原水禁/地球温暖化対策基本法案に対する声明
鳩山政権は、「2020年までに温室効果ガスの排出を25%削減する」と、これまでの日本の温暖化対策を大きく前進させる構想を述べてきました。そのこと自体は評価できますが、その構想を支える「地球温暖化対策基本法案」には多くの問題点が含まれています。特に温暖化対策の中心となるべきエネルギー政策の中での、原子力発電の取り扱いについては問題です。
温暖化対策に対して、「発電時」にCO2を出さないというだけで原子力発電を対策の柱に位置づけようとしていますが、核燃料サイクル全体をみれば莫大なCO2を出しています。さらに放射能を生みだし、その処理や処分もできない現実は、地球にやさしいとはとてもいえません。地球温暖化による被害も、放射能災害もない社会の構築が本来臨まれるはずです。CO2だけを取り出して原発推進を柱に入れることは問題です。
原子力発電は、電気の需要に合わせての小刻みな出力調整は難しく、結局は小回りのきく火力発電などで調整することとなります。大規模電源のバックアップ対策としての電源の維持・開発は、原発推進が続く限り減らすことはできません。実際に事故や地震などによる原発停止時には、化石燃料による発電でまかなっている現状があります。それは原子力発電が安定的な対策でないことを示しています。
原子力発電所の建設・運転には、長期に渡る時間、莫大な資金およびエネルギーがかかります。そのことは、本来行われるべき対策を遅らせ、むしろ温暖化をすすめてしまうおそれがあります。
この間、風力や太陽光などの自然エネルギーの活用や省エネルギー対策などが広がりつつあります。原子力発電を地球温暖化対策に据えることは、他の選択肢を狭めるもので、これらの動きを大幅に減速・停滞させるものです。
地球温暖化防止をするためにも、原発にたよらない「小エネルギー社会」の実現に向けた政策転換求められ、分散型エネルギーとして自然エネルギーを積極的に拡大していくことが必要です。政府は、持続可能な循環型社会の実現という環境政策の基本に立ち戻り、地球温暖化対策としての原発推進を撤回し、省エネルギーと自然エネルギーに基づく脱地球温暖化社会の構築に向けて大胆な構想を示すべきです。
原水爆禁止日本国民会議 議長 川野浩一
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