新着情報

憲法審査会レポート No.31

憲法審査会の開催めど立たず 前号(No.30)発行から1か月以上が経過しました。 3月2日には国会の土曜日開催の強行までしてなんとか衆議院での予算案採決を行い、現在参議院での審議に移っています(年度内成立は確定)。 例年であれば、この時期には憲法審査会開催に向けた動きも出てくるところですが、いまだ裏金問題や統一協会問題といった自民党の政治腐敗をめぐる追及が続いており、具体的な動きはありません。 とは言え、支持率低下のなかにあっても、あるいはそれゆえ求心力維持のためにか、岸田政権はなりふりかまわず悪法や改悪の強行へと突き進んでいます。「9月の総裁任期中」から「本年中に」(自民

ブックレット『その改憲、ちょっと待った! 憲法審査会は今』のご紹介

平和フォーラムはこの間、改憲発議をめぐる重要な局面にあることを踏まえ、国会における改憲議論、とりわけ衆参における憲法審査会の動向に注視し情報共有をすすめてきました。 その一環として、昨年11月に新潟市で開催した第60回護憲大会では、新垣邦男さん(社会民主党・衆議院議員)、吉田はるみさん(立憲民主党・衆議院議員)、打越さく良さん(立憲民主党・参議院議員)、杉尾秀哉さん(立憲民主党・参議院議員)をパネリストに、飯島滋明さん(名古屋学院大学教授)をコーディネーターに迎えてシンポジウムを行い、憲法審査会の危険な現状を把握し、改憲発議阻止に向けともにとりくむ決意を確認しました。 このたび、こ

2024年03月07日

『不当な「代執行」による大浦湾の埋め立てを許さない3.7学習集会』のご案内

「止めよう! 辺野古埋立て国会包囲実行委員会」が主催し、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が協賛で開催する以下の学習集会について、ご案内いたします。 『不当な「代執行」による大浦湾の埋め立てを許さない3.7学習集会』 日時:3月7日(木)18:30~ 場所:文京区民センター3A 会場アクセス 主催:「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会 協賛:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会 下記の緊急の取り組みにも、御協力下さい。 ・辺野古代執行訴訟・最高裁への緊急「団体署名」 ・辺野古代執行訴訟・最高裁へ個人ハガキ運動

2024年03月06日

安保法制施行と自衛隊の変質 ―日米韓3か国共同演習とインド太平派遣訓練―

湯浅一郎  2016年3月29日、「平和安全法制」と名付けられた安保法制が施行されてから9年目になる。存立危機事態という、ほとんどありうべくもない状況を想定して、憲法9条が現に存在する情勢においても集団的自衛権の行使が可能であるという法律が動き出したのである。これを機に、専守防衛を旨として存在が容認されてきた自衛隊は、行動範囲を一気に拡大し、日米に限定することなく多国間の軍事的な共同演習を日常化する動きが、ほぼ同時に動き出した。未だ実態が見えない面もあるが、ここでは、この間、何が進んできているのかを日米韓3か国共同演習の日常化と、インド太平洋派遣訓練という側面から経過を振り返る。 1.安保

ニュースペーパーNews Paper2024.2

2月号もくじ ニュースペーパーNews Paper2024.2 表紙 最近の活動 *嘲笑や冷笑に屈せず、社会を変えることに躊躇してほしい  フリージャーナリスト安田浩一さんに聞く *辺野古地盤改良工事の強行、オスプレイの墜落事故 *朝鮮人追悼碑の存続を求めて再び裁判へ *2023年ピーススクール開催報告と今後の展望 *能登半島地震と志賀原発 *本の紹介「バチカンへの手紙-福島県飯舘村の物語-」

「差別を許さない!植民地主義とアイヌ民族 『建国記念の日』を考える集会」を開催

戦前日本で重要な国家的祝日(「四大節」のひとつ)「紀元節」とされた2月11日が、多くの反対の声のなか、1966年に「建国記念の日」として再度祝日化されました(翌1967年から実施)。このような国家主義復活の動きに抗し、「主権在民」など憲法理念の実現をめざす平和フォーラムは、歴史認識や人権課題をテーマとした集会を例年開催してきました。 本年は2月12日、東京・連合会館で「差別を許さない!植民地主義とアイヌ民族 『建国記念の日』を考える集会」として開催し、約150人が参加しました。自民党・杉田水脈衆院議員による度重なる差別煽動を、政府・自民党は野放しにしています。インターネットなどで

【平和フォーラム声明】群馬県による朝鮮人慰霊碑の撤去代執行を許さない

平和フォーラムは2月6日付で、以下の声明を発表しましたので、お知らせします。 群馬県による朝鮮人慰霊碑の撤去代執行を許さない 1月29日、群馬県(山本一太知事)は、県立公園群馬の森に設置されていた「記憶 反省 そして友好」と書かれた朝鮮人追悼碑を、最高裁判決に従うとして撤去の強制代執行を行い、碑が掲げていたプレート以外の部分を破壊した。追悼碑の裏面には、「かつてわが国が朝鮮人に対し、多大の損害と苦痛を与えた歴史の事実を深く記憶にとどめ、心から反省し(中略)過去を忘れることなく、未来を見つめ、新しい相互の理解と友好を深めていきたいと考え、ここに労務動員による朝鮮人犠牲者を心から追悼するために

憲法審査会レポート No.30

第213回通常国会 憲法審査会をめぐる動向について 1月26日から、通常国会が開催されています。 昨年から浮上した自民党の裏金問題は、その全容は自民党の事実究明への非協力的態度もありいまだ不明ですが、発端の安倍派に限っても所属議員95人(ほぼ全員!)に対して5年間で計6億7654万円が流れていたと報道されており、規模の大きさがうかがえます。 日ごろ「愛国心」「道徳」を振りかざしてきた人たちが、その実まるごと腐敗していたことは、うすうすわかっていたとは言え、しかしここまでひどいものなのかとあきれるばかりです。そしてこんな人たちが徒党を組んで憲法に手を付けようとしてきた事実を思い起こ

2023年を振り返って―浸食が進む核軍縮の基盤

渡辺洋介 はじめに 2023年は2022年に引き続き戦争と軍事化の1年となった。ロシア・ウクライナ戦争は2年目に突入したが、依然として停戦の見通しは立っていない。ロシアとNATOの対立はさらに深刻化し、ロシアはベラルーシに戦術核を配備し、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を撤回した。朝鮮半島では、北朝鮮の核兵器に対して日米韓軍事協力の強化と米国の核の誇示で対抗するようになり、誤算やミスコミュニケーションにより、下手をすると核兵器が使われかねない状況となっている。本稿は2023年の核軍縮をめぐる情勢を時系列に沿って振り返り、いま私たち市民が声をあげるべき危険な状況にあることを改めて訴える