るコースに加わる。「歩く中で地元の人の思いを感じられたら」と話した。
この日は、特別コースとして6日に行進した与那国町の代表者から、たすきの引き渡しもあった。
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●5・15行進:2日目スタート
キャンプ・コートニーを見ながら行進する東コースの参加者=12日午前、うるま市
【中部】復帰40年の「5・15平和行進」の2日目は12日午前、うるま市の米軍天願桟橋前と沖縄市役所、糸満市の平和祈念公園から3コースがスタートした。天願桟橋前を出発した東コースは、多くの人たちが参加し、同基地やキャンプ・コートニーを見ながら行進した。
出発式で、沖縄平和運動センターの山本隆司副議長は「垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが7月、那覇軍港にやって来る。仲井真弘多知事も反対姿勢を示しており、全国的にもこの問題に関心を持ち、取り組んでほしい」と参加者に訴えた。
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●「基地のない沖縄に」5・15県民大会
ガンバロー三唱で気勢を上げる県民大会の参加者=13日午後、宜野湾海浜公園屋外劇場
【宜野湾】「復帰40年 5・15平和とくらしを守る県民大会」(主催・5・15平和行進実行委員会、沖縄平和運動センター)が13日、宜野湾海浜公園野外劇場で開かれた。県内外から多くの参加者が結集した。崎山嗣幸実行委員長は「全国で共闘の輪を広げ、国策で押し付けられた基地を沖縄からなくし、原発のない日本を目指していくことが重要だ」と訴えた。
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●フェンス沿い平和行進
気勢を上げながらフェンス沿いを歩く平和行進の参加者=12日午後、米軍嘉手納基地第3ゲート付近
復帰40年の「5・15平和行進」2日目。日差しが照り付ける中、参加者たちは今も変わらぬ基地負担を問い、気勢を上げながら各コースを歩いた。
最終日の13日は午前9時に宜野湾市役所前を出発。2コースに分かれて普天間飛行場に沿って歩く。午後2時からは宜野湾海浜公園野外劇場で「5・15平和とくらしを守る県民大会」が開かれる。
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●基地集中 苦しみ共有 5・15行進2日目
【中部】復帰40年の「5・15平和行進」2日目は12日午前、うるま市の米軍天願桟橋前と沖縄市役所、糸満市の平和祈念公園から3コースがスタートした。天願桟橋前を出発した東コースの参加者は、キャンプ・コートニー、キャンプ・マクトリアス、嘉手納基地や自衛隊白川分屯地の前を行進。基地が集中する本島中部の現状を見ながら歩いた。
東コース2日目の出発式で、沖縄平和運動センターの山本隆司副議長は「垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが7月、那覇軍港にやって来る。仲井真弘多知事も強い反対姿勢を示しており、全国的にもこの問題に関心を持ち、取り組んでほしい」と参加者に訴えた。
三重県松坂市から参加した松本千冬さん(25)は「住民生活の中に基地があり、米軍車両が走っているなんて」と驚いた様子。三重にも自衛隊基地はあるが、住民地域から離れた場所にあるという。「基地をなくし、平和な日本をつくりたい」と決意を示した。
川崎市の石井宗幸さん(25)は「基地は沖縄だけでなく、日本全体の問題。できる限り声を出して頑張りたい」と語った。
大阪府貝塚市の教員・村上紘美さん(26)は「地域の人が拍手してくれたり、ドライバーが手を振ったりしてくれるので、最後まで頑張って歩きたい。基地が集中する沖縄の現状を、授業で子どもたちにも伝えられれば」と話した。
陸自誘致に反対の声
宮古島 空自基地前で集会
【宮古島】宮古地区の5・15平和行進(主催・平和運動センター宮古島)が12日、同市内で行われ、参加者約150人(主催者発表)が、市上野から平良市役所まで約9キロの道のりを反戦平和を訴えて歩いた。
時折、強い日差しが照りつける中、市上野の大嶽城趾公園前駐車場を出発。4月に北朝鮮の「衛星」発射に伴い地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配備された市上野野原の航空自衛隊宮古島分屯基地前では「宮古への陸自誘致反対」「辺野古新基地建設反対」とシュプレヒコールを繰り返した。
終点の市役所平良庁舎前では平和と暮らしを守る宮古郡民大会を開催した。
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●復帰40年:行進最終日 基地ない未来願う
横断幕を手に、米軍普天間飛行場のフェンス沿いを歩く平和行進の参加者=13日、宜野湾市野嵩
【宜野湾】復帰40年の「5・15平和行進」は最終日の13日、宜野湾市役所を出発し、普天間飛行場を南北から挟む2コースに分かれて行進した。参加者は同飛行場の野嵩ゲート前などで「危険な普天間は出て行け」「爆音を止めろ」と、シュプレヒコールした。
うるま市から参加した「復帰っ子」の高宮城学さん(39)は、小学校4年で娘の理子さんを連れて参加。出身は名護市豊原区ということもあり「日米共同声明でも、基地移設が沖縄ありきの議論になっている。新基地建設は絶対反対」と憤る。理子さんも「戦闘機はうるさいし、基地はない方がいい」と話した。
西原町の伊波貴夫さん(37)は3歳の息子を抱いて行進。「まだ小さいけど、行進の意味が分かると思って連れてきた。この子が大きくなった時、基地のない自然にあふれた沖縄にしたい」と期待を込めた。
行進団は2004年に米軍ヘリが墜落した沖縄国際大学前も通過。愛知大学2年生の杉田槙一さん(21)は「ここに落ちて死者が出なかったなんて奇跡的。米軍基地が普段から沖縄の人を苦しめている。日本全体の問題として考えなければならない」と語気を強めた。
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●県内各地 変わらぬ基地に抗議集会
日米両政府の基地政策に抗議する参加者=15日午後6時、那覇市・与儀公園
復帰後40年たっても変わらない基地被害に抗議する集会が15日、県内各地で開かれた。40年前に約1万人の県民総決起大会が開かれた与儀公園では、沖縄平和運動センターが「5・15県民集会」を開いた。
参加者約250人(主催者発表)は、「沖縄の現実は何も変わらない」「県民は復帰式典に怒っている」と拳を突き上げた。「政府の軍事優先、植民地的施策に抗議し、目に見える基地撤去を要求する」との集会宣言を採択した。
米軍普天間飛行場ゲート前の広場では、普天間爆音訴訟団が「オスプレイ配備を断じて許さない怒りの県民集会」を開催。石垣市では、5・15八重山地区実行委員会が平和行進と集会を通じ、自衛隊配備などに反対の声を上げた。
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●新基地建設反対 石垣で平和行進
雨が降る中、基地のない沖縄を求め、歩みを進める行進団=15日、石垣市登野城
【八重山】5・15八重山地区実行委員会は15日、石垣市内で平和行進と「平和とくらしを守る八重山地区集会」を実施した。参加者は時折、激しい雨に見舞われながら、約12キロの道のりを「与那国への自衛隊配備反対」「平和憲法を守り抜こう」とシュプレヒコールを上げながら行進した。
新栄公園で開かれた集会には約200人が参加。北朝鮮の長距離弾道ミサイルの発射実験に備え、国が先島地域へ地対空誘導弾パトリオットを配備したことを「南西諸島への自衛隊部隊配備の素地づくり」と懸念し、米軍も含めた県内への新基地建設に反対する趣旨のアピールを採択した。
実行委の上原均委員長は「復帰から40年たっても米軍基地は県内に居座っている。与那国への自衛隊配備など、八重山が軍事化されつつある今が正念場。基地建設に対し危機感を持って臨もう」と呼び掛けた。
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●「オスプレイ許さぬ」普天間ゲート前 市民抗議
オスプレイ配備に抗議の声を上げる集会参加者=15日、宜野湾市大山
【宜野湾】「基地のない沖縄を返せ!」「普天間の固定化を許さない!」―。普天間爆音訴訟団は15日、宜野湾市大山の普天間飛行場第1ゲート前広場で、「オスプレイ配備を断じて許さない怒りの県民集会」を開き、市民団体など約200人が参加、政府の基地施策を批判し、平和な沖縄実現を訴えた。
島田善次原告団長は「基地の負担軽減と言いながら、オスプレイを押し付け、補修工事に税金を使うという野田首相はごまかしだ。PAC3配備も県民を愚弄(ぐろう)している」と憤り、政府が主催に加わった記念式典を批判した。
40年前、県祖国復帰連絡協議会の調査研究部長だった福地曠昭さん(81)も「こんなはずじゃなかった」と復帰後の姿を振り返り、「垂直離着陸機を普天間に持って来ることはあり得ない。欠陥滑走路を税金で整備してはいけない」と訴えた。
来沖中のグアム政府脱植民地化委員会メンバーも参加。父親が空軍兵で復帰前、宜野湾市内に住んでいたエドワード・アルバレスさん(51)は「沖縄もグアムと同じでいまだ自己決定権がない」と普天間飛行場に厳しい視線を投げ掛けた。
集会には県選出の4国会議員や嘉手納爆音訴訟団、辺野古、高江の市民団体などが参加。音楽家の海勢頭豊さんが県道104号越え実弾演習阻止闘争で作った「喜瀬武原」などを歌った。
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