「建国記念の日」 | 平和フォーラム
2024年02月14日
「差別を許さない!植民地主義とアイヌ民族 『建国記念の日』を考える集会」を開催
戦前日本で重要な国家的祝日(「四大節」のひとつ)「紀元節」とされた2月11日が、多くの反対の声のなか、1966年に「建国記念の日」として再度祝日化されました(翌1967年から実施)。このような国家主義復活の動きに抗し、「主権在民」など憲法理念の実現をめざす平和フォーラムは、歴史認識や人権課題をテーマとした集会を例年開催してきました。
本年は2月12日、東京・連合会館で「差別を許さない!植民地主義とアイヌ民族 『建国記念の日』を考える集会」として開催し、約150人が参加しました。自民党・杉田水脈衆院議員による度重なる差別煽動を、政府・自民党は野放しにしています。インターネットなどでもアイヌ民族への差別が渦巻いている現状を踏まえ、「先住民族アイヌの声実現!実行委員会」代表の多原良子さん、事務局長の出原昌志さんの講演を受けました。
多原良子さんは、自らがアイヌ民族として、そして女性として、マイノリティ女性をとりまく「複合差別」とたたかってきた経緯を語りました。2016年2月には国連女性差別撤廃委員会に民族衣装で出席したことをきっかけに、杉田議員の誹謗中傷のターゲットとされ、SNSなどで658件もの差別投稿が多原さんに集中的に向けられ、人権救済を求めたものの政府・法務省は真摯に対応することがありませんでした。ようやく昨年9月に札幌法務局の「人権侵犯」認定をかちとりましたが、「啓発」を受けたはずの杉田議員はいまなお開き直っています。引き続きがんばる決意などが述べられました。
出原昌志さんからは、アイヌ民族とアイヌモシリ(北海道)と日本国家をめぐる歴史経過を解説。とりわけ近世以降に和人による支配が拡がり、明治維新後も「旧土人」として権利を奪われ差別されてきたこと、そのいっぽうでそれに抗った旭川アイヌや「解平社」のたたかいが紹介されました。現在も差別と貧困が続くなか、自らを「アイヌ」と表明することをためらう傾向が強まっており、早急な法制度の整備が必要だとしました。とりわけ2024年は「アイヌ新法」見直しが行われるため、アイヌ民族と連帯するとりくみへの協力を呼びかけました。
平和フォーラムはこれまでアイヌ民族の権利確立要求や差別を許さないとりくみに協力してきました。さらに「アイヌ政策見直しを求める請願署名」などを大きく展開していきますので、多くの皆さんのご協力をお願いします。