声明・申し入れ、2014年
2014年11月03日
「戦争をさせない」私たちは平和主義を、そして命を守ります!憲法理念の実現をめざす第51回大会アピール
日本国憲法は、前文で「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意」し、第9条で「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認」を、第3章「基本的人権」や第10章「最高法規」で「基本的人権の本質、普遍性、永久不可侵性」を定めています。このことは施行後67年たった今も古びてはいません。私たちはこれらに示された憲法理念の実現をめざすとともに、人権や民主主義の国際的な確立に向け、世界の人々に連帯しながら、これまでとりくんできました。
今、私たちにもっとも求められているのは、憲法の平和主義に則りながら、多大な犠牲と被害をもたらした植民地支配と侵略戦争の歴史に対する真摯な反省のもとに、政府の責任による謝罪・補償からなる「過去の清算」を実現し、アジアの人々と手を携え、相互の信頼を築くなかでアジアの平和を実現するための努力です。
しかし、2012年末に誕生した第2次安倍政権は、これらとは真逆の、反動的な政策を推し進めてきました。「集団的自衛権」行使を容認する憲法解釈の変更を閣議決定し、「積極的平和主義」などと嘯きながら、「平和のためには軍事的行動も辞さない」として、憲法9条の平和主義を破壊しようとしています。
それだけではありません。多くの市民の脱原発の意志を踏みにじり、遮二無二原発再稼働に向けた動きを加速させています。また、沖縄県民の反対の声を無視して、辺野古新基地建設を強行しようとしています。格差をさらに拡大する経済政策と労働法制改悪の策動を進めています。こうして多くの人々に犠牲を押し付け、切り捨てる中で、さらに深まりつつある社会的危機を、排外主義の煽動と国家主義への回帰を強めることによって乗り切ろうとしています。12月10日にも施行されようとしている「特定秘密保護法」は、単に「知る権利」の抑圧に止まらず、戦前の治安維持法下の物言えぬ社会をつくるものです。
これらのことは、安倍首相の言い続けてきた「戦後レジームからの脱却」、すなわち戦後社会を形づくってきた「主権在民」「基本的人権の尊重」「平和主義」といった憲法の原則を否定し、破壊しようという主張の実践にはかなりません。真っ向からこれとたたかっていくほかに、私たちの進むべき道は拓かれません。
現に私たちは、福島第一原発事故以降一貫して全国の人々とともに「さようなら原発1000万人アクション」にとりくんできました。基地のない平和な沖縄をつくるために県民一丸となってのたたかいがいっそう強まっています。そして戦争への道を突き進む政府の暴走を阻止する運動として「戦争をさせない1000人委員会」が大きく拡がっています。こうしたたたかいを結び合い、憲法破壊・人権破壊・生活破壊の安倍政権と対決しましょう。
私たちは、岐阜県・岐阜市に集まり、「憲法理念の実現をめざす第51回大会」を開催し、この3日間のなかで、憲法の理念を守り抜き、「戦争をさせない」決意を固めあいました。一人ひとりの命と、平和に生きる権利を守りぬくために、私たち一人ひとりが、最先頭に立ってとりくみましょう。そのことを確認し、第51回大会のアピールとします。