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平和軍縮時評2015年6月号 NPT(核不拡散条約)再検討会議、最終文書に合意できず―「人道的結末」への認識は基層に定着  田巻一彦

4月27日から5月22日にかけて、ニューヨークの国連本部で2015年NPT(核不拡散条約)再検討会議が開かれた。2010年「最終文書」の行動計画を含む諸合意の履行状況を評価し、次なる行動計画を合意することが目的である。 核兵器廃絶を願う市民が期待したのは、10年以来広がりを見せる「核兵器の非人道性」の認識を、「核兵器禁止」の法的枠組みへと展開していく道筋が示されることにあった。 一方では5つの核兵器国の不作為(サボタージュ)や、ウクライナを巡る米ロ対決の深化によって、会議は目にみえるえた成果なく終わるのではないか、果ては「最終文書」の合意すらできず「決裂」に終わるのではとの懸念すら拡がる中

国会会期延長抗議!とめよう!戦争法案 国会包囲行動に3万人

「戦争法案絶対反対!」「国会会期延長反対!」─通常国会会期末の6月24日の夜、国会周辺は3万人におよぶ市民・労働者で埋め尽くされ、一斉にコールが響き渡りました。14日に引き続いて行われた、「戦争させない・9条壊すな総がかり行動実行委」による国会包囲行動は、前回を上回るこれまでで最大規模の行動になりました。 国会正門前に作られたステージで、呼びかけ人や政党代表があいさつを行い、作家の澤地久枝さん(下写真左)は「戦争する国にさせるかどうかは私たちの反対運動にかかっている。命をかけて闘いたい」と訴え、作家の雨宮処凜さん(中)も「命を軽視する政権を許してはならない」と呼び掛けました。評論家の

東アジア市民宣言(案)-戦後70年!私たちは新しい時代を切り拓く-

東アジア市民宣言(案) -戦後70年!私たちは新しい時代を切り拓く-    私たちは、歴史認識などをめぐって近隣諸国との対立・反目を深めている安倍首相が、今夏に発表しようとしている「戦後70年談話」の内容に憂慮します。70年前、日本の敗戦によって、アジア諸国は侵略戦争と植民地支配の痛苦から解放されました。多くの市民が犠牲となった歴史と真摯に向き合い、私たちは、東アジアの市民として平和・共存・共栄のための信頼と協調の新しい友好関係をつくりだしていかなくてはなりません。    日本は、侵略戦争と植民地支配の反省から、日本国憲法において「政

「とめよう!戦争法案 集まろう!国会へ」 国会包囲集会に2万5千人

6月14 日、戦争させない・9 条壊すな!総がかり行動実行委員会は、国会で審議中の戦争法案の成立阻止をめざし、「とめよう!戦争法案 集まろう!国会へ6.14国会包囲集会」を開きました。約2万5千人もの人々が集まり、「戦争させない」「9条壊すな!」などのプラカードを掲げて国会議事堂を包囲しました。 国会正門前のメインステージの音声が国会周囲に一斉に流され、戦争法案に反対する著名人や国会議員の発言、連帯あいさつを受け、シュプレヒコールが一斉に行われました。 次の国会包囲行動は、6月24日(水)午後6時30分から行われます。詳しくはこちら 6月15日から、戦争させない・

止めよう!辺野古新基地建設!翁長県知事の承認取り消し・撤回を考える集会

     安倍政権が強行する沖縄・辺野古新基地建設に対し、翁長雄志県知事は「あらゆる手段を行使して、新基地建設を止める」として、自治体の権限を使って埋め立て工事を止めることを明言しています。この重大な局面を前に、知事などの行政行為の意味などについて地方自治の観点から学習する集会が6月5日、全水道会館で開かれ、市民や労働組合代表など140人が参加しました。 主催者を代表し、平和フォーラムの藤本泰成事務局長は「沖縄の基地は銃剣とブルドーザーで奪われたものだ。それを返すのが国際法の決まりだ。その代替施設をなぜ沖縄県民に押しつけられるのか」と、沖縄の民意を支持してともに闘うことを表明しました。

とめよう!戦争法案 集まろう!国会へ  6.14・6.24国会包囲行動

「戦争法案」を「廃案」にしよう!安倍政権がこの通常国会で強行採決をねらう戦争法案=「国際戦争支援法」(恒久法)案と「戦争法制整備法」(一括法)案をみんなの力で廃案に。憲法9条を守れ! 「戦争する国」はいやだ。戦争の銃の引き金を絶対に引かせるな! 安倍政権の暴走はこの戦争法制の問題に止まりません。沖縄・辺野古の新基地建設、原発の再稼働、歴史認識の改ざんと教育への国家統制の強化、福祉の切り捨てや労働法制の改悪などによる貧困と格差の拡大、TPPや企業減税の推進など大企業と富裕層への優遇策があらゆる分野で進められている。私たちは、これらの分野で行動している人びととも手をつなぎ、安倍政権を

原子力産業は差別 構造から成り立つ

原水禁は、他の組織に先駆けて1975年の被爆30周年原水禁世界大会で「核と人類は共存できない」としてNPTが容認する原子力の平和利用(原発などの商業利用)に反対する立場を明確にした。それは、その原料であるウラン採掘の現場から使用済み核燃料の最終処分まで、人類と放射能の闘いが永久に続く、そのことに気がついたからこそ、原水禁は核兵器廃絶の運動から「核絶対否定」=平和利用否定の脱原発の運動にたどり着いた。原水禁の2015年NPT再検討会議派遣団は、その原点に立ち返るべく米国はニューメキシコ州のアルバカーキーに足を向けた。 まず、ラグナプエブロの集落に近いジャックパイル鉱山跡を見学した。露天や地

2015年06月01日

ニュースペーパー2015年6月

インタビュー:ピースデポ副代表湯浅一郎さんに聞く 安部政権「戦争法案」を閣議決定 辺野古への新基地建設反対!沖縄で平和行進 TPP交渉国民の合意なき妥結に強く反対 原水禁発足50周年に思う(5) 核拡散防止条約の国際会議に代表派遣 核拡散と日本の再処理政策 原水禁代表団「核兵器廃絶」をアピール 本の紹介:日米<核>同盟原爆、核の傘、フクシマ 映画の紹介:『圧殺の海-沖縄・辺野古』 核のキーワード図鑑 平和といのちと人権を! 5.3憲法集会  安倍政権が解釈改憲で集団的自衛権行使を可能にし、戦争をする国づくりを進めようとする中、5月3日の憲法記念日に横浜市の臨港パークで「平和といのちと

平和軍縮時評2015年5月号 川内原発事故と海の汚染―黒潮、対馬暖流が西日本一帯に放射能を拡散  湯浅一郎

  はじめに 東京電力福島第一原発事故から4年強になる15年4月、高浜、川内原発の運転差し止めを求める仮処分につき、全く異なる決定が相次いで出た。14日、福井地裁は、高浜原発の運転差し止めに関する仮処分につき運転差し止めを命じた。これは、日本の原発訴訟で初めてのことであり、原子力規制委員会の規制基準の不当性にも触れる画期的な決定であった。他方、22日、鹿児島地裁は、川内原発の運転差し止めを求める仮処分について、住民敗訴の決定を下した。判断は分かれたが、福島事態を踏まえて、司法の判断が重要な意味をもつ時代が始まっている。 しかし、両者ともに、当事者性に関してはあまり触れら