声明・申し入れ

2015年04月15日

平和フォーラム第17回総会 福山代表あいさつ

 

この間の平和フォーラムの闘いへのご結集に心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございます。また今日は春闘、統一自治体選挙の中での結集ありがとうございます。
この1年、平和フォーラムが大きな役割を果たせたのは皆様の運動結集があったからです。
さて憲法をないがしろにし、戦争する国・軍事大国化をめざす安倍自公政権の暴走が止まりません。私たちは、戦後最大の平和・民主主義・憲法の危機に直面しています。この事態の中で平和フォーラムの果たさなければならない役割がますます重要になっています。

Ⅰ.何が求められているのか
3月17日、超党派の沖縄議員懇(会長近藤昭一、事務局長水岡俊一)の沖縄・辺野古米軍新基地建設反対集会で社民党の照屋寛徳議員が沖縄の現実を沖縄言葉、ウチナーグチで「ニジティ、ニジララン」と紹介し、「がまんのしようにもがまんできない。がまんの限界を超えている。一番悪いのは日米両政府である。その次に悪いのは国民の無関心である。しかし無関心でいることは共犯である。」と提起しました。
翁長知事は4月5日の菅官房長官との会談の中で、「うえから目線の「粛々」という言葉を使えば使うほど、県民の心は離れて、怒りは増幅していくのではないかと思っている。私は辺野古の新基地は絶対に建設することはできないと確信を持っている。こういう県民のパワーが私たちの誇りと自信、祖先に対する思い、将来の子や孫に対する思いというものが全部重なっていて、私たちの生き様となってくる。絶対に建設することはできない。不可能になるだろうなと私は思う。そうすると、建設途上でとん挫することによって起こりうる事態はすべて政府の責任だ。」と主張しました。照屋さん、翁長さんの主張とも、私たちの体全体を揺さぶる主張でした。その通りです。私たちにはわかっているはずです。安倍自公政権は、東京での、全国での闘いの弱さ、無関心を見越して、沖縄での民主主義を破壊しながら基地建設を強行しているのです。
危機の進行は沖縄だけではありません。昨年の7月の閣議決定を受け、4月下旬「日米ガイドラインの改定」を行い、「戦争関連法案」を5月中旬にも、国会に提出しようとしています。このガイドラインの改定と戦争関連法案の本質は、あの空洞化され続けてきた憲法の最後の歯止めである「専守防衛」を壊し、集団的自衛権行使に風穴を開け、中東から東アジアを視野に、米軍の軍事戦略の下に、「自衛隊」が、「積極的平和主義のスローガンの下、米軍とともに戦うためのものです。日本の国のかたちが変わってしまいます。
エネルギー政策を転換しての原発の再稼働もそうです。東電福島原発事故後4年を経過する中で、事故の深刻さが風化を始めています。福島原発事故は、政府発表でも、セシウム138は、広島原爆の168倍放出されました。現在もまだ12万人が避難したまま、事故の原因も、全容もわからず、収束の展望も見えず、放射能はたれ流されつづけ、その放射能は、福島を、日本を、世界を汚染し続けているのです。また放射性廃棄物の処分先も決まっていません。そんな中で、政府は原発再稼働・原発の輸出を進めようとしています。原発は「国破れて山河あり」の「山河」を壊し続けているのです。エネルギー政策の転換、脱原発の道しかありません。
また安倍談話もそうです。「戦後レジームからの脱却」を彼らは主張してきました。そのことの意味は、「歴史認識の修正と憲法改悪」です。そのためこの夏、彼らの狙いは、「安倍談話」を契機に、1点目は、「村山談話・河野談話の空洞化すること」、2点目は、「戦争関連法案を可決し、積極的平和主義の名のもとに、自衛隊が海外で戦争することを宣言すること」、3点目は、日本軍慰安婦・強制連行労働など戦後補償、日朝国交正常化を先送りすること」です。世界の常識がわかっていません。
その他、新自由主義路線に基づく貧困と格差社会の進行政策、TPP推進など国民生活破壊、「亡国の政策」が続きます。
彼らの戦略を実現するための戦術は、1.国会での多数を背景に民主主義的ルールを装いながら、暴走すること、2.それに対抗する平和・民主主義・脱原発の勢力には懐柔と弾圧で対応すること、3.引き続き、マスコミや教育への介入を進めて幻想を振りまき、偏狭なナショナリズムをあおり続けること、4.「日本会議」や「美しい日本の憲法つくる国民の会」などの右翼組織を使って、憲法改悪への右翼的国民運動を本格的に開始することです。
背景で安倍政権と中央官僚グループを動かしているのは「戦争することによって金を儲け・権力を強める産軍複合体グループ」と「グローバル化の中で利潤を増やし続けている金融資本や投資ファンドグループ」であり、その行き着く先は、彼らが引き起こす国内外の矛盾と平和・民主主義勢力を、米政府と連携して、武力と暴力で抑え込むために憲法を改悪し、軍事大国化することです。曲がりなりにも憲法を中心としてきた戦後の日本の形が変わってしまいます。
もちろん彼らのそうした路線が簡単に成功するとも思えません。米国内でも、世界的に見ても、日本国内でも、平和・民主主義を求める勢力の長い闘いと連帯の歴史があります。

Ⅱ.私たちはどうするのか
確かに安倍政権の支持率は高いものがあります。しかし12月の総選挙で彼らは勝利したとはいえ、絶対得票率は、比例代表選挙で、17%弱であり、沖縄への新基地建設も、集団的自衛権の合憲化も、原発再稼働も、村山談話の見直しも、消費税の引き上げも、TPPなど、個別政策では、支持されていません。アベノミクス政策の中で貧困と格差社会が深刻化し続けています。また政権基盤も、右翼グループと良心的保守との関係、平和と福祉を掲げる公明党との関係など、盤石ではありません。歴史認識の修正や軍事大国化には国際的批判も高いものがあります。
それでも支持率の高いのは、安倍の暴走に対抗する明確な方針を持った勢力、彼らに代わる勢力が市民、国民、民衆には見えないからです。国民の怒りと不安が行き場を求めて、中に舞っているのです。私たちの努力で、対抗する勢力運動をつくりだせば、安倍政権の政策転換・退陣は可能です。
こうした情勢の下、今回の方針で、平和フォーラムは、一歩、二歩と踏み出そうと提起しています。平和フォーラムは、2000年代、社会的に求められる役割を果たすため、組織と運動を強化するとして、努力をしてきました。そして2004年原子力空母横須賀母港化阻止闘争を契機に、従来の「年中行事消化型の運動」から、新しい事態をつくりだすとして、市民、市民運動との連帯の輪を大きく拡大してきました。
そして2011年3・11以降は、「さようなら原発1000万人」アクションで、原発立地県の闘いと合わせて、東京で、大江健三郎さん、鎌田慧さんなどと連携しながら、大きな脱原発運動をつくっています。また2014年からは、「特定秘密保護法阻止」運動の経過を踏まえ、平和運動を「戦争させない1000人委員会」運動へと運動を大きく拡大・高揚させてきました。120人の著名人が呼びかけ人として名前を連ねてくれています。そして全国へ拡大しています。次は市町村で、地域で、職場で1000人委員会運動を組織し、全国からの重層的な運動構築が求められています。
また今年に入ってからは、形だけの運動ではなく「安倍の暴走を本気で止めるため」連帯の輪のさらに拡大するとして、考え方や立場、運動経過の違いがある勢力とも総がかり行動実行委員会を発足させ、連携を深め、闘いを組み立てています。5月3日の集会は当面の最大の取り組みとなります。また引き続く5、6、7、8月へと続く山場の闘いも総がかり行動実行委員会で引き続き闘いぬく決意です。アベノ暴走を止めるには全国からの闘いが求められています。60年安保、特定秘密保護法、さようなら原発の7・16集会の闘い、沖縄での闘い、全国各地での闘いに思いをはせながら、大衆的運動の高揚をつくりだしましょう。 また安倍の暴走を止めるためには、民主党、社民党、立憲フォーラム、立憲ネットなど野党の奮闘、連合を中心とする労働団体奮闘も必須です。彼の努力にも期待しましょう。
民主党の長妻昭議員のホームページにラマンチャの男よりとして「一番憎むべきバカとは、あるがままの人生におり合いをつけてしまって、あるべき姿のために闘わないことだ。」というのがありました。この言葉をかみしめたい。
情勢の厳しさに流されるのではなく、あるべき姿のために、平和フォーラムと、平和・民主主義・脱原発のために闘うすべての勢力を信頼して、頑張りましょう。
ありがとうございました。

 

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