2022年、憲法審査会レポート

2022年11月18日

憲法審査会レポート No.2

2022年11月17日(木) 第210回国会(臨時会)第4回 衆議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=54208
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【会議録】

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/025021020221117004.htm

【マスコミ報道から】

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221117/k10013894571000.html
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022111700841&g=pol
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA17AOP0X11C22A1000000/
https://www.tokyo-np.co.jp/article/214565

【傍聴者の感想】

17日の衆院憲法審査会では、緊急事態条項を中心とした討議が行われました。

改憲派の委員たちが、(改憲派)各党の案には差異はあるとしてもその必要性については一致している、ついては法制局に論点整理を求めるなどと発言しており、改憲に向けたステップを早急にすすめようとする姿勢が見えました。

それに対し、社民・新垣委員の改憲発議に向けた論点整理は不要、それより国会法102条の6項に規定された憲法審査会の権能に基づいて国葬や統一協会といった憲法にかかわる重大な問題を検証すべきだという発言のほうが腑に落ちました。

また、自民・務台委員の護憲派をコロナ対策でマスクを着け続ける人と同様の(!?)世界の時流から取り残された「裸の王様」と揶揄する発言、維新・前川委員の憲法は権力者を縛るルールとしながら解釈改憲を許した9条は問題などという(理屈を転倒させた)発言、これらを憲法論議の実績としてカウントされてはたまったものじゃないな、と思いました。(Y)

【国会議員から】新垣邦男さん(社会民主党・衆議院議員/憲法審査会委員)

通常国会以降、毎週のように憲法審査会が開かれています。しかし、国民の関心が、目先の暮らし向きや景気の動向にある中、改憲論議のための論点整理や発議に向けた手続き論は不要不急です。社民党は、改憲発議に向けた地ならしとしての憲法審査会開催には、今国会でも明確に反対します。

他方、憲法審査会には「憲法に密接に関連する基本法制について、広範かつ総合的に調査を行う」権能が付与されています(国会法第102条の6)。

今、国民の耳目を集め、社会問題化している旧統一教会と国葬の問題です。旧統一教会をめぐっては、「宗教2世」に対する憲法13条の自己決定権や憲法29条の財産権の問題が議論となり、国葬においては、一個人を特別扱いすることが憲法14条の法の下の平等に反し、弔意の強制は憲法19条の思想良心の自由の侵害にあたる等と問題視されています。

これらの憲法上の問題について憲法審査会で議論する必要性を強く感じております。旧統一教会と国葬をめぐる問題を素通りしたまま、改憲項目の議論に踏み込んだところで国民の理解は得られないことを強調し、意見を申し述べました。

【憲法学者から】飯島滋明さん(名古屋学院大学教授)

北側一雄議員(公明党)は「今日も、緊急事態における任期延長につきまして、多くの会派の委員の方々が、その必要性について方向性がかなり共有されているなということを実感いたしております。先の通常国会そしてこの臨時国会で、この緊急事態条項については相当議論もなされ、具体的な論点についてもほぼ出尽くしているというふうに思います」と発言しました。

それに対して社民党の新垣邦男議員は「国会の機能維持が重要だというのであれば、任期延長の憲法改正論議だけではなく、今まさに旧統一教会の問題を憲法審査会で審議すべきだと考えます」と発言しました。

自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党などは統一教会の問題を回避しての憲法改正論議をすすめようとしています。しかし、日本の市民の幸福と家庭を崩壊させてきた、外国の団体の影響を受けた憲法改正は「国民主権」からも正当化できません。衆議院でも統一協会と自民党改憲の問題は徹底的に追及されるべきです。

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