声明・申し入れ、2010年、東北アジア平和キャンペーン
2010年04月21日
特別決議・ 韓国併合100年にあたり東アジアとの新たな連帯をめざして
1910年8月22日、日本は「韓国併合条約」の締結を強行しました。本年はそれから100年となる節目の年です。朝鮮半島は、35年間の植民地支配と日本の戦争により、無数の被害をもたらされました。解放後も朝鮮戦争をはじめ南北分断がつづくなか、日本が与えた被害の補償はもとより、謝罪や調査すら十分には行われてきませんでした。
いま、日本に東アジア重視の姿勢を明確にした新政権が誕生し、鳩山首相は「東アジア共同体」構想を主張しています。これを現実のものとし、東アジア諸国との友好関係を築くためには、中国や朝鮮半島をはじめとした「過去の清算」に向けたさらなる努力が必要不可欠です。
これまで、東アジア諸国に対しては、1995年の自社さ政権のなかでの「村山首相談話」や日中・日韓共同宣言の内容を政府見解としてきましたが、他方で靖国神社への首相の公式参拝問題や、歴史歪曲教科書の検定合格、首相の「従軍慰安婦」強制否定発言など、東アジア諸国との関係を悪化させる日本の官民・政治家による動きが後を絶たない状況がつづいてきました。
この状況から東アジア諸国との関係を改善することは、日本の政治・経済・外交・安全保障上の重要課題です。そのため、私たちは、本年度、以下のとりくみをすすめることを決議します。
- 侵略戦争の認識、植民地支配の事実、加害の責任、戦後補償など「過去の清算」に向けた努力を明確にした「首相談話」の発表を求めます。
- 「従軍慰安婦」はじめ戦時性的強制被害者、強制連行・強制労働被害者などの戦後補償問題の解決の道筋を明確に示すことを求めます。
- 関係諸国すべてを含む戦争被害者に対する国立の非宗教的追悼施設の建設を要求し、靖国問題の決着を求めます。
- 戦争被害の実態調査や東アジア諸国との歴史認識の共有化を図るなど、共通理解への努力を具体的に位置づけるよう求めます。
- 日中・日韓共同宣言に示された若者の共通した歴史認識を確立する努力を示すとともに、村山首相談話に示された政府の公式な「歴史観」に基づく教科書検定を求めます。
- 唯一国交のない朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との早期の国交正常化をめざした交渉を開始し、拉致被害など両国間に横たわる懸案事項の解決を求めます。
フォーラム平和・人権・環境第12回総会