憲法審査会レポート、2024年

2024年03月08日

憲法審査会レポート No.31

憲法審査会の開催めど立たず

前号(No.30)発行から1か月以上が経過しました。

3月2日には国会の土曜日開催の強行までしてなんとか衆議院での予算案採決を行い、現在参議院での審議に移っています(年度内成立は確定)。

例年であれば、この時期には憲法審査会開催に向けた動きも出てくるところですが、いまだ裏金問題や統一協会問題といった自民党の政治腐敗をめぐる追及が続いており、具体的な動きはありません。

とは言え、支持率低下のなかにあっても、あるいはそれゆえ求心力維持のためにか、岸田政権はなりふりかまわず悪法や改悪の強行へと突き進んでいます。「9月の総裁任期中」から「本年中に」(自民党運動方針案)と目標が後退しつつも、なおも改憲発議をスローガンに掲げ続けていますので、引き続きの注意・警戒が必要です。

【参考】

憲法審、開催めど立たず/立民硬化、交渉役も変更/首相改憲にハードル
https://www.toonippo.co.jp/articles/-/1730377
“「筆頭間協議をする状況ではない」。2月上旬、与党筆頭幹事の中谷元氏(自民)が日程調整を打診したものの、野党筆頭幹事の逢坂誠二氏(立民)は突き返した。実質的な討議入りに先立つ幹事選任の事務手続きを行う審査会の開会すら見通せない状況だ。”

憲法学者らが改憲5会派に公開質問状 任期延長は「居座りの危険」
https://www.asahi.com/articles/ASS346K4PS34UTIL019.html
“自民党など5会派が「国家有事や大規模自然災害などの事態に備え、国会議員の任期延長を認める改憲が必要」と主張しているのに対し、「国民の選挙権を制限し、議員や政権が居座る『緊急事態の恒久化』の危険性にどう対処するのか」とただしている。”

法律を守れない国会議員「居座り続けられる」…緊急事態の任期延長、改憲に前向きな5党派が「回答せず」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/313085
“…緊急事態時の国会議員任期延長に関する公開質問状に対し、自民など改憲に前向きな5党派が回答しなかったと説明した。研究者らは会見で「裏金問題のように法律を守れない議員でも国会議員に居座り続けることができる」と任期延長を問題視した。”

自民運動方針案、保守層にアピール? 年内改憲、皇位継承議論、護国神社参拝など明記
https://www.sankei.com/article/20240305-3VB7N7AD5RLOVAXI2TRN5CGTRE/
“…憲法改正に関し「本年中に改憲実現のため、国民投票を通じ国民の判断を仰ぐことを目指す」と期限を明記した。3月17日の党大会で運動方針案を正式決定する。”
“憲法改正については、緊急事態条項や自衛隊明記に関する条文起草のための機関を国会に設置し、改正原案を作成し、国会発議を経て国民投票で過半数の賛成を得られるよう「全力を傾注する」と強調した。”

ご活用ください! ブックレット『その改憲、ちょっと待った! 憲法審査会は今』

著者:吉田はるみ(立憲民主党・衆議院議員)
/新垣邦男(社会民主党・衆議院議員)
/打越さく良(立憲民主党・参議院議員)
/杉尾秀哉(立憲民主党・参議院議員)
/飯島滋明(名古屋学院大学教授)
編集:フォーラム平和・人権・環境
発売:八月書館
内容:A5判並製・76ページ
定価:本体900円+税

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