「オスプレイ配備反対!」岩国市民と全国参加者600人が声を上げる
 ●日時 2012年7月23日
 ●場所 山口県岩国市


●米軍岩国基地に向けて「怒」のプラカードでアピール。

 MV‐22オスプレイ12機を搭載した自動車運搬船「グリーンリッジ」が、7月23日の朝5時5分、山口県岩国市にあるアメリカ海兵隊岩国基地に着岸しました。
 MV−22オスプレイは、海兵隊が旧型CH−46ヘリコプターからの転換を進めている新型の航空機です。沖縄県宜野湾市にある海兵隊普天間基地には、CH−46が2個飛行中隊、24機が配備されていますが、今年10月に12機を、来年中に残りの12機を、オスプレイに置き換える計画です。またオスプレイの沖縄配備に当たって海兵隊が作成した環境影響評価報告書によって、オスプレイは月に1回は分遣隊数機を山口県の岩国基地か静岡県のキャンプ富士に派遣すること、全国6ルートで低空飛行訓練を行うことなどが明らかになりました。
 こうした中で搬入されようとするオスプレイに対して、岩国市民らが作る「住民投票の成果を活かす岩国市民の会」、「愛宕山を守る会」、「岩国爆音訴訟の会」の3団体は、「オスプレイ陸揚げ・配備阻止! 岩国現地大行動」を全国に呼びかけました。
 日本政府は山口県と岩国市に対して、「グリーンリッジ」の岩国到着日が23日であることを伝えましたが、正確な時間は公表しませんでした。そこで市民団体のメンバーらは23日の深夜12時から、基地の対岸で監視行動をおこないました。午前6時からは漁船・ゴムボート・カヤックなど10隻による平和船団が海上での抗議行動を行い、同時に岸壁にも100人以上の人々が集まって抗議のシュプレヒコールをあげました。また午後1時からは、対岸の岸壁で抗議集会が開かれて、岩国市内外の個人や市民団体、また山口県平和運動フォーラムに加盟する団体など約600人が参加しました。
 この行動には、オスプレイの配備先となる沖縄から「ヘリ基地反対協議会」、「高江住民の会」、「平和市民連絡会」などの諸団体が、オスプレイを搭載する強襲揚陸艦の母港である佐世保からは「佐世保地区労」が、沖縄に次ぐアメリカ軍基地県である神奈川から「第4次厚木基地爆音訴訟団」が参加しました。また労働組合の参加も多く、全日建運輸連帯労組を中心にした関西の仲間は、バス1台で集会に駆けつけました。
 午後から開かれた集会では、主催者を代表してあいさつに立った「住民投票の成果を活かす岩国市民の会」代表の大川清さんが、「買い物をしてそれが欠陥品だったら返品する。オスプレイは誰が見ても欠陥機。即刻アメリカに返品しよう」と訴えました。
 「ヘリ基地反対協議会」共同代表の安次富浩さんは、「日本政府は、安全確認ができるまではオスプレイを飛ばさせないと言っている。私たちは、沖縄の上空も、日本本土の上空も、そして何よりも先ず、最初に訓練しようとしている、ここ岩国の空を飛ばさせない闘いをしよう。アメリカに持って帰らせる闘いを作ろう」と話しました。
 集会の最後に参加者は、「怒」の文字が書かれたプラカードを岩国基地に向かって掲げ、岸壁に一列になって人間の鎖をつくり「オスプレイはアメリカに帰れ!」と声をあげました。


●オスプレイ12機を搭載した、自動車運搬船「グリーンリッジ」。朝5時5分に姿を現し、1時間近くかけて基地内のバースに着岸しました。


●基地対岸の船溜まりから出航した平和船団。ピースリンク広島・呉・岩国のメンバーが中心です。


●ゴムボートをつなげて、「来るな!オスプレイ」の横断幕を掲げました。


●漁船からメッセージボードでアピールする、岩国市民の皆さん。


●一般海域とアメリカ軍への提供海域の間には、海上保安庁の船舶が10隻以上出動して警戒に当たっていました。





●岩国基地を見下ろす住宅地から見た「グリーンリッジ」。


●グリーンリッジから搬出されたオスプレイが、滑走路をけん引されてきました。





●300ミリの望遠レンズで撮影した写真を、パソコンでさらに拡大してみました。解像度は低くなりましたが、オスプレイの形がわかります。輸送のため翼はタテに向けています。


●午後1時から、対岸で抗議集会が行われました。


大川清さん(住民投票の成果を活かす岩国市民の会)
 私は昨晩、2時からずっと、この場所で見張っていました。夜が明ける前、早朝早くに、オスプレイはこそこそとやって来ました。そうして陸揚げしなければならないほど、オスプレイは危険な航空機だということです。買い物をしてそれが欠陥品だったら返品しますよね。オスプレイは誰が見ても欠陥機です。即刻アメリカに返品しようじゃありませんか。


服部良一さん(衆議院議員・社民党)
 この間の事態は、オスプレイが安全でないということが、証明されたわけです。野田首相は変なことを言っています。日本政府があれこれ言う問題ではないと言うのです。しかし、日米安保と国民の命は、どちらが大切なのでしょうか。
 オスプレイは直ちにアメリカに持って帰れ。私たち社民党も全力で闘います。


安次富浩さん(沖縄 ヘリ基地反対協議会・共同代表)
 沖縄では8月5日に県民大会を行って、オスプレイを沖縄に入れさせない準備をしています。
 日本政府は、安全確認ができるまでは、オスプレイを飛ばさせないと言っています。むしろ我々の闘いは、沖縄もそうだし、日本の上空もそうだし、何よりも先ず、最初に訓練をしようとしている岩国の空を、多くの国民の力で飛ばさせない闘いをして、アメリカに持って帰らせる。そういう闘いを作りましょう。


斉藤英昭さん(第4次厚木基地爆音訴訟団・事務局長)
 日本政府がいまやらなければならないことは何か。日本国民の安心と安全を確立して、日本国民の生命を守ることです。それが一番です。
 今回陸揚げされたオスプレイは、全国6ルートで低空飛行訓練を行います。厚木基地ほどの整備能力を持った基地は、他にはありません。絶対に厚木基地にも飛来するでしょう。そうした懸念を抱いています。私たちも他人ごとではない、ということを念頭に参加させていただきました。


佐世保地区労から
 オスプレイについて、佐世保は他人ごとではありません。佐世保には強襲揚陸艦が配備されていますが、オスプレイの搭載が可能なボノム・リシャールという最新鋭艦に代わっています。アジアにおける、佐世保米軍基地の役割がどのようになるのか。私たち佐世保市民も、しっかりと考えていかなければなりません。
 私たちは過去の歴史に学んで、二度と悲惨な戦争を起こさないと誓ったはずです。オスプレイも原子力艦船も兵器です。人を殺し、傷つけることしかできません。その存在を許さず、私たちが地に足をしっかりつけて、次の世代に、子どもたちに、美しい地球を残していこうではありませんか。


福地義広さん(第3次嘉手納基地爆音訴訟団・副団長) 
 オスプレイの問題は、岩国だけの問題ではありません。普天間基地に配備されますが、普天間だけの問題でもありません。沖縄全体で飛び交うことになります。そして日本全体で飛び交うことになります。オスプレイの問題を、日本全体の問題として捉えて、オスプレイを即刻アメリカに返す、配備させないという阻止闘争を、力強く進めていかなければならないと思います。


天野一博さん(愛宕山を守る会・事務局長)
 岩国市民はおとなしいと言われてきました。しかし海兵隊の移駐問題やオスプレイの問題などで、岩国市民も国に対して物を申す、いつまでも黙ってはいられない、そうしたマグマが噴出直前であると思っています。
 私たちも一般市民で、愛宕山に米軍住宅は作らないでくださいという一点で運動を進めてきました。しかしオスプレイの問題を契機に、これからは幅広く岩国市民の間に広がっていくことを祈念しています。世界一危険な普天間基地に、最も危険なオスプレイを配備することは許されません。岩国市民の共感、幅広い日本国民の共感を得られるように、皆さん、ともに頑張りましょう。


●基地に向いて2列にならび、「人間の鎖」を作ってオスプレイ反対をアピールしました。


●集会決議の朗読です。


●集会終了後、デモ行進を行いました。

 
映像へのリンク「オスプレイ陸揚げ・配備阻止!岩国現地大行動」
 http://www.youtube.com/watch?v=XlWp-M5srZs&list=HL1343202735&feature=mh_lolz

リムピース「追跡!在日米軍」
 http://www.rimpeace.or.jp/

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