2011年11月29日

田中聡沖縄防衛局長の発言に抗議する
平和フォーラムの見解


フォーラム平和・人権・環境
事務局長 藤本泰成


 「琉球新報」11月29日号は1面で、『犯す前に言うか 辺野古評価書提出めぐり 田中防衛局長』という見出しの記事を報じています。内容は、沖縄防衛局の田中聡局長が28日夜に行った報道陣との懇談会で、辺野古新基地建設の環境影響評価に関して、「評価書の提出期限について、一川氏(*一川保夫防衛大臣)の発言が明確でないことについての質問が出たときに、『これから犯す前に犯しますよといいますか』と発言した」というものです。

 男性が「犯す」と言えば、それは女性に対する性暴力に他なりません。いかなる文脈であれ、いかなる比喩であれ、女性への性暴力をもちだし、言葉として使うことは、女性に対する差別意識の表れです。決して許すことはできません。

 また田中局長の発言からすれば、「犯す側」は日本政府・防衛省であり、「犯される側」は沖縄県です。沖縄県では、県知事・県議会・名護市長・名護市議会の関係4者がともに新基地建設に反対しています。世論調査では県民の84パーセントも建設反対です。そうした状況の中で、日本政府が沖縄県を「犯す」ということは、沖縄県がどんなに反対しても、日本政府は最後には暴力を用いて基地を作るのだということの表れです。県民の意思を無視して国策を押し付けるのは、人権・地方自治・民主主義に対する敵対です。田中局長の発言は、女性差別であると同時に、沖縄に対する差別です。断じて認めることはできません。

 田中局長の発言は、公務員として必要な最低限の倫理観の欠如を表すものです。また防衛省の上級職員が、自らの業務や自らと沖縄県民の関係を「犯す」という言葉で表現している事実は、防衛省が国民・市民を見下しており、国民・市民を守るための組織ではないことを明確に表しています。

 以上の理由から、平和フォーラムは今回の田中聡局長発言に強く抗議します。また日本政府に対して、以下の措置を求めます。

1.一川保夫防衛大臣は、田中聡沖縄防衛局長を即座に処分・更迭すること。
2.一川保夫防衛大臣は、田中発言に対して謝罪するとともに、田中局長の任命権者としての責任をとること。
3.防衛省は、全ての職員に対して、日本国憲法に基づく人権意識の教育を実施すること。
4.日本国政府は、これらの措置が完了するまで、新基地建設に関する一切の業務を停止すること。


抗議の声を防衛省と防衛大臣へ!!

 防衛大臣 一川保夫 様
  住所   〒162-8801東京都新宿区市谷本村町5−1 防衛省
  電話   03−5366−3111
  FAX   03−5269−3270

  ホームページ 防衛省・自衛隊に対するご意見箱
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