2013年、WE INSIST!
2013年05月01日
改憲も、オスプレイも米国従属
「『日本よ、アジアの一員たれ』そのことこそが、新しい日本をつくる」。本誌の昨年6月号に私はそう書いた。復帰40年、沖縄は変わらない。米国従属の日本のあり方を変えることが必要だと。
沖縄は、オスプレイ配備と辺野古新基地建設で揺れ続けた。県知事、県議会、沖縄41市町村の市町村長と議会全てが、オスプレイ配備反対を掲げた。しかし、オスプレイは配備され、日米合同委員会合意を無視してわが物顔に飛び続ける。沖縄県民に対する世論調査(琉球新報・5月9日)では、辺野古新基地建設もオスプレイ配備も県民の9割が反対を表明している。
圧倒的な数字が政治に反映されないのはなぜか。県民からは「沖縄への差別」との声が上がっている。その中で、政府はサンフランシスコ講和条約発効の4月28日を「主権回復の日」として政府主催の記念の祝典を、天皇の列席の下で開催するとしている。「天皇の政治利用」ともとれる憲法違反の疑いが極めて強い。サンフランシスコ講和条約は、沖縄を切り捨て引き続き米国の統治下においた。加えて、植民地であった朝鮮半島出身者の国籍を喪失させた。この日は、沖縄県民にとって、在日韓国・朝鮮人にとって、きわめて差別的な日となっている。今、まさに差別されていると感じている人々に、更なる侮蔑を与えようとする日本政府が恥ずかしくてならない。
沖縄が置かれている状況は、米国への従属に他ならない。主権回復と言いながら、一方で、日本は未だに米国の占領下にあるように思うのは、私だけではないだろう。米国内で、市民の反対で飛行中止を余儀なくされているオスプレイが、日本国中で低空飛行訓練を行う。それに対して何も言えない日本政府が、「米国従属」と非難されるのはあたりまえだ。
雑誌「世界」5月号に、憲法学者の古関彰一さんが「自民党改憲案の書かれざる一条」と言う論考を掲載している。自民党改憲案に「開戦条項」がないのは、戦争をしないと言うことではなく、米国の指示の下で戦争を行うと言うことで、つまり、全くの米国従属の憲法であるとの趣旨だ。「日本国憲法は、米国の押しつけ憲法」「自主憲法制定」を主張する自民党は、しかし、いつまでたっても「米国従属」から抜け出せないでいる。