5・28緊急集会に600人が参加
新基地建設絶対に許さずの声を上げる


●開催日 2010年5月28日(金)18:30〜
●会場  全電通労働会館・ホール


 平和フォーラムは5月28日に東京・千代田区の全電通労働会館ホールで、「許すな!普天間問題の日米合意 とめるぞ!辺野古新基地建設 5・28緊急集会」を開催しました。集会の開催に当たっては、「沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック」に共催として、「沖縄に基地はいらない 全国同時アクション」、「WORLD PEACE NOW」に協賛として協力していただきました。
 集会動員の発文書は5月24日であり、準備期間がわずか4日しかありませんでした。しかし、この日が日米共同声明の発表と、鳩山内閣の閣議決定に重なったこともあり、集会には実数で550人を越える人々が集まりました。
 集会では藤本泰成事務局長のあいさつに続いて、国会情勢報告・発言・参加団体アピールが行われました。
 以下は国会情勢報告・発言・参加団体アピールの発言要旨です。



■国会情勢報告
●川内博史さん(沖縄等米軍基地問題議員懇談会会長 民主党 衆議院議員)
 

 お集まりの皆さん、こんばんは。ご紹介をいただきました、沖縄等米軍基地問題議員懇談会の川内博史です。
 昨年の8月30日に、皆さま方の大きなお力をいただいて、大きな期待をいただいて、鳩山内閣がスタートいたしました。この普天間基地問題では、「辺野古はない」、「できれば国外、最低でも県外」と鳩山由紀夫総理大臣はおっしゃいました。沖縄等米軍基地問題議員懇談会の、私の前の会長が鳩山先生です。鳩山先生が総理大臣になられて、「川内たのむぞ」といわれて会長を引き受け、基地問題にとりくんできました。
 総理のお気持ちは、いまでもグアム・テニアンであると私は信じています。しかし「2+2」の共同声明には、辺野古という文字が書き込まれました。私の地元である、徳之島の地名も明記されました。私は民主党鹿児島県連の代表を務めています。その私に対して、今日、この時に至るまで、政府から何の相談も報告もありません。手続きが違っているのではないか、考え方が間違っているのではないかと思います。

 米国は、米国の世界戦略の中で、沖縄にいる海兵隊を、2014年までにはグアム・テニアン移す方針です。その方針は着々と進んでいます。先日、グアムと北マリアナの両知事にお会いしてまいりました。両知事とも、「沖縄の海兵隊を喜んで受け入れます」とおっしゃっていました。その内容を親書にしたためていただいて、総理にもお渡ししました。
 アジア太平洋地域の中で、「地元合意」がある唯一の地域が、グアムとテニアンです。なぜそこに、海兵隊を移駐していただけないのか、私は理解ができません。しかし皆さん、「2+2」の共同声明は変更可能です。いくらでも変えることができます。法的拘束力のある、国際約束ではありません。さらに、日米安保条約や日米地位協定の中には、米軍が使用する施設や区域については、日本国政府が協議を持ちかければ、米国政府は誠実に応じなければならない――という趣旨の条文が規定されています。今回の「2+2」では辺野古と徳之島を明記しましたが、辺野古でも徳之島でも、基地建設ができるはずがありません。絶対に無理なのです。であれば、もう一度米国と協議することになるのは、自明の理です。

 昨日私たちは、国会議員181人の仲間とともに緊急声明を発表し、首相官邸への申し入れをいたしました。「普天間飛行場について、将来、国外・県外移設を実現する、連立与党・政府の基本方針を策定することを求めます」という内容です。閣議決定の中に、「国外・県外」という方針を明確に書き込むように、要請しました。
 いままで総理は、「国外・県外移設」を、総理自身の個人的な発言としておっしゃっていました。しかし政府の文書には、「国外・県外移設」という言葉は一切入っていませんでした。政府方針には、正式には「国外・県外移設」はなかったのです。ですから、岡田外務大臣や北澤防衛大臣は、最初から、「国外は無理だ」ということで、全然検討を行いませんでした。外務省・防衛省の官僚はもとより、担当閣僚もそうした姿勢だったのです。
 それではよくない。「国外・県外」をしっかりと政府方針にすれば、官僚も大臣も、政府方針に縛られ、それに従って交渉しなければならなくなる。
 いま福島みずほ大臣のがんばりの中で、閣議決定がどのようになるのか、注目されるところでありますが、「国外・県外」が入っているのかどうかが、今後にかかわると思います。万が一、入っていなかったとしても、今回の運動を通じて181人の仲間が、グアム・テニアン移設を最善の策であると支持をしてくれました。私の事務所に来る、電話・FAX・メールも、「あなたの説明を聞くと、グアム・テニアンへの移設が可能であることがよくわかった。あなたの政策を支持する」というものがたくさん来ています。世論調査でも、海外移設への支持が半数あります。
 私たちは、絶対にあきらめません。どんなことがあっても、皆さんと力を合わせて、これまで沖縄県民の皆さんが大変な思いをしてこられたことを解消しなければなりません。私は、沖縄県民の皆さんに申し上げたのです。同じアメリカでも、沖縄に置くのは海兵隊ではなく、ディズニー・ワールドがいい。キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン、ものすごくいい場所にあるのです。ビーチがあり、広大な土地があり。ここにミッキィーがいれば、アジア太平洋地域の、平和と友好の島になるでしょう。地政学的には沖縄はいい場所にありますから。そういう沖縄を作るために、皆さんと一緒にがんばりたいと思います。

 この間、安全保障の専門家や評論家が、「地政学」や「抑止力」などの専門用語を使って、煙に巻こうとしてきました。しかしそうした言葉は、ごまかし・でたらめであることが、国民の皆さんに浸透してきたと思います。いよいよ、沖縄県の皆さんが基地の負担から解放されて、豊かさとゆとりを感じることができる方向へ踏み出すことができる時期がやってきていると思います。
 皆さんは、「鳩山は、辺野古はダメだと言いながら辺野古に戻して、本当にダメなやつだ」とお思いかもしれません。私は鳩山さんと、ずっと一緒にやってきました。許してください。私がお詫びをします。だけれども、鳩山さん以外では、ここまでできなかったのです。鳩山さんががんばって、これだけ大きな問題にしたのです。今回の5月末の結論は、こうでした。しかしここからスタートして、皆があきらめなければ結論は出るのです。結論が出るまでやり続けることができれば、勝ちなのです。「お前たちのいうことは信用できない」ということもあるでしょう。ぜひ、行動を見ていてください。どんなに批判を受けようと、怒られようと、全力でがんばります。本当にすいませんでした。


●服部良一さん(社民党 衆議院議員) 
 

 皆さん、こんばんは。日米合意のその日の夕方に、こうして集会を持つことになりました。皆さんのご努力に心から敬意を表します。
 本日は午後6時から基本政策閣僚委員会が開催され、6時30分には安保会議、6時40分から閣議、7時からは鳩山首相の記者会見です。恐らく今の時刻には、福島大臣の罷免が決まっていると思います。非常に残念です。私たちは川内さんたちと一緒に、鳩山政権に誤った選択をしてほしくはないという気持ちで、活動してきました。政権与党の一角を担う立場で、「結局は沖縄」という政策しかできなかったことに、率直にお詫びしなければなりません。しかし私たちは絶対にあきらめることなく、断固として闘っていく決意を申し上げます。
 社民党に対しては、二言目には「政権を離脱するのですか、しないのですか」とばかり聞かれます。しかし、「そんなに簡単な問題ではないでしょう」と私は言いたいのです。鳩山さんが沖縄に行ったときに、自民党の県議会議員まで座り込んで、「沖縄は全会派で反対だ」といったのです。自民党から共産党まで「いらない」というのであれば、海兵隊の基地は国外に持って行ってもらったらいいのです。これは単に、社民党が政権を離脱するかどうかという小さな問題ではない。沖縄対ヤマトという問題になるかもしれません。また国民の70パーセントが、安保条約や米軍駐留を必要だという。しかし自分のそばにはいらない。この状態をどうするのですか。この機会に、安保条約に関する議論を深めて欲しい。社民党としては沖縄の世論、地元の立場に立って、活動を続けてまいりたい。
 いろいろとご心配をおかけしますが、皆さんと固く手をとって、がんばります。また川内さん達のこれまでの活動を見てきました。与党の中で、政府と異なる意見をいうことは非常に大変です。そうした民主党の皆さんとも一体となってがんばります。そうして結局は、国会がどうしようもない時は、大衆運動なのです。あきらめずに沖縄の皆さんと連帯して、がんばっていきましょう。


●斉藤つよしさん(民主党 衆議院議員)


 こんばんは。衆議院議員の斉藤つよしです。怒りは、率直に表に出しましょう。そうして、その怒りを受け止める政治を作らなければならないということが、私たちの思いです。また仲間をもっともっと増やしましょう。私たち国会議員も、より一層努力をいたします。その上で、本当の相手は誰なのかを、しっかりと見据えていこうではありませんか。そのことが、皆さんと私たちが一緒になった闘いの蓄積であり、そのことを無にしてはなりません。
 昨晩遅く、川内議員や瑞慶覧議員と一緒に官邸におもむき、181名の署名を提出しました。大変な重みがあると思います。私たちにも責任があります。受け止めた鳩山政権の側にも重みがあります。これを生かしていきたいと思います。ともに最後まで、粘り強くがんばりましょう。ありがとうございました。


●近藤昭一さん(民主党 衆議院議員)


 みなさん、こんばんは。民主党衆議院議員の近藤昭一です。沖縄等米軍基地問題議員懇談会で、事務局長を務めています。私たちはもちろん、基地や軍事力は、どこにもある必要はないと思っています。ただ今の時点で考えることは、辺野古には絶対に基地を作ってはならないということです。
 あの美しい自然を潰して、なぜ基地を作らなければならないのか。軍事力や力を、「平和のため」という人がいます。そうした側面があるとしても、辺野古に作る必要はありません。
 昨日、官邸にまいりまして、181名の署名で、県外・国外移設を政府の方針にするべきと申し入れをしてきました。私たちは最後まで絶対にあきらめない。私たちの気持ちも、沖縄の人たちの気持ちも、辺野古では絶対にだめだといっているのです。だめだといっているのに、なぜ作るのでしょうか。地元とも合意、日米の合意、3党の合意が必要といってきたはずです。それがそろわなければ、だめなのです。辺野古ではだめ、国外移設、軍備はいらないということで、皆さんといっしょにがんばっていきます。ありがとうございます。


■発言
●和田春樹さん(東京大学名誉教授)


 今日は、大変残念な日になりました。鳩山首相は就任以来、「最低でも県外」と発言されて、これまでの方針を改める方向で努力なさった、挑戦をされました。しかしついに、日米の実務者の話し合いの結果が発表になって、その後で日本の政府の方針が決められるということになりました。誠に残念な結果です。アメリカというものはやはり、全てを決定する力を持っているということが、私たちにのしかかってきています。そういうことを感じます。
 しかし、この間のさまざまな議論を通して、沖縄県民の「普天間も辺野古もだめだ」、「これ以上基地は作らせない」という意思が、非常に強固に固まっている。そうして徳之島の島民もまた、そのことに呼応している。アメリカはこの日本の国民の力を、甘く見てはならない。そういう風に思います。従って、この方針は、撤回される以外にない。
 私は本年1月18日に発表した第1の声明と、4月23日に発表した第2の声明の発起人を代表して、あいさつをさせていただきます。
 昨年、この声明を考えるにいたったのは、この問題が沖縄のみの問題として報じられ、鳩山首相がこの問題で日米関係を危機にさらすかのように報じられていたからです。この問題は、本土の人々が、自分たちの問題として考えなければならないということが、私たちがこの声明を準備した理由であります。私は95年に沖縄で悲劇的な事件が起きた時に、「沖縄の基地は本土に移転するほかはない」と琉球新報に書いたことがありました。また昨年に名護市でシンポジウムがありました時に、私は「横田基地への統合を真剣に考えてもらいたい」と考えていました。そのシンポジウムでお目にかかった宮本先生を中心に、声明を出すことにいたしました。私たちの声明の中心は、第1点には、普天間基地は閉鎖しなければならない、辺野古に新しい基地を作ることは許されないということです。
2点目には、アメリカは日本政府に対して圧力をかけてはいけないということです。記者会見の時に、「日本はいまや、アメリカの属国から解放されなければならない」と絶叫されたのは宇沢弘文先生でした。
3点目は、本土への移転、県外移転を真剣に考えるべきだということです。本土への移転を、みんなが考える。考えた末に「できない」という結論に至るのであれば、海兵隊の基地を置くことはできません。そういうときに初めて、日米安保と自分たちの関係を真剣に考えるのではないか。50年経った日米安保を、考える時が来ているのではないかと、やんわりと指摘したわけです。

その後、事態は一向によくはなりませんでした。シュワブ陸上案や勝連半島案などが出てきました。非常に私たちは憂慮し、再び声明を発表することにいたしました。
第2の声明では、「県外移転を検討したか」を問題にしました。そのときにはすでに、徳之島で集会が開かれることになっていました。徳之島の町長さんの1人は、「徳之島は絶対反対だが、沖縄にも基地は置いてほしくない。鳩山首相には軍縮を考えてもらいたい」と述べました。そうした非常に高度な意見だったのです。
徳之島が反対であれば、日本の中では他に受け入れる場所がないことを示しているのではないでしょうか。そうしたことになると、日本には海兵隊の基地を置くことはできません。海兵隊の存在なしに、日米安保も考えていかなければならない。つまり海軍と空軍のみで、日米安保を考えるようにしなければならない。それでもし、不都合なことが起こったとすれば、外交手段によって不都合なところを補う。そういう風に考えました。
第1の声明も第2の声明も、記者会見を行いました。発起人は13人が集まりました。しかし取材に来た記者は、琉球新報・沖縄タイムス・共同通信だけでした。ところがインターネット上では、第2の声明には3000人を超える人が賛同をしています。

海兵隊の存在理由については、さまざまなことがいわれています。北朝鮮が崩壊する時に、北朝鮮の核兵器を処理するのに海兵隊が必要だとの意見があります。また尖閣列島を中国の侵略から守る時に海兵隊が必要だといいます。昨今は、北朝鮮の攻撃による、韓国海軍艦船の沈没がありまして、鳩山首相は飛びつきました。しかし、このことは慎重に考えていかなければなりません。東北アジアの平和を考える中で、我々はどうあるべきかを慎重に考えなければならないのに、たまたま起こったよくわからない事件を利用して、自分の決定を押し通す態度が見えることは誠に残念です。
いずれにしても問題を国民的なレベルで、包括的に考えることが必要です。そして最終的には、沖縄と徳之島の人々の抵抗に強い確信を持って、その人々と共に一緒に闘っていかなければならないと思います。


●平良誠さん(沖縄平和運動センター 自治労沖縄県本部)


 みなさん、こんばんは。沖縄からこの集会に参加しました、沖縄平和運動センターの構成団体である自治労沖縄県本部の平良誠です。この同じ時間、沖縄でも集会が行われています。先ほどメールが入りましたが、大雨の中で続々と人々が集まっているとのことです。
 本日、これほど多くの方々がこの集会に参加していることに、また民主党・社民党の多くの国会議員の皆さんから連帯のあいさつを受けたことに、本当に心から感謝しています。
 私たちが沖縄で訴え続けてきたことは、「米軍基地を本土に持っていけ」ということではありません。沖縄では普天間に限らず多くの基地があります。私は四方を基地に囲まれたような、浦添市で生活をしています。ですから大人になるまで、基地の存在を「おかしい」と感じたことがありませんでした。それでも年を重ねて、東京をはじめ日本全国を訪れるようになって、「なぜ沖縄にだけこれほどの基地があるのだ」と感じるようになりました。
 「辺野古の海に基地を作らせない」と、多くの方々がおっしゃっています。辺野古の、あの美しい海を壊してまで基地を作るということは、本当に許せません。普天間基地問題を考えるときに、どこに移せばいいのか、ということだけが議論になってきました。1996年のSACO合意以降、アメリカの言いなりになって、日本国内・沖縄県内に移すという1点に絞って議論されてきました。そして自民党政権は、辺野古の海を埋め立てる画策をしてきました。そのことに対して、辺野古のオジーやオバー、また全国の仲間の皆さんの支援によって、一度は計画を白紙に戻すことができました。それでも小泉政権下で、現在の辺野古案が作られました。
 どうにかこれを変えなければならない。沖縄がこれ以上の基地負担を受け入れることに「NO」と言おう。その思いが高まってきたと思います。
 私も時々、辺野古のテント村を訪れて、座り込みをしている方々と話をします。そうすると、「この土地に基地を作らせない」という思い、満ち溢れています。絶対にあきらめない。「結局は作られるのでは」という思いは、微塵も感じません。自分たちの力で絶対に阻止するという思いに溢れています。

 ゴールデンウェークのさなかに、鳩山総理が沖縄を訪れました。「沖縄に負担をお願いするかもしれない」といいました。その時には、「総理、違うでしょう、沖縄の声を聞いてください」という趣旨で、県庁前で総理を出迎えてアピールしました。それから1月も経たないうちに鳩山総理は沖縄を再訪しました。その鳩山総理が同じ口でいったことは、自民党が作り民主党が否定してきた案に戻ることでした。「辺野古に基地は作らせない」、「最低でも県外」といってきた鳩山総理の思いを感じることはできませんでした。5月4日には「鳩山首相、民意を受け取れ」と投げかけた言葉が、23日には怒りの声に変わっていました。でも私たちは、まだまだあきらめてはいません。二転三転する政府の方針に対して怒りの声を上げることは、決してあきらめではありません。総理が何を言おうと、日米政府が何を合意しようと、私たち沖縄に住む人間の辺野古に住む人たちの思いを無視して基地を作ることはできないし、1本の杭も打つことはできないと思っています。この場にお集まりになった皆さんも、同じ思いであるとおもいます。誰一人として、沖縄に同情して集まってきたわけではないでしょう。

 私自身、沖縄の地で平和運動に携わって日は浅いのですが、絶対にこれ以上、基地を作らせたくない。減らすことはあっても、作らせることはない。ぜひ皆さんと一緒になって、沖縄に基地を作らせないこと、皆さんのすんでいる場所にも普天間の代替施設を作らせないこと、これ以上の米軍基地を日本には作らせないことを願っています。
 明日には私も沖縄に戻ります。一から運動を作り直さなければなりません。今日、この場で発言をするまでは不安な思いもありました。しかしこの場で多くの皆さんの話を聞いて、決して無力ではないことを感じました。国会議員の皆さんの活躍にも期待しながら、しかし政治家任せではなくて、沖縄県民がしっかりと踏ん張って、抵抗していきます。皆さんの思いを受け取って、絶対に基地を作らせない思いを持ちかえって、明日からの運動につなげたいと思います。ありがとうございました。


■参加団体アピール
●外間三枝子さん(沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック)
 4月26日、この会場には、あふれんばかりの人々が集まっていました。4・25県民集会の大成功を受けて、沖縄から来た人々を含めて集まっていました。
 関東ブロックはいまから30年ほど前に、沖縄の反戦地主を支援するために立ち上げた組織です。私たちは3月から、毎週金曜日の6時30分から、首相官邸前で抗議行動を行っています。本日も最後の抗議行動を行っています。そういうわけで、私が代表してうかがいました。
 この間、あまりのことに、悲しみを覚えています。私の知っているウチナンチューは、「心が石になった」と言っています。「もう何も期待をしないし、私たちは私たちで闘わなければいけない」。会う人、会う人、皆がそう言います。でも、その石の心を溶かすのは、本気で沖縄から基地を無くしたい、本気で沖縄のために闘っていきたいという、この場にいらっしゃる人たちです。今回のことも、悲しみを乗り越えて、孤立を恐れずに連帯を求めて、今日、この場所から再び闘いを始めたいと思います。ぜひ、本気で連帯してください。以上です。


●野平晋作さん(「沖縄に基地はいらない」全国同時アクション)
 皆さん、お疲れ様です。野平です。普段はピースボートで活動をしています。本日は、沖縄に基地はいらない全国同時アクションのメンバーとして発言します。
 私はこの問題に取り組むにあたって、2つのことを意識しています。1つは、沖縄の基地問題は本土の問題であることを、本土の中で常識にしていくことです。いま問われているのは、私のような本土に人間に、沖縄に基地を押し付けてきた、沖縄差別の状況を今後も続けるのか、これから改めるのかが突きつけられている。そう思っています。例えばテレビの「朝ズバ」で、みのもんたさんが、「沖縄の基地問題は日本の問題だ」と言っています。本土の問題だと認識したら、沖縄に基地を作るという選択肢は無くなるからです。
 そうした思いから、4月25日の沖縄県民大会に合わせて、東京の明治公園では、キャンドルで「NO BASE OKINWA」という文字を皆で作りました。また全国同時アクションとして、各地で沖縄に連帯する行動が行われました。
 もう1つは、普天間の代替施設を沖縄に作らなければ日米関係に支障をきたす――という意見に対して、決してそんなことはないということを訴えることです。
 JYCOというネットワークをつくり、米国のワシントンポスト紙に意見広告を出しました。意識したのは、米国の市民にもお金を集めてもらって意見広告を出したことです。米国の市民にも、そうした世論があるのです。アメリカと言うと、ワシントンの声だけに耳を傾けがちですが、そうではない声があるのです。沖縄に代替基地を作らなくても、日米関係は悪くならないという米国の声を、日本にフィードバックさせることを目的にしました。また日本に住む米国人を集めて沖縄にいくスタディーツアーを組み、これ以上基地を作ってほしくないというアメリカ人の声を日本社会に伝えていこうと思っています。
 沖縄も反対、徳之島も反対という中で、海兵隊を受け入れる地域はありません。この運動を続けることによって、安定的な基地は日本のどこにも作ることができないということが、はっきりしてくると思います。
 私は、「抑止力とは何か」ということを問い直す運動が必要であると考えています。また同時に、私たちのビジョンを、明確に示すことも必要です。鳩山さん自身も、「東アジア共同体」を主張していたのです。「鳩山政権のお手並み拝見」のような世論を変えていって、世論がビジョンを示すことが重要なのです。
 例えば、こんなことはできないでしょうか。「東アジア共同体にYES」キャンペーンです。いくつかのスローガンを作りました。「東アジア共同体にYES。米軍基地はもういらない」「東アジア共同体にYES。過去清算はその礎」「東アジア共同体にYES。日朝国交正常化はその前提」「東アジア共同体にYES。永住外国人に参政権を」。
 同じようなビジョンを共有していることを、政治に任せるのではなく、私たちのほうから提言して、ビジョンを示す中で沖縄に基地はいらないことを示せると思います。ともにがんばりましょう。


●土井登美江さん(WORD PEACE NOW)
 今日、お集まりの皆さんも、私自身もそうですけれど、辺野古や高江で闘っている方々と交流していますよね。しかし、鳩山政権ができてからの8か月、防衛省前の行動や官邸前の行動を行いながら、だんだんと考えが変わって来ました。それは、私のかかわり方が、「連帯」や「支援」であったことです。でも行動を続けながら、「これは私の問題」と感じるようになったのです。いま私たちに問われているのは、そういうことだと思います。
 辺野古・普天間の問題を沖縄に任せるのではなく、私たちの問題として「いいのか」ととらえていく。そうした時ではないかと思うのです。
 もう一つは、日米安保の問題です。日米安保の改定から50年です。その前から戦後65年間、ずっと米軍基地があるのです。それはいったい何なのだろう。香港が返還されました。イギリスと中国が結んだ香港の協定は99年です。それを考えても、65年は長すぎるでしょう。
 昨年、日本の有権者は、選挙で意思を表しました。これからは選挙でなく、いろいろな場で行動し、発言していく。そうしたことを、私たち自身の問題として行っていく必要があると、強く感じています。そうした8か月だったのです。
 今日、私たちの事務所に電話がありました。今日の集会の内容・様子を知りたいという電話です。緊急に持たれた集会ですが、全国から注目されています。「沖縄の問題は私のこと」と考える人が増えていきます。そうした状況のなかで、今日の集会が開かれているのです。
 主権者は、投票するだけではありません。行動し、発言する、私たちが変わっていくことが大切だと思います。今日5月28日を、普天間問題の最終日ではなくスタートの日に、東アジアに平和を作っていく日にしたいと思っています。


●小原慎一さん(神奈川平和運動センター事務局長)
 今日の結論は残念だし、怒りがこみ上げてきます。「最低でも県外」と言ってきた鳩山さんですから、そこに達しないことをどうとらえればいいのか。沖縄の民意は明確ですし、揺るぎがないものです。その民意よりも、安保条約のほうが重要であるという決断をしたということです。これでは自民党政権と変わらないといわれてもしかたない。安保と日米関係に踏み込まない決断は、沖縄に負担を押し付けることにしかならないのです。
 もともと安保条約にどのようにアプローチしているのか。3党合意には、沖縄の負担軽減の観点から地位協定の改定を提起すると書いてあります。この時点では、負担軽減のためには地位協定の改定が必要であるとしていたのです。どうして、全く逆の結論が出てくるのでしょうか。
 鳩山首相が最近、「抑止力の必要性を学んだ」といっています。沖縄の歴史、大和の対応、沖縄の現状、民意の重さを、もっと深く学んでほしいと思います。政権はそうあるべきだと思います。
 日本国憲法と安保条約は矛盾したものです。自民党政権はそのことをずっと、国民の目に触れないようにしてきました。隠してきたのです。そして沖縄や神奈川など、米軍基地を抱えている地域では、日常的に矛盾が噴出してきています。
 横須賀ではあと2年で、空母の母港化から40年になります。受け入れ当時、政府は、空母の母港は3年程度といっていました。それが40年です。
 空母艦載機の爆音で、厚木基地周辺の住民は苦しめられ続けています。憲法の言う基本的な人権が侵害されているのは明らかです。
 政府がこうした決定をするのであれば、私たちは大衆運動で政府を動かしていく、あきらめずに運動を展開していきたいと思います。


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