声明・申し入れ、2018年、沖縄コーナー
2018年05月13日
5・15平和とくらしを守る県民大会宣言
5・15平和とくらしを守る県民大会宣言
沖縄は、46年目の復帰の日を迎えた。1952年サンフランシスコ講和条約により切り離され、1972年の復帰までの間、米軍の統治による人間が人間らしく生きる権利が抑圧された苛酷な日々を強制されてきた。そして、「即時無条件全面返還、平和な島・沖縄」を強く望んだ復帰の思いとは裏腹に、日米安保条約により米軍基地が居座り続け、戦後73年、そして復帰46年経った今日、米軍基地はさらに強化、拡大されている。
このような中、安倍政権は、東村高江では米軍北部訓練場の過半の返還のためと国民に偽り、名護市辺野古では米軍普天間基地の危険性の除去に名を借りた新たな基地建設を強行している。新基地は滑走路が2本になり、軍港機能が併設され、弾薬装填施設をはじめとするあらゆる機能を備えた耐用年数200年ともいわれる強固な米軍基地である。日米両政府は、隣接のキャンプシュワブ、キャンプハンセン、辺野古弾薬庫、さらに広大な北部訓練場と一体的運用を可能にする軍事基地の要塞化を目論んでいる。日米同盟強化をアピールし、沖縄への構造的差別による過重な基地押し付けは断じて許せるものではない。「辺野古新基地NO」の圧倒的民意が何度も示されたにもかかわらず、「辺野古が唯一の解決策」とする政府の傲慢なやり方は、地方自治をはじめ、国民の権利や平和的生存権を保障する憲法までも否定している。これが民主主義国家と言えるだろうか。また、自然や環境保護の重要性が注目されるなか絶滅危惧種のジュゴンや豊富なサンゴ群落などの生物多様性の美ら海を埋め立てることは観光立県沖縄の未来を崩壊させることだ。さらに、島嶼防衛のもと与那国島への自衛隊の監視部隊や宮古島、石垣島への地対艦ミサイル部隊の配備は言語道断である。私たちは捨て石にされた73年前の惨烈な沖縄に回帰させてはならない。
他方、アジアでは緊張が融和へと動き出している。4月の南北首脳会談において、朝鮮半島の緊張緩和と非核化を共同目標とする板門店宣言に両国が署名した。さらに6月には初めて米朝首脳会談が予定され、東アジアが平和と安定へと加速し、これまでの日米安保や地位協定について抜本的に見直す時期が着実に到来している。この動きに逆行する安倍政権の北朝鮮への圧力や制裁の強化の継続は、日本の防衛や外交政策が世界中から非難されることは明らかである。
また、安倍政権は、森友、加計学園問題では国民をないがしろにし、憲法改悪の動きを強めている。戦争を放棄した9条に自衛隊を明記し、戦前回帰とともに戦争へと突き進もうとする独善的政治の暴走を断固阻止しなくてはならない。
私たちは、このような米軍、自衛隊基地の強化や憲法改悪の動きが渦巻くのなか、本島2コース、宮古、八重山コースの4コースで復帰46目の内実を力強く訴えて歩いた。政府の米国追従と差別的な沖縄政策によって押し付けられる不条理に厳しく抗議し、県民と全国の仲間が一丸となって取り組む決意を示してきた。また、今回も全国から1200人余の参加者が、平和行進を盛り上げる原動力となっている。
私たちは、今年の本県民大会において、平和行進と本大会の成功をともに確認し、日米両政府によって強行される米軍基地の強化、拡大に反対することを表明する。さらに不平等な日米地位協定の抜本的改正を強く要求する。また、震災の教訓を活かし全国の原発の再稼働を許さず、脱原発社会の実現を確認する。最後に戦争への道を踏み出そうとする政府の戦争政策、憲法改悪に抗し、アジア近隣諸国、そして、世界平和のために闘い抜くことを確認した。このことを本大会において宣言する。
2018年5月13日
復帰46年・平和とくらしを守る5・15県民大会