声明・申し入れ、2010年、東北アジア平和キャンペーン

2010年07月23日

東北アジアに非核・平和の確立を!日朝国交正常化を求める連絡会全国総会・集会アピール

 私たちは、日本が朝鮮半島を植民地化してから100年目に当たる2010年を重要な節目ととらえ、年末までに日朝基本条約を締結し日朝関係改善の出発点とすることを訴えてきた。とりわけ日本政府に対し、政府みずからが朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対して対話を呼びかけ、途絶した交渉を再開する中で、諸懸案を解決していくことを求め、日朝基本条約案を提起してきた。
 この間、日韓の市民・社会団体においても、歴史を記憶しつつ新たな友好の未来を築くよう、さまざまなレベルでの共同作業が進んでいる。そこでは、隣国である北朝鮮との国交正常化が、植民地支配の歴史に対する責任の問題であることが確認されている。
 しかし、民主党政権への政権交代がなしとげられたにもかかわらず、日本政府の対北朝鮮政策は前進を見ていない。そればかりか、2010年3月に発生した哨戒艦沈没事件をめぐっては、すすんで北朝鮮への圧迫政策を強め、制裁措置の強化を実施した。普天間基地移転問題をめぐっては、「北朝鮮の脅威」が米軍の存在理由であるかのように説明されている。外交をなおざりにして、「北朝鮮の脅威」を口実に沖縄の人びとに犠牲を強いる現実は、見直されなければならない。
 また、朝鮮高校に対しての無償化措置適用を保留するという差別的な措置がとられている。国際人権機関からも批判を受けているこのような措置は、拉致問題を含む日朝間の諸懸案の解決に役立たないばかりか、平和と友好の未来を阻害するものだ。同時に、在日朝鮮人の民族的権利を侵害してきた悪しき歴史の再生産にほかならない。
 民主党政権こそが、植民地支配の歴史に対する日本の責任を明確にし、東北アジアの非核・平和を確立する立場から、日朝国交正常化を推進していかねばならない。菅直人政権が歴史と平和に対する見識を持つ内閣を構成し、朝鮮植民地化100年目に当たっての反省と謝罪の見解を明らかにすることを出発点として、日朝国交正常化交渉再開に尽力していくことを、私たちは求める。歴史と平和の課題を解決する日朝交渉の中でこそ、日朝間の諸懸案も解決することが可能になるはずである。
 そのために私たちは日本社会に対して、日朝国交正常化を通じて東北アジアの非核・平和を実現することをさらに積極的に訴えていくとともに、政府・与党に対して積極的にはたらきかけ、2010年に日朝関係の前進を実現することをめざしていこう。

  1. 日本政府は北朝鮮に対する制裁措置を解除し、国交正常化交渉を再開するよう要求する
  2. 植民地支配への反省と謝罪に基づいた日朝基本条約締結を引き続き訴える
  3. 基地のない沖縄のための運動と連帯し、東北アジアの非核・平和を求めていく
  4. 在日朝鮮人の人権を守るための取り組みを強化していく
  5. 平和のための国際連帯を強化していく

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