声明・申し入れ、2006年
2006年06月19日
第164国会の閉会と平和フォーラムの対応について
フォーラム平和・人権・環境
第164国会が6月18日、150日間の会期を終えて閉会しました。小泉純一郎総理が、本年9月の自民党総裁任期満了をもって、総理辞任の意向を表明していることから、小泉内閣としての最後の国会となりました。
2001年4月の小泉内閣成立以来5年間、「構造改革と規制緩和」による労働者の権利や市民生活の破壊、靖国神社参拝や歴史認識の転換、日の丸・君が代の教育現場への押し付け、テロ特措法・イラク特措法・有事法制の成立、自衛隊の海外派兵など憲法の空洞化がさらに進みました。
こうした中で、小泉自公政権は、この国会に小泉政治の総決算として、憲法改悪も想定しながら、平和と民主主義をさらに危機に追い込む諸法案を提出してきました。憲法改悪のための国民投票法案、教育基本法改悪案、共謀罪新設法案、防衛庁の省昇格法案などです。また実質的に日米安保条約すら蹂躙することになる在日米軍再編について日米両政府で合意し、「在日米軍基地強化と自衛隊・米軍一体化」の閣議決定が行われました。原子力空母の横須賀母港化についても、日米が合意しました。エネルギー政策では、プルトニウム利用路線を継続する原子力政策大綱を決定し、再処理工場のアクチブ試験を実施、プルサーマル計画を推進しつつあります。WTO(世界貿易機関)やFTA(二国間自由貿易協定)を推進する一方で、BSE関連米国産牛肉の輸入問題も、米政府の言いなりで、市民の生活の安全を無視し、輸入再開を決定しようとしています。
平和フォーラムは、改憲・戦争のできる国づくりをめざす小泉自公政権に対して、政策転換・退陣をめざして、全国の仲間とともに全力で取り組んできました。平和フォーラム・原水禁に結集している皆さんのご奮闘に心から敬意を表したいと思います。国民投票法案では、市民団体と協力して国会内で集会を開催するともに、全国署名運動を展開し、100万筆を越える署名を集約しました。教育基本法については、日教組の闘いに連動して、「教育基本法改悪ストップ実行委員会」の参加し、全国集会や地域集会、署名運動に取り組みました。共謀罪新設では、市民団体や弁護士団体と協力して、集会やデモ、署名運動を推進しました。
在日米軍再編では、沖縄等米軍基地問題議院懇談会と連携しながら、対政府要請行動を行うと同時に数度の全国集会を開催するとともに、神奈川県・山口県・沖縄県など基地が強化される各地で、地域の平和運動センターと協力して集会やデモなど行い、大衆的な運動の高揚をめざしました。また全国署名活動を実施し、100万筆を越える署名を民主・社民・無所属の国会議員を通して衆参両院に提出しました。関係する地方自体の首長のがんばりも新しい事態を創り出しています。青森や山口、佐賀、愛媛など脱原発を掲げて闘っています。BSE問題では消費者団体と協力して、拙速な輸入再開に反対しました。
私たちや他の市民団体、平和団体、労働団体、野党の取り組みの成果として、国民投票法案、教育基本法改悪案、共謀罪新設法案、防衛庁の省昇格法案は通常国会では廃案にすることはできませんでしたが、全て継続審議とさせました。米軍再編は、日米合意と閣議決定を許してしまったものの、関係自治体の抵抗もあり、具体的な法案は先送りとなっています。私たちは小泉自公政権にこうした重要法案を通常国会で成立させずさき送りにさせたことを、平和フォーラム構成組織、市民団体、平和団体、連合はじめとした労働団体、関係自治体、民主党・社民党など野党の連携した力の結果であること確信します。
9月には自民党総裁選挙が行われ、新しい総理大臣が誕生します。しかし誰が総理大臣になろうとも、自民党・公明党による憲法改悪・反民主主義・軍事大国化の路線が変わることはないでしょう。また継続審議・継続課題について、新しい体制で彼らは実現をめざして、彼らの力を総動員して強行してくることが予測されます。
平和フォーラムは、自公路線に対決すると同時に、憲法の理念を実現するために、全国各地で取り組み強化を図ります。民主党も小沢代表誕生以来、政権交代を展望しながら、野党としての役割を果たそうと動き出しました。社民党も、全力で取り組んでいます。連合・市民団体も取り組みを強めています。米軍再編成に対する地方自治体・議員団の動きも大きくなっています。自公政権に対する包囲網ができつつあります。
平和フォーラムは次期国会でも、取り組み方向を確認し、求められている役割を果たすために全力を尽くします。課題の前進を確信して、ともにがんばりましょう。
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