オスプレイ配備撤回! 米兵による凶悪事件糾弾! 怒りの御万人大行動 日時 2012年12月23日(日) 12:00~ 会場 沖縄県宜野湾市 海浜公園野外劇場 |
(はじめに) 沖縄県宜野湾市にある海浜公園野外劇場で12月23日、「オスプレイ配備撤回! 米兵による凶悪事件糾弾! 怒りの御万人大行動」が開催され、約3000人が参加しました。この大行動を企画したのは、沖縄平和運動センター、普天間基地爆音訴訟団、嘉手納基地爆音訴訟団、沖縄平和市民連絡会などが呼びかけた実行委員会です。 これらの団体はオスプレイの普天間基地配備に反対して、9月下旬から基地ゲート前での座り込みを行い、27日から30日にかけては主要なゲートを封鎖に追い込んでいます。オスプレイの撤去を実現するためには非暴力直接行動が重要ですが、一方で多くの県民が気軽に参加できるアピール性の高い行動も必要です。そうした判断から今回の大行動は、沖縄県内のミュージシャンと共同しての「サウンドデモ」を中心としたものになりました。 11時から始まったプレイ集会では、歌手のKEN子さんの司会で、フォークソング、エイサー、沖縄民謡、海勢頭豊さんらによるミニコンサートが行われました。 12時からの本集会では、共同代表団体あいさつ、全国連帯あいさつ、現地報告、政党あいさつなどが行われました。主催者を代表してあいさつに立った沖縄平和運動センター議長の崎山嗣幸さんは、「来年にも来るであろうオスプレイを止めて、この普天間基地を撤去させる、諸悪の根源である米軍基地を撤去させるまで、断固として進もう」と発言しました。 全国参加者を代表して平和フォーラム事務局長の藤本泰成さんは、「ハワイ州やニューメキシコ州では、市民の反対によってオスプレイを飛ばすことがでない。自分の国では飛ばすことができない危険なものを、なぜ人の国で、沖縄県民の頭の上で飛ばすことができるのか。そんな理不尽があってはならない」と訴えました。 普天間基地爆音訴訟団事務局次長の桃原功さんは、「今年1年を表す文字は『金』だった。しかしウチナンチュは、オスプレイの強行配備や、米兵による暴行事件に対して『怒』の文字しか思い浮かばない」、「来年こそは撤退の『退』を1年の文字として表したい」と話しました。 ヘリ基地反対協共同代表の安次富浩さんは、「いま野篙ゲートと大山ゲートで基地封鎖、アメリカ兵は帰れという闘いが続けられている。アメリカの軍隊がいやすい環境の沖縄を、私たちは拒否しよう。アメリカ軍が沖縄から出ていく闘いを、私たちの手で作ろう」と檄を飛ばしました。 集会終了後、参加者は10グループに分かれて、普天間基地の大山ゲートまでデモ行進を行いました。それぞれのグループは、三線、チャンゴ、ロックやフォーク、クラブミュージックなどのミュージシャンが先頭になって、音楽を奏でながらの行進となりました。 平和フォーラムは加盟組織に大行動への参加を呼びかけ、全国各地から約130人が参加しました。 以下は本集会での発言要旨と、写真リポートです。 |
プレイ集会 |
●野外劇場の外では、ミュージシャンの皆さんが、サウンドカーのデコレーションなど、準備を進めていました。 ●お手製のオスプレイに乗った人も。 |
本集会 |
■司会者あいさつ ●山城博治さん(沖縄平和運動センター事務局長) 今年は基地を巡って、多くのことがありました。県民の思いを踏みにじる、日米両国政府と米軍の蛮行によって、沖縄の魂はいたく傷つけられ、私たちの誇りが踏みにじられようとしています。 オスプレイに対して、県民10万人が抗議しても、県議会が再三にわたって決議を上げても、41市町村議会が決議を上げても、一向に構わない、沖縄に押し付けるのです。そして普天間基地のゲート前に結集した多くの市民を機動隊がごぼう抜きにして、ついに10月1日にオスプレイは配備されました。 今年1年は大きなうねりと闘いに明け暮れた沖縄ですが、今日改めてこの場所に総結集して、私たち県民は決して政府・権力の仕打ちに屈することなく、引き続いて平和を求めて、基地のない沖縄を求めて、闘う決意を固めようと思います。そのような思いで、本日の集会を企画・提案しました。 そうした思いに県内各地から、とりわけオスプレイが配備された普天間から、そして辺野古から、ヘリパット建設に揺れる東村高江から、爆音にさいなまれる嘉手納から、多くの人々が参加しました。また低空飛行訓練に反対する闘いを沖縄で行おうという呼びかけにこたえて、全国各地から多くの仲間が結集しています。心から感謝申し上げます。 ■共同代表団体あいさつ ●崎山嗣幸(沖縄平和運動センター議長・県議会議員・社民党) 「オスプレイ配備撤回・米軍犯罪糾弾・怒りの御万人(うまんちゅ)大行動」に結集された皆さん、大変ご苦労さまです。年末の師走のあわただしい日曜日に、多くの方々がこの運動を停滞させてはいけないという熱い思いで、今日ここに集まっていると思います。 また沖縄の闘いと連帯する思いで、全国の平和フォーラムに参加する仲間が、この場に結集していることにも心から感謝を述べたいと思います。 さて皆さん。オスプレイ反対、あるいは米軍基地反対、辺野古新基地建設反対の思いは、沖縄県民の気持ちが一つになっていることだと思います。この1年間、私たちは多くの運動を展開してきました。9・9県民大会には10万余の県民が結集しました。革新政党や労働組合だけではなく、自民党や公明党、また経済団体まで参加して、沖縄からオスプレイ反対の声を一つの声として、県民の総意として作り上げてきたのです。これは私たちの運動の成果であると、確信することができます。 また先の総選挙においては、残念ながら自民党を中心とする政権を許すことになりました。憲法改正、集団的自衛権の行使など、右傾化する政治の反動に私たちは対決していかなければなりません。本日の集会を契機に、さらに運動を強化し、来年に来るであろうオスプレイを止めて、この普天間基地を撤去させる、諸悪の根源である米軍基地を撤去させるまで、断固として進もうではありませんか。 ■全国からの参加者代表あいさつ ●藤本泰成(平和フォーラム事務局長) ご紹介をいただきました、平和フォーラム事務局長の藤本です。まず初めに、「沖縄では少し寒いかな?」という天気の中で、沖縄から全国から「オスプレイはいらない」、「平和を作るのだ」という熱い思いで結集された皆さんに、心から敬意を表します。 総選挙が終わりました。自民党は選挙の間、沖縄の基地問題には一切触れませんでした。原発の問題にも一切触れませんでした。そうして圧倒的な勝利を得ました。しかしいま、普天間基地を辺野古に移転する、新しい原発を作ると言いだしています。政治は嘘ばかり、私たちを騙してばかりです。沖縄では「わじわじー」というそうですが、本当に腹の立つことばかりです。 アメリカではハワイ州やニューメキシコ州で、市民の反対によってオスプレイを飛ばすことができません。自分の国で作っておいて、自分の国では飛ばすことができない。そうした危険なものを、なぜ人の国で、この沖縄県民の頭の上で、日本の上で飛ばすことができるのでしょうか。そんなことが許されていいはずがありません。そんな理不尽なことがあっていいはずがありません。 皆さん。自民党の改憲案を見たでしょうか。あんな恥ずかしい憲法草案はありません。憲法の中に、「家族は、互いに助け合わなければならない」とあります。こんな憲法がどこにあるのでしょうか。「国民は憲法を守らなければならない」。こんな憲法がどこにあるのでしょうか。「国旗及び国歌を尊重しなければならない」、「公益のためには人権は制限できる」。こんな恥ずかしい憲法、立憲主義というものを自民党政権は誰も分かっていないのです。私たちはこの憲法改正案を、絶対に許してはならない。 沖縄は平和憲法の基に復帰したのであって、日本に復帰したのではありません。そうした思いで沖縄の皆さんと、最後まで闘いっていきたい。 全国から沖縄にやって来た平和フォーラムの仲間を代表して、あいさつとさせていただきます。 ■現地からの報告 ●桃原 功さん(普天間基地爆音訴訟団事務局次長・宜野湾市議会議員) 県内外から普天間基地を撤去するために、また強行配備されましたがオスプレイを絶対に撤去させるために、寒い沖縄に結集された皆さん、こんんちは。本来であれば私たちの団長である島田善次・怒りの牧師があいさつするところでありますが、今日日曜日は島田牧師は本業の教会があります。そのために私があいさつすることをご了解ください。 沖縄ではオスプレイを撤去するために、多くの県民の皆さん、また県外の皆さんにも来ていただいて、野篙ゲートで、また大山ゲートで、アピール行動をしています。本当に心から感謝を申し上げます。野篙ゲートでは「沖縄平和市民連絡会」が、大山ゲートでは「さらばんじぬの会」、そして「普天間爆音訴訟団」が中心になってオスプレイを監視し、米兵に抗議しています。 沖縄では普天間基地だけではなく、辺野古での座り込みも行われています。自民党が多くの議席を獲得し、この16年間、杭1本打たせなかった辺野古に、彼らは襲ってくるでしょう。辺野古に対する支援も、合わせてお願いします。そして高江でも、政府はヘリパット建設を強行に推し進めています。沖縄では、あまりにも、あまりにも課題が多すぎます。しかし皆さんのご支援で、私たちはこの差別を無くしていきたい。海外の人々にできて、沖縄にできないことはありません。一緒に闘い抜きましょう。 今年1年を表す文字は確か「金」でしたね。私はどうにも「金」はピンときません。ウチナンチュは、オスプレイの強行配備や、米兵による暴行事件に対して「怒」の文字しか思い浮かびません。この怒りを、皆で一緒に、日米両国政府に対して突き付けていきましょう。そして来年こそは、撤退の「退」を1年の文字として是非とも表したい。「退」はオスプレイ撤退の「退」であり、普天間基地撤退の「退」であり、辺野古新基地建設、ヘリパット建設からの撤退の「退」です。そのために、皆さんと一緒に、さらに闘っていきましょう。ありがとうございました。 ●安次富 浩さん(ヘリ基地反対協議会共同代表) 辺野古の海岸の風よりも、ここ宜野湾の風の方が少し寒いですね。それでも今日の集会は皆で気持ちを盛り上げて、デモ行進も貫徹して、日米両政府に私たちウチナンチュの怒りをぶつけましょう。それが本日の集会の、大きな目標だと思います。 さて、ご来場の皆さん。小選挙区制という選挙制度の最悪の結果が、今回の選挙で如実に現れました。得票率は少ないのに自民党が圧勝する。その摩訶不思議な制度の結果として、いま沖縄は酷い目にあおうとしている。ウチナンチュが政治的な暴力を受けようとしています。私たちウチナンチュは、こんなことでは挫けない、そういう思いを皆さんと一緒に共有して、辺野古現地で闘っていきたいと思います。 選挙が終わった後に、ペンタゴンのモルモットである森本敏防衛大臣が、環境影響評価の評価書の補正を提出しました。これは570項目に及ぶ仲井真県政による、評価書の不十分さや問題点、デタラメさの指摘に対する回答でしたけれども、まったく回答になっていません。 つまりそれは、何が何でも辺野古に基地を作るという民主党政権の政策を、自民党政権につなげていく役割を、森本は果たしているのです。 しかし、私たちはそのことで、怯むわけにはいきません。私たちは学習会を行い、どういう闘いを行わなければならないかを学んでいます。 仲井真知事は、選挙の結果がどうであれ、県外を堅持する、新基地は県外に移設すると言っています。これを実行させる闘いを作ります。私たちは、このデタラメな補正書の問題点を、県に対して様ざまな団体や個人から意見書として提出して、こんな補正書を受け入れてはいけないという運動を展開しようと思います。辺野古新基地建設は、ありえないのです。環境を破壊して、人殺しの基地を作ることは、ありえないのです。 さらに今年の1月末にアメリカに行きました。訪米して辺野古の問題を訴えてきました。その受け入れをしてくれたアメリカの市民団体にも要請して、仲井真県政に辺野古新基地建設はNOだという運動を、作り上げていきたいと思います。 仲井真知事を押して、基地を受け入れさせない、そうしたウチナンチュの闘いを作りましょう。私たちは補正書や、安倍政権から出される公有水面埋立申請には動じない、そうした闘いを作っていきたいと思います。 さらに大事なことがあります。2014年の1月には、名護市長選挙が行われます。現職の稲嶺進市長は、「新しい基地は海にも陸にも作らせない」という公約を、きちんと守って市政を運勢しています。仲井真知事は「名護市長が反対だから難しい」と言って、自らが県内移設反対だとは言いません。佐喜真淳宜野湾市長も同じです。天王山は、名護市長選挙において、稲嶺進市長の圧倒的な勝利を勝ち取ることです。それは名護市民だけの闘いではなく、沖縄県民の闘いです。そう思っていただきたい。一地域の市長選ではありません。沖縄県民の闘いなのです。そうした位置づけで、皆さんの力を借りたい。そして日本政府、安倍政権に、「ギャフン」と言わせたい。そうすれば辺野古の新基地建設が止まります。私たちウチナンチュの闘いとして、がんばりましょう。 沖縄が望むか望まないかにかかわらず、日米両国政府は、辺野古に新基地建設を、普天間にオスプレイを、高江のヘリパット建設を強行しようとしています。 辺野古に新基地を作らなければ、嘉手納以南は返還しない、普天間を固定化すると脅かしてきます。ふざけるのではない! 普天間基地は沖縄県民の土地です。戦争中に米軍が奪った土地です。奪った土地を返すのに、条件をつけるのは「盗人猛々しい」ではありませんか。そんなことで私たちは騙されない。そうでしょう! ましてや嘉手納以南の5施設は使っていないのですから、返すのが当たり前なのです。そういう闘いを作りましょう。日米両政府に、ペコペコするようではだめです。まともに闘いましょう。 いま普天間基地の野篙ゲートと大山ゲートで、基地封鎖、アメリカ兵は帰れという闘いが続けられています。アメリカの軍隊がいやすいような環境の沖縄を、私たちは拒否しましょう。アメリカ軍が沖縄から出ていくような闘いを、私たちの手で作りましょう。そしてその後に、自衛隊が入って来ることも許さない。自衛隊は旧日本軍となんら変わりません。自衛隊の沖縄配備を許さない闘いを、全県的な闘いとして、あるいは全国の協力を得て、この1年間の総力を挙げて勝利に向けてがんばりましょう。我々は決してあきらめない。したたかに、しなやかに、しっかりと闘いましょう。 ■国会議員からのあいさつ ●照屋寛徳さん(衆議院議員・社民党) オスプレイを強行配備した日米両政府に対する、強い、強い憤り怒りと、沖縄上空におけるやりたい放題の訓練を行っている米軍に対する強い怒りを持って、寒風をついて結集された皆さん、ご苦労さまです。 衆議院選挙が終わって間もなく、沖縄防衛局は欠陥だらけの評価書の補正書を出してきました。恐らくは民主党・どじょう政権と、次期自公政権が共謀して、普天間基地の辺野古への移設を強行しようとする、その現れであろうと思います。私たちは、辺野古への新基地建設を、断固拒否する闘いを強めてまいりましょう。そして欠陥機オスプレイの1日も早い撤去と、普天間基地の即時閉鎖・返還を求めて、共に闘ってまいりましょう。 お集まりの県民の皆さん。衆議院選挙で、沖縄基地問題の縮図であり、わが国の安全保障の縮図である沖縄第2区で私が当選したのは、オスプレイ撤去と普天間基地の閉鎖・返還を求めている皆さんの勝利であります。同時に、明治以来の近現代史の中で、常に沖縄が国策に翻弄され、国策の犠牲を強いられてまいりました。特に不平等・不公平な日米地位協定によって、米軍と米兵に対して特権を与えてきました。この全面改定なしに、ウチナンチュの人間としての尊厳の回復はないと、私は思っております。 自民党の大勝により、衆議院の状況も一変しました。その中にあって衆議院では、私と共産党の赤嶺政賢議員が一緒になって、憲法改悪を断じて許さない闘い、そして自衛隊を国防軍に格上げして集団的自衛権の行使を可能とするような戦争準備には、身体を張って闘ってまいります。 お集まりの皆さん。私たちはこれからも一層団結を固めて、オスプレイの即時撤退、普天間基地の閉鎖・返還、高江ヘリパット建設の反対、辺野古への新基地建設の反対を進めていきましょう。日米地位協定を改定して、ウチナンチュの人間としての尊厳回復のために、時の政府・政権と闘ってまいりましょう。私もがんばります。
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会場の様子 |
●会場には、3000人の人々が集まりました。 ●「さらばんじぬの会」の皆さん。65歳以上の熟年者を中心に結成されています。野篙・大山両ゲート前で、連日の抗議行動を行っています。検索すると「さらばんじ」とは、沖縄の言葉で「人生はいまが盛り」というような意味のようです。 ●東村の高江では、12月に入ってからも連日のように、ヘリパット建設の工事が進められています。 ●伊江島の皆さん。 ●普天間爆音訴訟団の皆さん。 ●平和フォーラム加盟組織の皆さん。
●海浜公園の歓海門から、普天間基地の大山ゲートに向けてサウンドデモに出発です。
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