声明・申し入れ、2007年
2007年05月12日
5.15平和行進実行委員会・沖縄平和運動センター/復帰35年 平和とくらしを守る県民大会アピール
5・15平和行進実行委員会/沖縄平和運動センター
県民のみなさん。
沖縄は今年復帰から35年目の大きな節目を迎えます。
県民が復帰に託した『核も基地もない平和な沖縄』の実現は、日米両政府によって踏みにじられ、巨大な米軍基地は今なお居座り日々強化の一途をたどっています。
2004年8月に発生した、普天間基地所属の大型ヘリコプターの墜落炎上事故は、あらためて県民の平和な暮らしと軍事基地が共存しえないことを証明しました。天を突く基地撤去運動が燃え、盛りました。しかしながら、日米両政府は県民の意向を受け止めようとせず、折からの米軍再編が「基地の負担軽減」につながると大キャンペーンを張り、高揚する反基地感情の沈静化に躍起となりました。そして取りまとめられた米軍再編最終報告は、再び普天間基地の辺野古移設と中南部所在の米軍基地の北部への一括移転となって表れ、米軍基地の効率的機能再編を狙う新基地建設案として県民の前にその全貌を現しました。結果として、普天間基地の危険性は放置され基地は居座り続けています。
そして辺野古では、去る4月23日、那覇防衛施設局による環境アセス法を無視した違法な海域調査が強行されました。また、昨日5月11日には、横須賀から海洋調査機材とダイバーを乗せた海上自衛隊の艦船が沖縄に向けて出航したと報じられ衝撃が走っています。米軍基地を造るために自衛隊を導入するという形振り構わぬ強硬姿勢は、かつて米軍が“銃剣とプルトーザー”によって沖縄米軍基地を造り上げたのを、自衛隊が肩代わりを果たす異常な行動という他はありません。
一方、嘉手納基地では、米軍のやりたい放題の軍事・飛行訓練が強行され、住民生活は耐え難い痛苦の極みにあります。早朝深夜を問わない飛行訓練が日常的かつ公然と実施され、また、F22ステルス戦闘機やパトリオットミサイルが、周辺自治体や県民が反対するなかで強行配備されています。今や嘉手納基地は有事に備えた航空基地として格段の強化が図られています。
このような米軍基地を巡る状況は、それがもたらす住民生活の破壊にとどまらず、米国の戦争に沖縄を巻き込むことも否としない有事が想定されている許し難い暴挙と言わねばなりません。
他方、中央政局では、自公政権が教育基本法改悪に続いて、2007年5月14日にも、ついに憲法改正のための手続き法案を強行成立させようとしています。いよいよ平和憲法は風前の灯火となって消えゆかんとするのでしょうか。また安倍内閣が検討を進めている集団的自衛権の行使に関する憲法解釈の変更も時間の問題となっています。
暴走する安倍・自公内閣によって進められる“戦争のできる国づくり”が日一日と加速し、平和を守るための情勢の厳しさは極限に達していると言わねばなりません。
それ故に私たちは、今年30回目を数えた5・15平和行進の成功を、明日5月13日に実施される嘉手納基地包囲行動の成功に繋げていかなければならないと決意を新たにするものです。
県民のみなさん
嘉手納基地包囲行動を成功させ、基地の固定化と強化拡大に反対し、平和を希求する県民の揺るぎない決意を全国に発信していきましょう。そして全国の心ある広範な国民と連帯して、憲法改悪を止め、戦争への道にストップをかけましょう!