声明・申し入れ、2007年

2007年10月04日

2008年度使用高校歴史教科書における検定意見撤回についての申し入れ

フォーラム平和・人権・環境代表  江橋 崇

 文部科学大臣 渡海紀三朗 様

 9月29日、沖縄県宜野湾海浜公園には「沖縄戦に関する教科書検定意見の撤回」を求めて沖縄県民11万人が集結しました。当日ステージに立った沖縄戦体験者の話が、「日本軍の関与なくして集団自決はあり得ない」との事実を明らかにしていきました。歴史事実を歪曲しようとする文部科学省に対して、県民の大きな怒りが表現された大会になりました。

 フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)は、沖縄と連帯し全国で「検定意見の撤回を求める署名」に取り組み、527,217筆を集約しました。署名をもって文科省交渉に取り組みましたが、文科省は「審議会の意見を変えることはできない」との回答に終始し、真摯に国民の声に耳を傾けようとしませんでした。その様な態度に終始した文科省の姿勢が、沖縄県民の深く眠る思いに火をつけたのです。主権者は誰なのか、沖縄県民は明確な回答を求めています。

 平和フォーラムは、沖縄県民の声に文科省が真摯に対応し、以下の要求に応えるよう強く要請します。

要求項目

  1. 県民大会の決議通り、検定審議会における再審議の機会をつくり、検定意見の撤回を決定し、沖縄戦記述に関して申請時の記述に戻すこと。
  2. 記述復活と同時に、沖縄戦記述に関し訂正申請のある場合には、文部科学省はこれを認めること。
  3. 県民大会の決議に即した国会決議の採択、官房長官談話の発表を行い、内外に対しその責任を明確にすること。
  4. 今後、こうした事態が繰り返されないようにするため、「教科用図書検定基準」に「近隣諸国条項」に該当する「沖縄条項」を加えること。
  5. 「沖縄条項」新設に合わせ、審議会委員に沖縄史(近現代史)の専門家を加えること。

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