声明・申し入れ、2006年
2006年11月05日
憲法公布60年、平和・人権・民主主義の憲法理念の実現をめざす第43回護憲大会・教育基本法の改悪反対特別決議
10月25日から衆議院特別委員会が開催され、教育基本法「改正案」の審議が始まりました。政府・与党は、先の第164回通常国会で、約50時間の審議を行ったことを理由に、早急に審議を打ち切り、今週にも強行採決しようと目論んでいます。
与党は、「衆議院であと20時間も審議すれば十分」と時間数のみを問題にしています。与党協議には3年間70回も重ねたというのに、国会ではわずかな審議時間で、しかも圧倒的多数の与党の数の論理で採決しようというのは、政治的な思惑のみで、国民無視の暴挙だといわざるを得ません。
各種世論調査でも明らかなように、国民の大多数が「時間をかけて慎重審議」を求めているのです。しかし、憲法改悪をゴールとする安倍政権は、教育改革を連呼し、責任がすべて教育基本法にあるかのような乱暴な論議です。教育の何が問題で、教育基本法「改正」によってそれをどのように解決できるのか、なぜ、今、改正しなければならないのかなど、国民の疑問には一切答えていません。
小泉前政権のもと、教育格差はさらに拡大しました。子どもたちの人権を侵害する事件も後を絶ちません。いじめによる自死や高校の必修科目履修問題も起こっています。すべての子どもたちの人権・ゆたかな学びを保障するために、共生・共学、教育の機会均等など、現行の教育基本法の理念を生かし、子どもを主人公とした教育改革を行うことこそが急がれなければなりません。
しかし、安倍政権は、政治主導で「国家のための教育」へと公教育を根本から転換させ、「愛国心」を規定し、教育の中央集権、市場原理・競争主義による「教育改革」を推し進めています。また、憲法「改正」についても「5年以内の改正をめざす」ことを表明しています。
準憲法としての教育基本法のしくみを大きく変え、教育格差をさらに拡大させる「教育改革」や教育基本法改悪は断じて容認できません。
私たちは、教育基本法改悪は、教育の国家統制、改憲へとつながるものとして捉え、平和・人権・民主主義を希求する多くの仲間と結集し、改悪阻止にむけた運動を引き続き展開します。
以上、決議します。