声明・申し入れ、2006年
2006年03月09日
BSEを問う消費者・生産者緊急集会 決議文
「米国産牛肉の輸入再開に反対します」
2006年1月20日、輸入再開されたアメリカ産牛肉から特定危険部位が発見され、またもや輸入停止措置が取られています。その後アメリカ政府から2月17日付けの「輸出プログラムに関する調査結果・対策報告書」が提出され、それに対する日本政府の「照会文書」が3月6日に送付されました。しかしアメリカの報告書は、1月20日の件は単に「不適格な特異な1事例として、国民の健康に関わるものではなく輸出制度全体に関わる不備を示しているのではない」と居直っており、また日本政府の照会文書も、日本向け「輸出プログラム」の遵守をめぐる事実関係の確認と再発防止の要望を述べているにすぎません。
今日この集会にあつまった私たちは、こうした輸出プログラムの遵守の論議以上にアメリカにおけるBSE対策のずさんさを問題とし、次の理由からアメリカ産牛肉の輸入再開に反対します。
1)2005年12月8日、食品安全委員会のアメリカ産牛肉の安全性評価答申が提出されました。しかし今回、その答申の前提となるアメリカにおけるSRMの除去など輸出プログラムが遵守されていないことがわかり、安全性評価は成り立っていません。従って日本政府の輸入再開決定の根拠は消滅しました。
2)アメリカにおけるBSE対策はずさんです。SRMの除去は30ヶ月齢以上とされており若齢牛のSRMは野放しです。農務省の監査でも、パッカーのへたり牛を食肉処理した事例、SRMの除去に対する違反事例などが報告されています。
3)アメリカでは牛の肉骨粉が製造され家畜の餌に用いられています。牛への飼料規制は完全ではなく他の動物飼料を介した交差汚染の可能性があります。また血粉や牛脂もリサイクルされ代用乳・人工乳に含まれています。このように飼料規制も不十分です。
4)今回、アメリカの農務省の監督機能も充分機能していないことが露呈しました。パッカーのBSE対策の不十分さが懸念されます。
このようなことから、私たちはアメリカにおけるBSE対策を根本的に見直し、日本で実施されている、全頭検査、トレーサビリティ、全頭からのSRMの除去、肉骨粉の禁止を強く求めます。
また、日本政府に対しては、食の安全を軽視し、2005年12月12日に拙速に米国産牛肉の輸入再開を決定したこと、及び3月6日のアメリカ政府に対する照会文書がアメリカ政府の責任を十分に追及していないことについてその責任を糾弾し、今後再び拙速な輸入再開合意を行わないことを求めます。また食品安全委員会は、アメリカ・カナダ産牛肉の再評価のみならず、メキシコ産牛肉、中国産牛肉など世界の輸出国の牛肉の安全性の評価を行うことを求めます。
以上、決議します。
2006年3月9日
3.9「米国産牛肉は安全か?BSEを問う消費者・生産者緊急集会Part2」参加者一同