声明・申し入れ、2014年
2014年11月17日
翁長雄志さんの沖縄県知事選挙勝利に関する声明
翁長雄志さんの沖縄県知事選挙勝利に関する 事務局長声明
フォーラム平和・人権・環境
事務局長 藤本 泰成
11月16日に投開票された沖縄知事選挙は、翁長雄志(おなが・たけし)前那覇市長が360,820票を獲得し、辺野古新基地建設を推進する現職の仲井真弘多知事に10万票の大差をつけて勝利しました。同時に行われた、那覇市長選挙においても翁長市政を継承するとする城間幹子さんが、倍近い得票をもって勝利しました。「沖縄に新しい基地はつくらせない」とする沖縄県民の勇気ある決断に、平和フォーラムは大きな拍手を送ります。
現職の仲井真知事は、4年前の知事選で普天間基地の移設について「県外」を公約にして当選を果たしたにもかかわらず、昨年末その公約を翻し、辺野古への新基地建設容認に立場を変えました。しかし直後の名護市長選挙では、新基地建設に反対する稲嶺市長が大差で再選され、名護市の住民は辺野古新基地建設にNO!をつきつけました。その後の各種世論調査においても、辺野古の新基地建設に反対する世論は7、8割にもおよんでいます。
これに対して安倍政権は、新基地建設に向けたボーリング調査を強行して既成事実をつくり、「辺野古問題はすでに終わったこと」として選挙の焦点から外そうとしてきました。しかし県民世論は、民意を無視し県民の尊厳と誇りをないがしろにする政府に対して、「沖縄のアイデンティティー」を前面に出し、従来の保革の枠を超えて翁長さんへの支持を広げたのです。
お金さえ積めば意のままになるとする経済振興策や、政治的恫喝によって沖縄県民を翻意させようとする安倍首相の政治姿勢について、翁長さんは「民主主義の品格」が求められると痛烈な批判を当選後のインタビューで語っています。まさに、日本の民主主義の本質が問われた選挙であったともいえるでしょう。
日米の安全保障政策に影響力を持つジョセフ・ナイ元国防次官補など、米国からも辺野古移設は困難との見方が生まれています。日本政府は、今回の知事選で示された沖縄の民意を真摯に受け止めて、辺野古新基地建設を断念しなくてはなりません。日本政府が辺野古新基地建設にこだわる必然性は、消滅したものと考えます。
「沖縄によりそう」としてきた安倍首相の姿勢が問われています。平和フォーラムは、日本政府が沖縄の民意に沿った基地問題の解決を図るようとりくむことを強く要請し、辺野古新基地建設阻止に向けて全力を尽くすことを確認します。今回の沖縄県知事選挙での勝利をバネに、予想される衆議院総選挙での勝利をめざし、「戦争・原発・貧困・差別」の解消、一人ひとりの命に寄り添う政治の確立をめざしてとりくみをすすめることを訴えます。