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平和軍縮時評2016年5月号 憲法第9条を外交に具体化する―北東アジア非核兵器地帯を切り口に 湯浅一郎
(1) 北東アジアに続く冷戦構造と安保法制 3月29日、戦争法というべき安保法制が施行された。これを廃止させるためには国会の議員構成を変えねばならないが、市民社会における努力として憲法9条を外交に具体化しようという世論形成の重要性を提起したい。 そもそも安倍政権の安保政策は、現実の北東アジアの軍事的環境に対して、いかなる意味を有するのかが問われるべきである。冷戦終結から25年を越す現在も北東アジアには冷戦が続き、安全保障ジレンマともいうべき泥沼にはまったままである。北東アジアには、大きく2つの対立構図がある。第1は、南北分断が続く朝鮮半島を舞台とした北朝鮮と米日韓の対立である。19
2016年05月30日
平和軍縮時評2016年5月号 憲法第9条を外交に具体化する―北東アジア非核兵器地帯を切り口に 湯浅一郎
(1) 北東アジアに続く冷戦構造と安保法制 3月29日、戦争法というべき安保法制が施行された。これを廃止させるためには国会の議員構成を変えねばならないが、市民社会における努力として憲法9条を外交に具体化しようという世論形成の重要性を提起したい。 そもそも安倍政権の安保政策は、現実の北東アジアの軍事的環境に対して、いかなる意味を有するのかが問われるべきである。冷戦終結から25年を越す現在も北東アジアには冷戦が続き、安全保障ジレンマともいうべき泥沼にはまったままである。北東アジアには、大きく2つの対立構図がある。第1は、南北分断が続く朝鮮半島を舞台とした北朝鮮と米日