声明・申し入れ、2007年
2007年07月03日
原水禁・連合・核禁会議/久間防衛大臣の引責辞任に対する3団体アピール
日本労働組合総連合会/原水爆禁止国民会議/核兵器禁止平和建設国民会議
1. 久間防衛大臣は本日(7月3日)午後、先月30日の講演での「原爆投下しょうがない」発言で引責辞任した。久間発言はいかなる理由であれ原爆投下を正当化するものであり、従来からの核兵器使用に関する政府見解から逸脱するものである。久間大臣の辞任は当然であり、原爆被害を経験したわが国の政府閣僚がこのような認識を持つことは許されることとではない。
2. 久間発言は、かつて勝者である米国が自国民をなるべく殺さず戦争を終わらせるために原爆投下を正当化した主張と同じ言葉を被爆国の大臣がしたものであり、悲しさとともに怒りを禁じ得ないものである。
広島で14万人、長崎で7万人もの命が奪われ、今なお多くの国内外の被爆者が放射線障害で苦しめられている。久間発言は被爆者の心情を踏みにじるものであり、被爆者をはじめ国民に対し、きちんと謝罪すべきである。また、政府は原爆被害の実相を国内外に広め、国家補償による被爆者援護の充実をはかるべきである。
3. さらに、核兵器使用に関しては、1996年の国際司法裁判所の勧告的意見で「核兵器の威嚇または使用は人道上の原則と規則一般に違反する」とした国際的規範に逆行するものであり重大な発言である。
これでは世界に向けて核廃絶を訴えるリーダーシップを発揮することはできない。
まもなく原爆投下された8月6日、9日を迎えるが、今こそ、世界のあらゆる核兵器の廃絶に向け、核軍縮および核拡散防止条約(NPT)体制の推進、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効に全力をあげるべきである。
4. 私たち連合・原水禁・核禁会議は、原爆使用を容認した久間発言に対してあらためて強く抗議するとともに、世界の核兵器廃絶と恒久平和、被爆者援護の充実を求め、運動を強化していく決意である。
以上