2014年、WE INSIST!
2014年01月01日
「もはや」始まった。が しかしあきらめない!
「まさか」ではない。「もはや」「すでに」「やはり」そう考えるのが真をついている。多くの市民が反対した「特定秘密保護法」を、政府・与党が強行採決を行っている最中、一人の自衛官の懲戒処分の手続きが始まっていた。
海上自衛隊3等海佐Aさんは、海上自衛隊横須賀基地所属の自衛艦「たちかぜ」の乗組員のいじめによる自殺に関して、遺族が訴えた訴訟の担当だった(訴訟は東京高裁で係争中)。彼は、海自が遺族らに捨てたとしていた「いじめに対するアンケート」(自殺に関わっての調査)の存在を告発した。海自が一貫して「破棄」を主張した文書を、現役の自衛官であるAさんは公の場に持ちだした。懲戒の理由は、調査の関連文書をコピーして持ち出したことだが、本当の理由は、誰が考えても海自の判断に楯突いたからに違いない。内部告発への見せしめにしか見えない。決して許されるものではないだろう。部隊内部でのいじめに関するアンケートは、秘密にされるものではない。内閣府に置かれる「情報公開・個人情報保護審査会」は、「組織全体が不都合な事実を隠蔽しようとした」ときびしい指摘を行っている。防衛秘密は「特定秘密保護法」の中核をなす。このような体質の組織が、この法を恣意的に運用しないと誰が言えるのか。
「特定秘密保護法」の審議において、秘密の範囲や知る権利・報道の自由、罰則規定など多くの懸念が明らかになったが、何も払拭されず数の論理に押し込まれていった。町村信孝自民党衆議院議員(元官房長官)は、「知る権利が国の安全保障に優先するなど基本的に間違い」と憲法や民主主義を否定して恥じない発言をしている。石破茂自民党幹事長は、特定秘密の報道は「常識的に抑制される場合もあり得る」と発言した。「もはや」「すでに」「やはり」である。
安倍首相は、批判の声と支持率の急落に「私自身がもっともっと丁寧に時間をとって説明すべきだったと反省している」と述べたが、実際に具体的説明はない。「今の秘密の範囲が広がることはない。自由な創作活動が制限されることも決してない」と語っているが、誰も信用していない。国旗・国歌法の制定時を思い出したい。
「強制されない」の発言のなんと軽いことか。いつだって「権利を侵害します」といって侵害したやつはいない。大江健三郎さんが訴えている。「秘密保護法廃止のために、投票行動で意志を示せ」と。「最後の最後まで闘うぞ!勝利するぞ!」あきらめてはならない。