声明・申し入れ、2007年
2007年02月01日
柳澤厚生労働大臣の発言に抗議し辞任を求めます
フォーラム平和・人権・環境事務局長 福山真劫
1月27日、柳澤伯夫厚生労働大臣は、松江市内で開かれた自民県議の決起集会で、「15から50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と発言しました。私たちはこの発言に烈しい憤りをもつとともに、強く抗議します。
柳澤大臣は、その場で「産む機械」と例えた発言について「適切ではなかった」と謝罪し、「生む役目の人」と訂正したとのことですが、「子どもを産む」という人類として生を紡ぐという根源的な営みを「機械」の作業と表現することは絶対に許されるものではなく、女性、人類に対する冒涜です。謝罪の言葉だけでけっして許されるものではありません。
また、発言は、安心して産み育てたいと願う人、産みたくても産むことができない人、産まないことを選択した人、すべての女性に対する暴言です。さらに、生まれてくる子どもに対しての侮辱です。いつ、何人の子どもを産む、産まないかを女性が選択できることは、カイロ国際会議で宣言された「女性の性と生殖の自己決定権」です。この発言によって厚生労働大臣がこの「権利」を理解していないということが明らかになり、日本の政治家の資質の低さを国際的に露呈したものにほかなりません。
子どもを産み育てることは男女の共同の役割であり、男女がともに、安心して子どもを産み育てる環境整備が厚生労働省の大きな仕事です。いま、全国各地では、「次世代育成計画」、「地域福祉計画」、「男女共同参画プラン」などを策定し、だれもが安心して子どもを産み育て、働くことができる地域づくりに努力しています。 これらの施策を担当する厚生労働省の最高責任者である大臣が、「産む機械、装置」であると、権力が支配するかのような発言したことは、政府が果たすべき役割を棚上げし、少子化の問題を女性に責任転嫁するもので、言語道断の差別発言です。
このような認識の人が、厚生労働大臣の職につき、今後も大臣を続けることは、とうてい容認できません。また、政治家が自分の発言に対して責任をとるのは当然です。
私たちは、柳澤伯夫厚生労働大臣の発言に強く抗議するとともに、即刻、厚生労働大臣を辞任することを求めます。