声明・申し入れ、2006年

2006年08月15日

小泉首相の靖国神社参拝に抗議する声明

フォーラム平和・人権・環境

 退任を目前に控える小泉首相は、本日8月15日朝8時前、アジアをはじめ内外の厳しい批判の声を無視して、靖国神社への参拝を強行しました。首相としての参拝は、6年連続6回目(2001年8月13日、2002年4月21日、2003年1月14日、2004年1月1日、2005年10月17日)であるとともに、これまでできなかった8月15日に初めて強行するものであり、日本の戦争責任に関わる重大な問題です。

 靖国神社は、遊就館の展示などに示されるとおり、日本の侵略戦争に参加し犠牲となった兵士を「英霊」「神」としてまつる戦争美化の宗教施設です。朝鮮、台湾などの旧植民地出身者の人々をも、本人や遺族の意思を無視して勝手に合祀する一方、戦争犯罪者であり加害の責任者として裁かれたA級戦犯者14名も1978年に合祀・顕彰しています。この神社に内閣総理大臣として参拝することは、2004年4月福岡地裁、2005年9月大阪高裁の違憲判決など政教分離の原則を定めた憲法を明らかに否定するものであり、サンフランシスコ講和条約、日中共同声明、戦後50年国会決議などをも踏みにじるものです。これは、まさしく侵略戦争を美化する行為であると同時に、それはテロ特措法、イラク特措法、有事法制の制定、教育基本法・憲法改悪の動きと連なるアメリカ追随の軍事大国化、戦争をできる国づくりの一環と指摘せざるをえません。これは、中国・韓国・朝鮮など東アジア諸国の人々との和解と友好を決定的に阻害するものです。

 平和フォーラムは、首相の靖国神社参拝およびこれを認める政府・自民党の姿勢に断じて抗議します。また、日本の20世紀の負の遺産を克服するために、日本の戦争責任の明確化と戦争被害者への謝罪・補償、同時に歴史認識を共有するための努力を強めることを訴え、求めるとともに、東アジアの平和団体・市民との交流を深め、その実現に向けてとりくみを進めます。

 
 

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