その8
防衛省・自衛隊が公表しているミサイル防衛計画の内容
日本のミサイル防衛を調べるにあたり、多くのインターネット上の研究サイトや報道記事、書籍などを参考にしました。また防衛省(内局)の広報・航空幕僚監部の広報室・海上幕僚監部の広報室にも電話で話を伺いました。そうした中で装備の配備計画や予算などに関して、サイトや書籍には掲載されていても、防衛省・自衛隊としては公表していないものもありました。そこで、防衛省・自衛隊が正式に認めているものを、以下に掲載しておきます。
■航空自衛隊関連
●PAC−3
@配備数・・・18個高射隊分
07年度から10年度にかけて、16個高射隊分
11年度から12年度にかけて、定期修理予備用として2個高射隊分
A具体的な配備計画は以下の通り
●06・07年度 第1高射群 | ||
第4高射隊 | 入間基地 (埼玉県) | 1個 |
第1高射隊 | 習志野基地(千葉県) | 1個 |
第2高射隊 | 武山基地 (神奈川県) | 1個 |
第3高射隊 | 霞ヶ浦基地(茨城県) | 1個 |
●08年度 東海地方 | ||
高射教導隊 | 浜松基地(静岡県) | 2個 |
第2術科学校浜松基地 | 浜松基地(静岡県) | 2個 |
●09年度 中部・近畿地方 第4高射群 | ||
第12高射隊 | 饗庭野基地(滋賀県) | 1個 |
第13高射隊 | 岐阜基地 (岐阜県) | 1個 |
第14高射隊 | 白山基地 (三重県) | 1個 |
第15高射隊 | 岐阜基地 (岐阜県) | 1個 |
●10年度 九州地方 第2高射群 |
||
第5高射隊 | 芦屋基地 (福岡県) | 1個 |
第6高射隊 | 芦屋基地 (福岡県) | 1個 |
第7高射隊 | 築城基地 (福岡県) | 1個 |
第8高射隊 | 高良台基地(福岡県) | 1個 |
●11年度 | ||
定期修理予備用 | 1個 | |
●12年度 | ||
定期修理予備用 | 1個 |
※1個高射隊は、PAC−3ミサイル16発を搭載する発射機2基と、PAC−2ミサイル4発を搭載する発射機3基を保有します。
●FPS−5レーダー
@配備数・・・08年度から11年度にかけて4基
A具体的な配備計画は以下の通り
08年度 | 下甑島基地(鹿児島県) |
09年度 | 佐渡基地 (新潟県) |
10年度 | 大湊基地 (青森県) |
11年度 | 与座岳基地(沖縄県) |
●FPS−3改レーダーの能力向上
@配備数・・・09年度までに7基
■海上自衛隊関
●イージス艦をミサイル防衛対応に改修しSM−3ミサイルを搭載
@配備数 ・・・07年度から10年度にかけて4隻
A改修対象 ・・・DDG173「こんごう」
DDG174「きりしま」
DDG175「みょうこう」
DDG176「ちょうかい」
(※DDGはミサイル護衛艦に付く記号)
B改修順・・・07年度は「こんごう」の改修が完成します。研究サイトや専門誌などには、08年度以降の改修順番が掲載されていますが、防衛省は正式には公表していません。
■そのほか
●ミサイル防衛に関わる総予算
@政府はミサイル防衛にかかわる予算の総額を、明らかにしていません。
A防衛庁は内部資料で、当初の見積もりを、5000億円程度(関連維持整備経費を含める7000億円程度)としています。
A04年度から07年度までに、実際に予算化された金額は以下の通りです。
04年度 1068億円
05年度 1198億円
06年度 1399億円
06年度補正 76億円
07年度 1826億円
●PAC−3ミサイル、SM−3ミサイルの取得数
研究サイトや専門誌の一部に、PAC−3の取得数124発、SM−3の取得数36発という記載がありますが、防衛省・自衛隊は「ミサイルや弾薬の保有数など、自衛隊の能力に関する問題については非公開」としています。