原水禁/新START調印と核に関する今後の国際協議に向けた原水禁の見解
2010年4月9日
新START調印と核に関する今後の国際協議に向けた原水禁の見解
原水爆禁止日本国民会議
事務局長 藤本泰成
4月8日、チェコのプラハで米国のオバマ大統領とロシアのメドベージェフ大統領が新START(戦略核兵器削減条約)に調印しました。検証システムを含む包括的な核軍縮条約の調印は、START1から19年ぶりになります。議定書も含めると182ページにもなるその内容は、世界の核兵器の90%以上を保有する米ロ両国が、発効後7年以内に、配備される戦略核弾頭をこれまでよりも30%減らして1550発に、弾道ミサイルや戦略爆撃機などの運搬手段を800(配備総数は700)にし、START1よりも有効な検証システムをさだめ、有効期間を10年間とするものです。検証措置の無かった戦略攻撃兵器削減条約(モスクワ条約)に比べると大きな進歩で、原水禁としてはこの調印を大きな期待を持って歓迎します。
1年前のプラハで「核のない世界」をめざす演説をして以来、オバマ大統領は、メドベージェフ大統領と、ミサイル防衛(MD)と検証措置の問題で難航しながらも交渉を続けてきました。さらに条約を発効させるためには、議会での批准が必要であり、CTBT(包括的核実験禁止条約)の批准とあわせて難しい状況が残っています。条約は、配備から外された戦略核兵器の廃棄処分などを定めておらず、また、戦術核を対象としていないため、条約発効後も、まだ何千発もの核兵器が残ります。戦術核、非配備核をふくめた、あらゆるタイプの核弾頭の検証可能な処分の交渉が続けられるべきです。
オバマ大統領が、5月のNPT(核拡散防止条約)再検討会議と、12日からワシントンで開かれる核セキュリティーサミットの直前に新START調印とNPR(核態勢の見直し)の発表を間に合わせたことには、核軍縮交渉へむけた強い意志が窺われます。ワシントンでのサミットには米国との戦略的対話が期待される中国の胡錦涛国家主席も参加します。他の核保有国を含め、今後予定される国際会議を通じて核兵器廃絶への動きが強まることを望みます。
その中で大きな議題になる核物質の拡散問題に関しては、膨大な余剰プルトニウムを持つ日本は、ウラン濃縮を続けるイランに対して、核燃料再処理計画を進めることで「日本モデル」を提供しています。日本政府は、軍事転用可能核物質の余剰ゼロを宣言しているにもかかわらず、核弾頭5000発分以上のものプルトニウムを持ったまま、さらに六ヶ所再処理工場でプルトニウムを製造する計画を進めています。政府は、核廃絶へのリーダーシップをとるためにも、この核燃料サイクルの根本的見直しを行い、国際的に説得力のある核物質管理政策を示すべきです。原水禁は今後も核兵器廃絶に向けた取り組みを粘り強く進めて行きます。
以 上
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