MV-22オスプレイ 本土各地でも訓練を実施
作成日 2012年6月18日


1.概要
 アメリカ海軍省と海兵隊は今年4月、「MV-22航空機の海兵隊普天間基地への配備と日本での運用に関する環境報告書」を作成しました。アメリカ政府から報告書を入手した防衛省は、6月13日に報告書を沖縄県に提出しました。この報告書は、沖縄防衛局のホームページに掲載されています。
 日本政府はこれまで、オスプレイの配備は従来使用されていたヘリコプターCH-46の機種変更であると説明してきました。しかし報告書によればオスプレイは、これまでCH-46が行っていなかった、岩国基地(山口県)とキャンプ富士(静岡県)での定期的な訓練や、全国6ルートでの飛行訓練を実施するとしています。新たに実施される訓練の概要は以下の通りです。

2.新たな訓練の内容
(1)キャンプ富士
 @訓練参加機数 2機から6機 
 A実施日数   1か月に2日から3日
 B訓練回数   年間500回程度の飛行 (訓練増加率10パーセント)

 

年間の訓練

 

現在

提案

米空軍

285

285

航空自衛隊

4,744

4,744

MV-22

 

500

合計

5,029

5,529

増加率

10

(2)岩国基地
 @訓練参加機数 2機から6機
 A実施日数   1か月に2日から3日
 B訓練回数   年間500回程度の飛行 (訓練増加率  0.8パーセント)

 

年間の訓練

 

現在

提案

米海兵隊

22,738

22,738

航空自衛隊

28,682

28,682

米軍外来機

7,815

7,815

民間機

104

104

MV-22

 

500

合計

59,339

59,839

増加率

0.8

(3)航行ルートでの訓練
@使用ルート これまで米軍機が低空飛行訓練を行っていた6つの航法ルートを使用します。報告書に記載された地図(下図)を見ると、ルートはおおむね以下の通りです。
 ○青森〜岩手〜宮城〜福島        (従来のグリーン・ルート)
 ○青森〜秋田〜山形           (従来のピンク・ルート)
 ○山形〜福島〜群馬〜新潟〜長野〜岐阜  (従来のブルー・ルート)
 ○和歌山〜徳島〜高知〜愛媛       (従来のオレンジ・ルート)
 ○大分〜福岡〜熊本〜宮崎        (従来のイエロー・ルート)
 ○沖縄諸島→奄美群島→薩南諸島     (従来のパープル・ルート)
A訓練回数  年間330回   (訓練増加率  21パーセント)
 *330回については、「各ルート」という記載と「全ルート」という二つの記載があります。どちらが正しいのかは不明です。
B夜間訓練  1年間に10時間の夜間訓練(22時〜7時)が行われます。