声明・申し入れ

2015年11月14日

護憲大会主催者あいさつ/憲法理念の実現のため、安倍自公政権と総力で対決を

憲法理念の実現をめざす第52回大会実行委員会委員長
フォーラム平和・人権・環境共同代表 福 山 真 劫

Ⅰ. はじめに
全国から結集ありがとうございます。
大会を準備していただいた地元関係者の皆さん本当にありがとうございます。
多忙な中、出席いただいた来賓の皆さんありがとうございます。心bからお礼を申し上げます。またこの1年間の平和フォーラムや1000人委員会、総がかり行動実行委員会へ結集しての取り組み本当にありがとうございます。確実に新しい可能性を作りつつあると確信しています。
2012年第2次安倍自公政権は誕生して以来、憲法を破壊しながら「戦争する国・軍事大国への道」を暴走し続けています。2013年12月、国家安全保障会議法、特定秘密保護法、防衛計画大綱制定、2014年4月 防衛装備移転3原則制定と続きました。
そして今年4月、日米ガイドラインの改定、安倍の米国議会での「演説」、5月安保法案閣議決定、8月歴史認識の改ざんをめざす安倍首相談話の公表、労働者保護法の改悪、9月、戦争法の強行採決、沖縄知事との協議決裂・辺野古米軍新基地建設強行、原発再稼働強行、と続いています。
また経済政策は、アベノミクスと音われる新自由主義路線のため、「貧困と格差社会」が深刻化しています。厚生労働省の発表によると子どもの相対的貧困率は、16.3%、子どもの6人に1人、労働者の中で非正規労働者の割合は38%、年収200万以下の勤労者は1200万人をこえ、」増加し続けていると報告されています。
私たちはいま「戦後最大の平和と民主主義の危機、生活の危機」を迎えています。

Ⅱ. わたしたちはどう闘ったか
こうした安倍自公政権の暴走に対して、わたしたちは、1000人委員会、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」を結集し、全力で闘い、1960年安保闘争以来といわれる大衆運動を作りあげました。「総がかり行動実行委員会」は、従来の闘いの枠組みではない共産党系の市民団体を含む共闘組織です。多くの経過がありますが、それを乗り越え、安倍の暴走に対する危機認識が新しい闘いの枠組みに踏み切らせました。日本の平和と民主主義に私たちが大きな役割を果たさなければならないとの認識しているからでもあります。とりわけ8・30には、国会周辺に12万人の市民が結集し、全国では、1000か所以上で、市民の「戦争法案・廃案」の集会が開催されました。また9月14日からの週の山場では、連日4万、5万を超える市民が国会周辺に押し寄せ、戦争法案廃案・安倍政権退陣の声をあげました。そして運動は、学生のシールズ、学者の会、ママの会、立憲デモクラシーなど闘いは大きく多様な形で全国に拡大しました。連合も取り組みました。若者たちは、「俺たちの未来を勝手に決めるな」とコールし、高齢者の皆さんは、「孫、子の明日のために」と闘いました。
しかしそれでも9月19日戦争法を強行採決させてしまいました。原因はいくつかあります。「マスコミの世論調査で60%の反対の市民」の運動参加が不十分であったこと、非正規労働者や年収200万以下の層への働きかけが弱かったこと、全国での闘いの拡大が弱かったこと、労働運動との連携が弱かったこと、国会における野党の弱さなどなどです。また一方脱原発の闘いは、福島で、鹿児島で、愛媛で、福井で、青森で、さようなら原発1000万アクションを中心に大きく高揚しています。
次は、こうした運動の到達点と反省点をかみしめ、闘いを作り上げる必要があります。

Ⅲ. 安倍自公政権の本質を認識し、全力で闘いを
日本の戦後70年は、日本国憲法擁護勢力と日米安保条約擁護勢力の間での日本の基本のあり方をめぐっての闘いの歴史でもありました。日本は「アジア太平洋戦争」の犠牲の上に、「非武装・平和主義」の憲法9条を制定しました。しかしこの9条は米国政府の世界戦略と保守政権の下で空洞化され続け、現在は、英、仏、独に匹敵する軍事力・自衛隊を保有しています。しかし、最後の歯止めとして「自衛隊」は、「海外で武力による威嚇、行使、戦争」はしないとしてきました。しかし今回の戦争法は憲法解釈を変え、日本を海外で戦争する国にする内容のものです。最後の歯止めを壊しました。米国政府は、「米軍再編成協議」や「アーミテージサイレポート」にあるように日本政府に「集団的自衛権行使の合憲化」を求め続けてきました。そして今回突破したのです。
可決された法全体を見れば、日本の自衛隊が中東から東アジアまで、米国の軍事戦略の下で自衛隊が米軍とともに闘う体制を確立するための法体制の整備であることは明白です。日米軍事同盟体制がさらに強化されます。もちろん日本の安保村の連中は、そうした中で、日本の軍事大国化、および戦争による金儲けも確実に視野に入れてうごきだしています。
また一方の焦点である沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設も米軍の出撃基地を強化するものであり、戦争法と同じように日米の軍事同盟体制の強化をめざすものです。
こうした安倍自公政権の動きを絶対に許せません。
安倍自公政権は、「1億総活躍社会」政策を打ち出し、高揚した安倍退陣の連動を分断、沈静化させようとしています。しかしそうはいきません。安倍自公政権の矛盾は深刻化し、対抗する闘いは、全国各地で広がっています。この夏の闘いを経験した私たちは連帯して闘えば必ず勝てると確信しつつあります。
当面の最大の課題は、1.戦争法廃止・発動阻止・立憲主義確立、2.沖縄・辺野古への米軍新基地建設阻止、3.原発再稼働阻止、4.参議院選挙闘争です。
沖縄では、辺野古新基地建設阻止のため、翁長知事を先頭に「県民ぐるみ」の闘いを作りあげています。1945年アジア太平洋戦争の最終局面で本土防衛のため沖縄を戦場にし、1951年サンフランシスコ講和条約では沖縄を切り捨て、本土だけ独立し、1972年本土並み・憲法体制のもとへを求めた日本復帰では、米軍基地を押し付け、そして今また日米安保体制のため、米軍の74%の基地の押し付けている中で、さらに新基地を押し付けようとしています。どれだけ沖縄に犠牲を強いるのでしょうか。沈黙をすることは安倍政権の共犯者になることです。共犯者にならないために、今すぐ「本土」における連帯した闘いが求められています。
9月19日、参議院で与党が過半数という議席数の差に、私たちは悔しい思いをしました。7月参議院選挙が予定されています。戦争法案廃案めざして、闘った人々、諸団体は、何としても野党の選挙協力を実現し、勝利しようとして決意しています。10月16日の野党と諸団体の意見交換会でも参加したすべての団体が野党に対して野党共闘を求めていました。
従来のように野党がばらばらで闘ったのでは、自公に対して惨敗は必至だと分析されます。自公政権を過半数割れに追い込むためには、レベルはともかく野党共脚を絶対に実現させる必要があります。しかし共産党主導による参練院選挙闘争では絶対成功しません。戦争法案廃案めざして闘った大衆運動を背景に民主党・社民党主導による選挙共闘をつくりだすことが求められています。

Ⅳ. 闘いの基本と具体課題
わたしたちの闘いの組み立て方の基本は、まず平和フォーラム、「戦争させない1000人委員会」の運動と組織の強化です。職場と地域に、1000人委員会を作りましょう。その基盤の上で、総がかり行動実行委員会を強化し、具体的には、1.2000万署名運動、2.19日の日全国行動、3.毎月第3火曜日全国街頭宣伝行動、4.準備されている違憲訴訟支援の取り組み、5.沖縄と連帯しての闘い、6.参練院選挙における野党支援の取り組み、7.脱原発・再稼働阻止の闘い等です。11月8日、「わたしたちはあきらめない」とする新聞広告を行いました。署名用紙も掲載しています。総がかりで取り組む初めての署名運動です。目標は2000万筆です。
また青森は、原発関連施設立地県として、また三沢米軍基地の立地県として、脱原発・再処理工場反対・核燃サイクル路線反対の陶い、平和・民主主義の確立のための長い闘いの歴史を重ねてきたところです。ぜひ多くのものを学び、胸に刻みましよう。
私たちには、この間闘い続けてきたという自負と誇りがあります。安倍自公政権退陣に追い込む戦略の下で闘われるこれらの闘いの一翼を担うべく全力で闘いましよう。
ありがとうございました。

 

TOPに戻る