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2014年12月24日

マイノリティの表現の自由を守ることこそ民主主義! 東アジア市民連帯・連続集会第2回「ヘイトスピーチとたたかうために」開催

 12月19日(金)、「戦後70年 新しい東アジアへの一歩へ!市民連帯」(略称「東アジア市民連帯」)の第2回集会が連合会館で開かれ、約60名が参加しました。

 今回のテーマは「ヘイトスピーチとどうたたかうか」。東アジア諸国との新しい友好関係を築くためには、自分たちの足元、つまり日本国内の人権・民主主義について点検することも必要。そうした意味から「マイノリティの権利を侵害し続けるヘイトスピーチをどうやって止めるべきか」を議論するために、今回の集会が開催されました。

 

講演に先立って開会の挨拶をした長谷川和男さん(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会)は、「東アジア市民の大きな連帯の渦をつくることで、歴史の改ざんを平気で行う安倍首相をまた勝たせてしまった日本社会を下から作り直していく闘いが必要だ」と発言し、東アジア市民連帯の運動の意義を強調しました。また「この間色々な闘いをする中で、(日本社会が)民主主義を勝ち取ってきたという経験のない弱さを痛感する。ヘイトスピーチに付和雷同する社会を変えていくためには、かつての戦争と戦後の歴史をどうとらえていくかが重要であり、それなしにはヘイトスピーチをとめることはできない」と歴史認識の重要性についても言及しました。

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 続けて、この間ヘイトスピーチの法規制を訴え続けて来た前田朗さん(東京造形大学教授)が講演されました。前田さんは冒頭「(ヘイトスピーチは)表現の自由だから処罰できないという憲法学者が多いが、全く間違っている。むしろ憲法に従って処罰すべきだ」と発言。その根拠として「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」と謳った憲法前文と、個人の尊重と幸福追求権について「最大の尊重を必要とする」と定めた13条を挙げ、もっとも表現の自由が尊重されるべきはマイノリティーであり、彼・彼女らの「表現の自由」を侵害するヘイトスピーチは処罰すべきだと強調しました。そしてEUをはじめとした世界各国でヘイトスピーチが処罰されている実例を掲げ、ヘイトスピーチ規制と表現の自由が民主主義国家だからこそ両立することを示しました。

また前田さんは、カウンターと呼ばれるヘイトスピーチに反対する人々の活躍を認めたうえで、それだけでは不十分だからこそ、各自治体で意見書を採択したり公共施設をヘイト団体に貸しだすことを禁止させるなど、行政に働きかけることも重要だと強調しました。

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 京都朝鮮学校襲撃事件の裁判では、在特会などの行為は人種差別だとされ、極めて高額の賠償金が課せられました。ヘイトスピーチに反対する世論は高まりつつありますが、政府はいまだに「表現の自由」を建前にマイノリティの人権を無視し続けています。日本社会において真の民主主義を実現させるために、そして東アジアでの新たな友好関係を作り上げるために、これからもヘイトスピーチとたたかっていかなければなりません。

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