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東京大空襲65周年朝鮮人犠牲者追悼国際シンポジウム・追悼会
1945年3月10日未明、米空軍の東京大空襲によって数多の日本人が被害を受け亡くなりました。同じ空の下、朝鮮人を含む多くの外国人が犠牲になりました。東京都慰霊堂には、朝鮮半島出身者の遺骨が数十体納められていますが、ほとんどは創氏改名された名前であったため、それが確認できたのは戦後60年を過ぎた2005年末でした。以後、東京朝鮮人強制連行真相調査団は、東京大空襲の日を前にして追悼会やシンポジウムを開催しています。本年は2月27日、午前中に東京・江東区文化センターで東京大空襲65周年朝鮮人犠牲者追悼国際シンポジウム、午後には東京都慰霊堂での追悼会が行われました。
シンポジウムを前に、まず民族器楽重奏団(民楽)の康美純さんの伽耶琴演奏を、金成烈さんの長鼓、洪由花さんの短簫伴奏で追悼公演で開始。民主党の初鹿明博議員のあいさつと、消費者・少子化担当相の福島瑞穂社民党党首から寄せられたメッセージが紹介されました。
シンポジウムでは基調報告と、日本側、南北朝鮮の報告、東京大空襲訴訟に関する特別報告が行われました。基調報告「60年ぶりの遺骨との邂逅」を行った東京調査団の李一満・朝鮮側事務局長は、東京大空襲で4万1000人余の朝鮮人が被災し、そのうち1万人余が犠牲となったことに言及し、この真相を究明するのは日本の過去清算に直結すると、意義を強調。そして、日本政府がこの責任から絶対に逃れられないと主張しました。続いて、日本の戦争責任資料センター共同代表の荒井信一茨城大学・駿河台大学名誉教授が「東京大空襲とアメリカ空軍」について、韓国の日帝強占強制同員被害真相糾明委員会の鄭惠瓊・調査2課長が「東京大空襲と朝鮮人死亡者」について報告を行いました。また、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の朝鮮日本軍「慰安婦」および強制連行被害者問題対策委員会と朝鮮人強制連行被害者遺族協会から送られてきた報告書「遺骨問題に関するわれわれの立場」を金哲秀・朝鮮大学校教授が読み上げました。さらに、東京大空襲訴訟弁護団団長の中山武敏弁護士は、昨年12月に東京大空襲の民間人被害者を日本政府が放置してきたことに関して謝罪と賠償を求める訴訟が東京地方裁判所で棄却され、東京高等裁判所に控訴したことについて述べました。シンポジウムは最後に、「高校無償化」制度から朝鮮学校を除外しようとする動きが政府内にあることについて憂慮を示し、朝鮮学校への適用を求める鳩山由紀夫首相あての要請書を採択するとともに、日本の戦争責任を追及し、日本のなかにある誤った歴史認識を正していくことを強調するアピールを採択しました。
同日午後、東京大空襲犠牲者の遺骨が納骨されている東京都慰霊堂(墨田区)で行われた追悼会には、国際シンポジウム参加者をはじめ在日朝鮮・韓国人、東京朝鮮中高級学校生徒、日本の市民などが参加しました。黙祷、国平寺の尹碧巖住職の読経に続き、追悼の辞が述べられました。
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