2022年、声明・申し入れ
2022年07月09日
【声明】民主主義の根幹を揺るがす暴力を許さない
平和フォーラムは以下の声明を発表しました。
【声明】民主主義の根幹を揺るがす暴力を許さない
第26回参議院議員通常選挙の投票日を2日後に控えた7月8日、奈良県奈良市、近鉄西大寺駅前の路上において参議院選候補者への応援演説中であった安倍晋三元首相が、銃弾に倒れました。民主主義の根幹を揺るがす行為を、平和フォーラムは絶対に許すことはできません。私たちの運動は、安倍晋三元首相の政治姿勢とは立場を異にしてきましたが、民主主義は思想信条と言論の自由を基本にして成立するものであって、暴力を以て自らの主張を遂げようとすることを許すものではありません。蛮行によって命を絶たれた安倍晋三元首相のご冥福を心から祈ります。
暴力に屈することなく民主主義を守るとして、各政党の選挙活動は継続されます。私たちは、蛮行に怯むことなく冷静に権利を行使し、将来の日本のあるべき姿を考えなくてはなりません。
明治維新以降、多くの政治家が襲撃され命を失いました。原敬、浜口雄幸、井上準之助、犬養毅、高橋是清。1932年の血盟団事件に始まって、同年の5.15事件、1936年の2.26事件、昭和の初めには暴力によって自らの主張を実現しようとした事件が多発しました。戦後も、1960年の浅沼稲次郎社会党委員長や2007年の伊藤一長長崎市長などの事件がありました。「暴力を許さない」「言論の自由を守る」という事件での教訓が、民主主義の強化に繋がったかというとそうではありませんでした。「暴力を許さない」と「言論の自由を守る、民主主義を守る」という二つの思いの実現がいかに困難であるのかを、私たちは、もう一度しっかりと歴史に学ぶ必要があります。
平和フォーラムは、「ひとり一人の命に寄り添う」ことを基本に、平和な世界を求めてとりくんできました。その基本は「命の尊厳」にあります。戦争もテロも、そして犯罪も、「命の尊厳」を脅かす許すことのできない蛮行であるとの本質は変わりません。暴力に怯むことなく、憲法の規定する自由と民主主義の達成に向けて、今後もとりくんでいきます。
2022年7月9日
フォーラム平和・人権・環境
(平和フォーラム)
共同代表 勝島一博
藤本泰成