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2023年9月1日、関東大震災朝鮮人虐殺事件から100年を迎えました。 平和フォーラムはこれまでに、朝鮮人虐殺の問題を学ぶ集会や学習会を行ってきました。とりくみの中で、朝鮮半島が日本の植民地とされる中で起きた植民地出身者に対するジェノサイドであったこと、日本政府がこれまで真相解明はおろか犠牲者および犠牲者数の調査もせず、謝罪すら行わずに来たこと、小池百合子・東京都知事の追悼集会へのメッセージ送付拒否に象徴されるように、事件をなかったことにしようとする歴史歪曲の動きも見られることなどが明らかになりました。 こうしたとりくみの成果を踏まえながら、多くの人に問題認識を広げていきたいとの思
湯浅一郎 北東アジアでは、ここ数年、にわかに台湾有事なるものが意識的に喧伝され、それへの対処を名目として南西諸島への自衛隊ミサイル配備が続いている。この背景には、米バイデン政権の中国との「戦略的競争」に勝つための中長期的な対中政策があり、日本は、ロシアのウクライナ侵略も利用しつつ、まんまとそれに乗った形で軍拡を正当化している。しかし、北東アジアで一刻も早く取り組むべき外交課題は、未だに終わらない戦争のもとで、同じ民族がにらみあっている朝鮮半島の分断をいかにして終わらせるかであることを忘れてはならない。第2次世界大戦前まで植民地としてきた日本に責任の一端があることを含めて、最優先に取り組まね
平和フォーラムは、国会における改憲発議をめぐる動きを把握・共有することを目的として、昨年秋の第210臨時国会および今年上半期の第211通常国会の開催期間を中心に「憲法審査会レポート」を発行してきました。 この間、衆議院憲法審査会の定例的開催が継続するなか、参議院憲法審査会においても熾烈な攻防が進行していること。政権与党の自民・公明のみならず、維新・国民・有志による改憲発議に向けた後押しが強まっていること。「緊急事態条項」をめぐる「議論」をテコにしながら改憲発議の具体的なステップを重ねようとしていること。これらを踏まえ今秋以降、相当強い危機感をもって改憲阻止のとりくみを行う必要があると判断
「戦後78年 戦争犠牲者追悼、平和を誓う8.15集会」を開催しました
戦後78年となる8月15日、平和フォーラムは千鳥ヶ淵戦没者墓苑において「戦争犠牲者追悼、平和を誓う8.15集会」を開催しました。台風接近などもあり、天候が不安定ななかでしたが、約180人が参加しました。 正午に黙とうを行い、平和フォーラムから勝島一博・共同代表がすべての戦争犠牲者への誓いの言葉を読み上げました。引き続いて、立憲民主党の近藤昭一・衆議院議員、社会民主党の大椿裕子・参議院議員、立憲フォーラム副代表の阿部知子・衆議院議員、戦争をさせない1000人委員会の内田雅敏・事務局長がそれぞれ追悼の言葉を述べました。その後、平和フォーラム構成団体代表および参加者が墓前に献花を行いま
渡辺洋介 はじめに 2023年6月2日、バイデン政権のジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が、首都ワシントンで行われた米シンクタンク・軍備管理協会(Arms Control Association)の年次会合で講演し(注1)、現在の米国の核兵器政策を体系的に説明するとともに、ロシアに対して新戦略兵器削減条約(新START条約)失効後の新たな核軍縮条約締結に向けた交渉の開始を呼びかけた。本稿では、サリバン講演に見るバイデン政権の核兵器政策を確認したうえで、新START後継条約交渉の現状を紹介し、今後、進むべき方向を考える。 バイデン政権の核抑止戦略 上述の通り、サリバン
汚染水の海洋放出を止めよう!「ミライノウミプロジェクト」への賛同・協力を!
平和フォーラムを構成する原水禁(原水爆禁止日本国民会議)は、原子力資料情報室(CNIC)や福島県平和フォーラムとともに、あらたなキャンペーン「ミライノウミプロジェクト」を呼びかけており、現在、賛同・協力していただける団体・個人を募っています。今夏にも強行されようとするなかでの重要なとりくみですので、ご紹介します。 「ALPS処理水」と政府・東京電力が呼ぶ、放射能汚染水汚染水の海洋放出は「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」という約束と、地元の人びとの思いを踏みにじるものです。海洋放出のなにが問題なのか、多くのひとに知ってほしい、そして海洋放出を止めたい!という趣旨のプロジェクトで
防衛産業強化法と防衛財源確保法の国会審議と、6月の日米・多国間軍事演習
木元茂夫 6月21日、通常国会が閉幕した。2022年12月の「安保3文書」の改定に対応し、防衛産業を政府の援助によって支え、また、防衛費増額の財源を確保するために、2つの法律が成立した。国会審議のようすからその問題点を確認していきたい。 防衛産業強化法案 防衛産業強化法案(正式名称は「防衛省が調達する装備品等の開発及び生産のための基盤の強化に関する法律」)は6月6日に可決された。 6月1日の参議院外交防衛委員会では、自民党の佐藤正久議員が「次期陸上自衛隊の装輪装甲車の選定の結果、三菱重工がフィンランドのパトリア社と競合して、結果で、防衛省は三菱重工ではなくてフィンランドのパトリア