2010『在日朝鮮人歴史・人権月間』関西集会「アピール」「特別決議」
2010『在日朝鮮人歴史・人権月間』関西集会アピール
2010『在日朝鮮人歴史・人権月間』関西実行委員会は、渡来人の活躍で飛鳥時代の文化の基礎を拓いた地であり、柳本飛行場等に強制連行による足跡が残されている奈良で関西集会を開催しました。
私たちは日本人と在日朝鮮人が共に在日朝鮮人の過去の歴史を知り現在の人権状況を考える関西集会で以下の内容を確認しました。
第一に、日本による「韓国併合」は、19世紀末の朝鮮の領海侵犯、皇后の暗殺、軍隊解散、外交権剥奪等、様々な既成事実を基に強行されました。
とりわけ「1905年条約」により日本は、朝鮮の外交権を奪い統監部を設置し以降、日本の意に沿わない皇帝を退任させ、司法権、警察権を奪い、実質的に日本の占領下としました。
第二に、1910年「韓国併合条約」は、既に外交権を奪った「1905年条約」を法的に継承した条約であることから「1905年条約」が無効ならば「韓国併合条約」も無効となります。
しかし、1965年「日・韓条約」はもちろん、以降、日本の歴代首相は曖昧な「遺憾」と「当時は適法的」等の見解を示してきました。
第三に、こうした中で国連国際法委員会が「1905年条約」を当初から無効の四つの条約(注1)の一つとして取り上げ「保護条約の受諾を得るために韓国皇帝及びその閣僚に加えられた強制」(1963年年次報告書)(注2)とその理由を明記した国連公文書が発見されました。
今後、南北朝鮮が日本による朝鮮統治の違法性を国際司法裁判所に提訴するならば、日本の勝訴は難しいと言われています。
次に日本と同様に同報告書で問われたナチ・ドイツによる条約強制問題を1973年、西ドイツはチェコと締結した国交正常化条約で、ミュンヘン協定は「力による威嚇の下にナチ政府によって強制された」としました。これは日本の真摯な対応を促す先例と言えます。
第四に、過去の歴史的経緯から在日朝鮮人の人権問題を見つめることが今、求められています。「1905年条約」を契機に、他民族支配を正当化し、大和民族の優越性を強調する動きが出てきました。
例えば1908年、神戸新聞は次のような特集報道をしています。「今では既に日本の保護国となっている韓国の人民すなわち朝鮮人は、大和民族とは異なった一種独特の性質を有している。その不潔であること、その怠惰であること、その狡獪なること、その屁理屈であること、その薄っ馬鹿であることなどは、たしかに彼らの特有性である。」(1908.8.15『神戸新聞』「丹州氷上の朝鮮村」連載特集)(注3)と民族差別を煽動しました。
故に国連特別報告者は、2006年の報告書で現在の日本の状況をコリアン・中国人コミュニティの「差別の歴史的・文化的根深さが日本では認識されていない」(四つ折りリーフレット1ページ)としたのです。
第五に、現在、国際的に最も重要な人権課題は人種差別の撤廃です。しかし、日本の現状は深刻です。例えば朝鮮学校に対する「高校無償化」除外問題を国連人種差別撤廃条約委員会が懸念し、本年3月に勧告書に含めましたが、日本政府はこれを無視し、法案を国会に提出・採択しました。他の先進国ではあり得ない重大な人権侵害が日本では政府と国会により公然となされているのです。
最後に、「韓国併合」から100年となる現在も、日朝間は国交のない非正常な関係が継続されています。日本政府は、戦後処理が唯一残された朝鮮民主主義人民共和国と日朝平壌宣言の原則に基づき、国交正常化交渉を再開し、「拉致」と「制裁」一辺倒の外交姿勢を転換すべきです。そして、「韓国併合」100年の歴史的な節目に際し、今こそ日本政府は真摯かつ明確な反省と謝罪を行うべきです。
今日、「在日朝鮮人歴史・人権月間関西集会」に集った私たちは、南北朝鮮との平和と友好の新たな100年を築くために、共感の輪を広めていきましょう。
2010年4月24日
2010『韓国併合』100年 今こそ平和と友好に向けて在日朝鮮人歴史・人権月間関西集会
(注1)無効とされた他の条約とは、a.ポーランド国会に脅迫が加えられた1773年の分割条約、b.1915年ハイチの国会議員が米国の軍隊により協定を批准するよう強制された条約、c.1939年ナチ・ドイツがチェコ大統領と外務大臣に条約の締結を強制。(「日本の責任と被害回復」『統一評論』1996.4) (注2)戸塚悦郎「乙巳五保護条約の不法性と日本政府の責任」、朝鮮人強制連行真相調査団『資料集18』(2005.11)所収論文 (注3)朝鮮人強制連行真相調査団編著『朝鮮人強制連行調査の記録-兵庫編』(1993.11.柏書房)
「高校無償化」制度の朝鮮学校(高級部)への適用を求める要請
内閣総理大臣 鳩山由紀夫 様
文部科学大臣 川端 達夫 様
「高校無償化」制度の朝鮮学校(高級部)への適用を求める要請
3月31日、「高校無償化法」が可決・成立し、すべての子どもたちが等しく高等教育を受ける機会が保障されることになり、私たちは、政権交代の成果の第1歩として大きな期待を持って受け止めたところです。
しかし、国会審議での文部科学大臣の答弁や報道によると、文科省は各種学校の認可を受けている外国人学校に関連して、朝鮮学校に通う高校生に限り、無償化の対象にするかどうかの可否を専門家による「検討の場」で審査し、8月ごろまで決定を先送りするとされています。都道府県から同じ認可を受けた外国人学校の中で、朝鮮学校だけを審査対象とすることは明らかな民族差別です。
こうした差別的な措置は、最近各地で展開されている在日朝鮮人に対する敵意に満ちた排外主義的示威行為や暴力行為、そして日本社会に存在する朝鮮人差別意識を容認、助長するもので民族差別政策と言わざるを得ません。外交関係や国内政局など、政治的意図を持って、教育の場に差別を持ち込むことは、「法の下の平等」を謳った憲法や、「教育の機会均等に寄与する」とした「高校無償化法」の目的に真っ向から反するものです。
また、朝鮮学校では、日本の学校制度に合わせて6・3・3・4制を採用し、朝鮮史以外は、日本の「1条校」とかわりないカリキュラムで教育を行なっています。そのことは、朝鮮高級学校卒業生に、国立大学をはじめほぼすべての大学が受験資格を認め、受け入れている事実からみても明らかです。にもかかわらず、朝鮮学校は、いまだに「1条校」に準ずる学校として認められていないため、国からの援助もなく、学校運営費は朝鮮人同胞や保護者の寄付と授業料でまかなわれています。ゆえに(教育費は多額となり、在日朝鮮人の大きな負担となっているのが現状です。
いのちや友愛精神を重視し、「東アジア共同体構想」を提唱した鳩山政権は、前政権とは異なる政治姿勢を打ち出す政権と期待していただけに、その失望と怒りは抑えることができません。
とくに今年は、朝鮮を植民地化した「韓国併合」100年の年です。長い間、多くの朝鮮民族に犠牲を強いてきた日本は、率直に過去の歴史を反省し、日朝国交正常化をなしとげて、新しい東アジア共同体へと前進しなければなりません。朝鮮学校は戦後、在日朝鮮人らが子どもたちに「母国語」である朝鮮語を取り戻すため各地で始めた民族学校を起源として各地に設置され、民族教育を担ってきたという歴史的な経緯の中で生まれたものです。現在は、日本で共生社会の一員として生きることを前提に在日3,4世の子どもたちの教育をおこなっています(朝鮮籍、韓国籍、日本籍をふくむ)。
21世紀を生きる子どもたちの未来が、政治情勢によって左右されることがあってはなりません。そのために政府は、朝鮮高級学校の生徒たちに差別なき学習権を保障し、隣国との友好ならびに国際的な人権、平等、平和の多文化共生社会の推進に貢献されることを期待し、朝鮮高級学校に「高校無償化」制度を即時適用することを強く要請いたします。
2010年4月24日
2010「在日朝鮮人歴史・人権月間」関西集会
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