普天間基地の即時閉鎖と辺野古新基地建設の断念を求める緊急集会
450人が基地撤去で決意を固める

日時:2009年10月22日18:30〜
場所:星陵会館ホール


 10月22日・23日の両日、沖縄県から「基地の県内移設に反対する県民会議」の代表団が上京しました。沖縄県では9月18日に「普天間基地の即時閉鎖・辺野古新基地建設反対!9・18県民集会」が開かれましたが、その時に採択された決議を、政党や関係省庁に手渡すことが代表団の目的です。代表団は、10月22日の午後には、社会民主党・日本共産党・内閣官房に、また23日には外務省・防衛省に要請を行いました。
 22日の夜には国会そばの星陵会館で、「普天間基地の即時閉鎖と辺野古新基地建設の断念を求める緊急集会」を開催し、沖縄と本土、国会議員・自治体議員と市民・労働者の連帯で、基地撤去をめざす決意を固めました。以下は、この集会での発言を要約したものです。


■経過報告
●山城博治さん(県民会議事務局長・平和運動センター事務局長)

 私たちは本日午後3時から社民党本部に伺い、重野安正・幹事長、照屋寛徳・衆議院議員、山内徳信・参議院議員に要請を行いました。4時からは国会内で、日本共産党の市田忠義・書記局長、穀田恵二・国対委員長、仁比聡平・参議院議員に要請を行いました。また5時からは首相官邸を訪れて、松野頼三・内閣官房副長官に要請をさせていただきました。副長官からは「皆さんの意向をしっかり受け止める」という発言をいただきました。是非とも日本政府が私たち沖縄の思いを受け止めて、普天間基地の閉鎖と辺野古新基地建設を断念するようにしていただきたいと思います。明日は、防衛省と外務省への要請を行います。
 今回の要請団には、県議会の3会派から代表が参加しています。社民党の照屋大河さん、共産党の嘉陽宗儀さん、民主党の上里直司さんです。名護市議会からは、東恩納琢磨さん、具志堅徹さんが参加しています。また平和運動センター、統一連、平和市民連絡会、ヘリ基地反対協からも参加しています。18名の上京団です。県民から託された決議書を、それぞれの省庁、それぞれの政党に、しっかりと受け止めてもらえるようにがんばります。
 米国のゲーツ国防長官が訪日し、日本政府に対してかなりきつい要求をしているようです。私たちは64年間、米国の基地を押し付けられて生活してきました。いまこそが、沖縄の米軍基地を大きく、大きく動かす絶好の機会だと考えています。
 11月8日には、数万人規模の県民大会を開催して、来日するオバマ大統領に県民の不動の決意を伝えたいと考えています。その折には、東京の皆さん、全国の仲間のみなさん、沖縄に声援を送ってください。私たちが不退転の決意で、この秋、この問題に結論を出さなければ、あと5年、10年、20年と大きな苦しみを背負うことになります。だからしっかりと結論を出す。その沖縄の闘いへの連帯をお願いします。がんばりましょう。


■県議会からの報告
●照屋大河さん(社民党)
 皆さん、こんばんは。東京の地で、これほど多くの皆さんがお集まりいただいたことに、心より感謝を申し上げます。社民党県議会議員の照屋大河です。
 さる10月9日、米国のオバマ大統領がノーベル平和賞を受賞しました。沖縄ではこの10月9日は、新たな基地建設を許さないために辺野古での座り込みを始めてから、ちょうど2000日目でした。米国大統領は、沖縄にさまざまな被害をもたらす米軍の最高司令官です。沖縄県民は米軍基地関係の事件や事故、騒音被害などが日々の生活の中にあります。危険な基地と隣り合わせの生活を余儀なくされています。その最たる例が普天間飛行場です。米国ですら「欠陥飛行場」と呼んでいるのです。駐留するヘリコプターや飛行機は、住宅地の上空を飛ばなければなりません。ノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領は、沖縄の現実をどのように見るのでしょうか。この受賞を機会に、戦後64年も続く沖縄の過重な基地負担の解決に、眼を向けてもらいたいと考えます。
 昨日のゲーツ国防長官の発言に対して、沖縄は大変に怒っています。米国がああいう発言をするのであれば、日本政府も米国に対してしっかりと向き合ってもらいたい。今日のこの集会の熱意を沖縄に伝えて、11月8日の県民大会につなげていきます。沖縄米軍基地問題の解決に、皆さんの力を貸してください。よろしくお願いします。


●嘉陽宗儀さん(共産党)
 日本共産党の嘉陽宗儀です。新しい政権が誕生しました。沖縄県民は、新しい政権が沖縄県民の抱えている苦難解決のために大きな力を発揮してくれると、大きな期待をしていました。ところが政権発足から1か月、最初は沖縄県民の声を聞いて、米国にしっかりとモノを言ってくれると思っていましたが、いまは総理を含めて沖縄県民の意向を見極めたいと言っています。沖縄県民の影が薄くなって、米国の意向の方が大きくなっているのではないでしょうか。私は、沖縄県民の思いはぶれることなくはっきりしていることを申し上げたいです。
 昨年6月の沖縄県議会選挙では、48議席のうち野党が26議席を占め、過半数を制しました。そこで野党の代表が集まって、投票結果に県民が託した願いをしっかり示そうと県議会決議を上げました。
 私は県議会で米軍基地関係特別委員会に所属しています。普天間基地で使用しているCH−53ヘリは、製造から40年が経過し金属疲労を起こしていて、いつどこで墜落するかわからないのです。いつ落ちるかわからないものが、市上空で訓練しているのです。そうしたこともあって、普天間基地の閉鎖と辺野古新基地建設反対で、沖縄県議会で初めて野党多数で決議を上げました。
 しかし日本政府には、まだまだ沖縄県民の意思が伝わっていないようです。そのため、鳩山―オバマ会談の前に、沖縄県民の明確な意思を示すために11月8日に数万人規模の県民大会を行うことになりました。成功のために全国の皆さんの支援をお願いします。
 沖縄の基地問題は、日米安保体制、日米軍事同盟の大きな要です。沖縄県民だけではなく、日本が独立国家として、対等平等にモノが言えるかの問題です。力を合わせてがんばりましょう。


●上里直司さん(民主党)
 皆さん、こんばんは。民主党県会議員の上里直司です。民主党・沖縄県連は、辺野古に新しい基地は作らせないという思いでがんばってきました。皆さんの中にも、いまの民主党政権の姿勢がわからないという声があることを、十分に承知しています。先ほども嘉陽議員からいろいろ発言がありまして、私も肩身の狭い思いをしております。しかし気持ちは、全ての政党や市民団体の皆さんと手を携えて、絶対に辺野古に新しい基地は作らせないという思いです。
 総選挙の結果、民主党を中心にした連立政権が誕生しました。また昨年6月には沖縄県議会で、野党が多数派になりました。その県議会で、辺野古新基地建設に反対する決議を上げました。
 防衛大臣とゲーツ国防長官の会談がありましたが、北澤俊美・防衛大臣も県議会の逆転、沖縄の民意について触れています。今朝のテレビでは岡田克也・外務大臣も、県議会の多数が沖縄の民意と発言していました。総選挙では4つある小選挙区の全てで、新基地建設に反対する候補者が当選しました。いままで自民党を支持してきた人ですら、やはり変えよう、基地を作らせないという雰囲気になっています。
 沖縄県民の未来を決める主体的な立場が問われています。その意味で9月議会では知事に対して、いまこそ知事の態度を変えて県外移設を訴えるべきだと主張してきました。残念ながらいまの知事は、政府の姿勢がわからないから、私も立場を変えられないと言っています。大変、残念なことです。しかしその知事も含めて、県民世論を盛り上げて、沖縄の未来を決めるのだ、沖縄のことは沖縄で決めるのだという闘いを進めて行きたいと思います。
 来月8日に行われる県民大会、私たち民主党も全力でがんばります。ともにがんばりましょう。


■名護市議会からの報告
●東恩納琢磨さん
 こんばんは。みなさん、さまざまな支援、ありがとうございます。
 東京に来て、政権が変わったことを実感しました。各政党の皆さんが、積極的に沖縄の問題を取り上げてくれることに、心強く思っています。しかし政権交代に乗れない人たちがいます。官僚の皆さんです。官僚の皆さんは、「国際条約だから」、「約束だから」、「守らなければいけない」と言っています。しかし政権が変わると言うことは、そうしたことも見直すということです。官僚に対して沖縄のことをもっと伝えなければならないと実感しました。
 沖縄にいると毎日のように基地の問題が報じられますが、こちらでは論調が異なるのを感じました。全国紙の読売新聞の記事ですが、1997年に当時の市長であった比嘉鉄也が苦渋の選択で基地の受け入れを表明したという記事が載っていました。沖縄では考えられません。こうした記事を見ると全国の皆さんは、「沖縄は基地を受け入れている」と思ってしまうでしょう。
 しかしきょう、ここに集まった皆さんは、沖縄は基地を受け入れていないということを理解してくれて、ここにいるのだと思います。本当にありがとうございます。辺野古にヘリ基地を作らせずに、ジュゴンの保護区を作りたい。そのために一緒にがんばりましょう。
 きょう、ヘリ基地反対協の作ったパンフレットを配っています。その写真を見てください。ジュゴンが住み、青サンゴが発見された豊かな大浦湾を、基地建設のためにつぶしていいのでしょうか。この建設を行えば、日本はアジアから世界から非難されます。そんな日本に住みたくはないでしょう。大浦湾をジュゴンの保護区にすることに、沖縄の未来が、日本の未来があるのです。そうした思いは、米国の保護団体も持っています。こうした米国の保護団が、オバマ大統領に手紙作戦を行うそうです。
 ノーベル平和賞をもらったオバマ大統領には、辺野古に基地を作ることはできないはずです。もし基地を作るなら、私たちがノーベル平和賞を剥奪しに行きましょう。


●具志堅徹さん
 飛込みで急遽、参加することになりました。具志堅徹です。辺野古では「平和丸」の船長をしています。「平和丸」は13年の間、さまざまな調査活動を行ってきました。支援で辺野古を訪れた人々、マスコミの皆さんなど、さまざまな人を乗せて海を見てもらいました。この間に多くの皆さんにお世話になりました。本当にありがとうございます。
 来年2010年には、生物多様性の国際的な会議が名古屋で開かれます。日本政府の果たす役割はとても大切な状況です。また来年は安保締結から50年です。いろいろな意味で命も変われば政治も変わるときです。そうした思いで闘いを行っています。
 名護市長は思考停止状態で、自分の意思を発信できずに、県のいいなり国のいいなりです。名護市長選挙と県知事選挙で私たちが勝って、政治的な変化を作らなければなりません。私たちもがんばるし、皆さんにもお力を貸していただく、連立政権にもがんばってもらう。そのためには米国と対等に独立国として発言してほしいと思っています。
 一緒にがんばりましょう。



■政党代表あいさつ

●平岡秀夫(民主党・衆議院議員)
 皆さん、こんばんは。民主党衆議院議員の平岡秀夫です。「なぜ平岡が民主党代表あいさつ?」と思う人もいるでしょう。せっかく政権交代が実現したのですから、私もこの問題を政府の一員として米国と交渉する、そうした役割を担いたいと思っています。しかし党内事情もいろいろありまして、そういきません。政党を代表するほどの立場ではありませんが、気持ちだけは皆さんにお伝えしたいと思っています。
 私の出身は山口県の岩国市です。岩国にも米軍基地があります。今回の米軍再編では、現在は神奈川県の厚木基地に配備されている空母艦載機約60機が、岩国基地にやってくることになっています。米軍再編を巡っては、大きく荒れたところです。沖縄県民の皆さんほどではありませんが、同じように米軍基地問題に苦しんできた地域の議員としてお話をさせていただきます。
 今回の総選挙で民主党は、在日米軍基地のあり方、米軍再編のあり方について見直しの方向で臨むというマニフェストを掲げました。なぜこのマニフェストを掲げたのか。基地を抱える地域の皆さんの票がほしくて、このマニフェストを掲げたわけではありません。米軍再編に関して、自公政権の下で進められたやり方には、大変腹が立ちました。地元の意見は聞くことなく、日米政府が全てを決めてしまう。その結果を「アメとムチ」で押し付けてきた。それが自公政権の下での米軍再編です。そうした怒りを多くの人々が共有して、政権交代につながったと思っています。
 では民主党政権で何が変わるのでしょうか。岩国の問題では、私も防衛大臣や外務大臣と直接会って、さまざま意見交換しました。米軍再編に関する前政権のやり方は、民主党政権では絶対にありえない。このことだけは、皆さんにお約束できると思います。
 しかし、「やり方がおかしかった」というだけで、この問題を終えてしまうわけにはいきません。日本国民の皆さんは、米軍再編を望んでいるのでしょうか。基地周辺住民の皆さんが望んでいるものなのか。そのことを確認しなければなりません。そのことを民主党政権はしっかりとやらなければなりません。果たしてそれができるのか。民主党の政権が試されているのだと思います。
 ゲーツ国防長官は、なぜあれほど強く、見直しを認めない発言をしたのでしょうか。そのことを深く考えています。米国はまだ、進駐軍として日本にいる意識から離れていないのではないでしょうか。新しい民主党政権は、国民の声、住民の声を受け止める政権です。米国の意識を変えていかなければなりません。ゲーツ国防長官の発言に反論ができていないことに、私は残念に思っています。この気持ちは皆さんも同じでしょう。私が政権の中にいて、ゲーツ長官と会談できたら、どんなにか話が盛り上がるだろうと思っています。しかし、党内事情がありましてそういきません。
 ラムズフェルド国防長官は「米軍は望まれないところにはいかない」と言いました。辺野古や普天間で、米軍は望まれていないということを、しっかりと示すことで、この問題は大きく進むのだろうと思います。がんばりましょう。


●重野安正さん(社民党幹事長・衆議院議員)
 みなさん、こんばんは。先ほど座り込みから2000日という話がありました。2000日というのは、大変な数字です。そこに沖縄県民の皆さんの思いが込められていると、受け止めています。沖縄という小さな島に、在日米軍基地の8割近くが集中している。これは異常な姿です。沖縄に行くたびに思います。いいところはみな、基地になっている。米軍基地に対する沖縄県民の思いは、本土の私たちには実感できないものがあると、私は受け止めています。
 連立政権協議の中で、特に沖縄の問題、米軍基地を縮小・撤去する問題を、連立政権の意思として連立合意に盛り込むことを、沖縄の皆さんから強い要望を受けました。
 内容的には、沖縄の皆さんからすれば、もっと具体的に、もっと細かくという思いがあったでしょう。しかし文書に沖縄を盛り込んだこと、憲法を位置づけたこと、そうしたことを踏まえて連立政権合意に署名しました。
 いま鳩山内閣の大臣が、そのことを忘れて発言していいはずはありません。鳩山総理も慎重です。問題は、鳩山総理の考えが揺らがないように、私たちが国会の外で大衆行動を起こし、沖縄の大集会を成功させることです。それぞれの持ち場、持ち場で、精一杯がんばることです。それが政権の選択として私たちが期待する方向での決着へ向かわせることができるのです。
 お互いががんばることをしっかりと確認して、社民党からの連帯のあいさつにします。


●穀田恵二(共産党国会対策委員長・衆議院議員)
 みなさん、こんばんは。日本共産党、国会対策委員長の穀田恵二です。緊急集会にお集まりの皆さんに、心から敬意を表します。
 私はいいたいことが、3つあります。本日、県民会議の皆さんから決議の要請を受けました。その中には3つの項目がありました。日本共産党はこの決議を全面的に賛成し、政治の場で実行するためにがんばります。
 2つめは、県民の意思は明確だと言うことです。「普天間を無くせ」「新しい基地はいらない」、これははっきりしているのです。これをお互いが誠実に、最後まで実行しよう、それにつきるのではないでしょうか。それは何よりも、皆さんが実行してきたことに他なりません。SACO合意から13年、杭1本打たせなかった、この闘いが示しています。ここに未来があることに確信を持ちましょう。
 3つめです。ゲーツ国防長官の発言はけしからない。だいたい日本を植民地だとでも思っているのでしょうか。また本日、辺野古では米軍がパラシュート降下訓練を無通告で行っているようです。そうした事実を組み合わせると、日本が対等平等の関係ではないことがわかります。そうした中でどのような道を選ぶのか、新政権にも問われているのです。
 鳩山さんが「県民の心を尊重する」というのであれば、基地は県外移転するしかありません。私たちも、心を一つにして闘うしかありません。本腰を入れて堂々と、米国に対してモノを言う時期が来ているのです。そのことを確認しようではありませんか。
 私たちはそのためには新政権を後押しするとともに、その根本の問題である日米軍事同盟の廃棄のために闘い抜くことを誓い、あいさつといたします。がんばりましょう。


●辻元清美(国土交通副大臣・社民党・衆議院議員)
 みなさん、こんばんは。辻元清美です。私は2つのことを申し上げたいと思います。
 1つ目は政治の場での闘い、2つ目は大衆運動の闘いです。この2つが連動したときに、はじめて歴史が動くと考えています。
 ここ数年、私は衆議院の安全保障委員会に所属していました。その委員会の場で米軍再編について審議しました。安倍政権の強行採決に対しては、民主党の皆さんと一緒に乱闘しました。「思いやり予算」にも、民主党の皆さんと一緒に反対しました。最近ではグアム移転協定についても、民主党の皆さんと一緒に、問題点と欺瞞点を指摘し反対してきました。また米軍の事件・事故が多発する中で、民主党の皆さんと一緒に、日米地位協定の改定案をまとめました。その延長線上で政権の政策を進めることが私の役割だと思って、今日はやってきました。
 私は鳩山さんにささやくのです。「一緒に沖縄県知事選挙を応援しましたよね」、「最終日に県庁前で演説しましたようね、あの時、なんといいましたかね」とです。また「地位協定の改定案には幹事長として、鳩山由紀夫と署名しましたよね、忘れてないですよね」。いままでの方針を貫く、3党が力を合わせてやっていくことだと思います。
 しかし政治には、いろいろな条件があります。政治の場だけで歴史を動かすのには、限界があります。私はそれを痛感しています。大衆運動とのリンクが大切なのです。11月8日の県民大会を成功させる。米国のオバマ大統領が、「エ!!」と腰を抜かすぐらいに、眼に見える形で表すことが大切です。「沖縄の声を聞け」ということを全国で応援しながら形にしていく。その2つがリンクしたときに、この問題が動いていくと思います。
 私たちの原点は大衆運動です。政権が変わったとはいえ、それだけでは不十分です。大衆運動がその根っこにあって、「アッと驚く11・8」にしていきたいです。教科書問題で11万人の県民大会が開かれたときに、永田町には激震が走りました。私は自民党議員の皆さんに、翌日の琉球新報や沖縄タイムスを見せて歩きました。みんな絶句していました。もう日がありませんが、できるだけ多くの人が参加し、声を上げていく。米国から大統領が来る前に大衆運動の盛り上げを作りましょう。


■運動団体からの報告
●安次富浩さん(ヘリ基地反対協・共同代表)
 安次富浩です。沖縄では、山内徳信さんに続いて話が長いと言われています。きょうは5分とのことで、なんとかがんばります。
 本日は私たち代表団15名が、首相官邸に入ることができました。辺野古の闘い13年の中で、いままで官邸に入れたことはありませんでした。やはり民意が代わって、政権も代わって、官邸も代わりましたねと、「ヨイショ」してきました。それは、私たちの声を大切にして欲しいということです。
 しかしなぜ、これほどぶれるのでしょうか。「寄らば大樹の陰」ですから、地方議会の保守系無所属議員などが民主党入りすることもあるでしょう。民主党に近づいてくる人も増えるでしょう。もう1〜2か月もすれば、公明党が近寄ってくるかもしれません。だから、民主党が揺れる必要はないのです。米国とケンカすればいいのです。それが、沖縄の民意であり全国の民意ではないですか。私たちはこれからも、そのことを訴えていきたいと思います。
 「11・8の集会に行きたい」という声が、日増しに強まっています。最初は「ありがとう」と言っていました。でも少し違う気がします。私たちは沖縄で数万人を集める闘いをやりぬきます。だから皆さんは、東京で、大阪で、全国各地で集会をやってください。なぜ11月8日なのか。それはオバマ大統領が来るからです。私たちの怒りをオバマに届けるために集会を行うのです。日米安保から50年が経つ中で、在日米軍を沖縄から無くしていくために、全国の皆さんが集会を開いてください。それが本当の意味での沖縄への連帯になります。その闘いを一緒にやりましょう。
 沖縄では10月9日に座り込み2000日を迎えました。「命を守る会」はその8年前から闘っています。13年間の闘いを続けています。私たちは、辺野古の座り込みを閉じるつもりはありません。揺れ動いているからこそ、現場の闘いが重要なのです。また民意を反映する政権を、バックアップする必要があるということです。
 沖縄の闘いを取材に、ヤマトから多くのメディアが来ます。私の話を聞いても、使われるのは一部です。そうしてコメンテーターが「いつまでも普天間を放置するのか」「県外移設は難しい」。そういうまとめです。ふざけるなと言いたい。75パーセントの基地を沖縄に押し付けてきたのは、日本政府です。それを放置してきたのは日本の国民です。その被害を受けているのが沖縄なのです。
 沖縄の闘いは、連立政権のサポーターです。欧州や南米のサッカーチームのサポーターは、ふがいないチームに対しては、決起するでしょう。民主党が沖縄問題で自公政権と同じようなふがいない態度をとれば、私たちは決起して闘いぬく。そのことをあえていうために、サポーターといっています。ともにがんばりましょう。


●高里鈴代さん(平和市民連絡会・共同代表)
 私は「沖縄から基地をなくし世界の平和を願う平和市民連絡会」の共同代表です。私たちの会は、2000年のサミットの時に、本当にそのことを願って平和・環境・人権の団体が集まってできました。私たちの目指すものは、沖縄の基地をなくして、他に移すことではないのです。軍隊が小さくなる、協調的な安全保障の関係ができてくる、そうした願いがあるのです。
 そうしたことから、新たな基地を作らせない。ここでピリオドです。他に移っていいということではない。「ここはだめ」の次に「他があるでしょ」となるのは、軍事力が必要なことを認めること、日米関係の中で要求される規模を維持しなければいけないと私たちの頭の中にしみこんでいるのではないでしょうか。
 9月13日から19日までグアムで、米軍基地を抱える国と地域の女性が集まり、会議を行いました。グアムには8000人の海兵隊が移転します。それに対してグアム議会は決議文を採択しました。その中には、グアムが100年余に渡って米軍基地によって苦しんできたという文言が入っています。100年余とは、米国−スペイン戦争で米国が勝って、1898年に米国がグアムを奪います。そのときからのことなのです。太平洋戦争中に3年間、日本に支配された時期がありましたが、その前後、100年間、グアムは米国に支配されていました。グアムでも人々を収容所に入れて、その間にブルドーザーで土を均して基地を作ったのです。沖縄と同じなのです。
 移転先として「グアムがあるではないか」ではなくて、日米軍事再編を本当に見直させて、軍事力そのものを削減していく、日本の政権はそのことを真剣に考えるべきではないでしょうか。また軍事力を背景にした同盟ではない、両国の関係をかんがえるべきではないでしょうか。


●新垣繁信さん(統一連・代表幹事)
 みなさん、こんなに暖かく私たちを迎えてくれて、連帯の気持ちを表明してくれて、本当にありがとうございます。
 みなさん、新しい政権ができて、「沖縄の過剰負担の解消」が言われています。しかしいま、沖縄ではどうなっているでしょうか。かいつまんで報告します。
 沖縄県が発行している『沖縄の米軍基地』という冊子があります。その資料を見ますと、平成15年1月から平成19年12月までの5年間での米軍関連の事件事故が記されています。航空機事故・原野火災を除いた件数は313件です。窃盗・住居侵入・当て逃げ・強盗殺人…。数知れない犯罪が並んでいます。
 航空機事故では241件の緊急着陸があります。しかし原因が明らかにされているのは、9パーセントです。いつどこで飛行機が落ちても、不思議ではないのです。
 われわれ沖縄県民は、土地も空も海も米軍に奪われています。野蛮な米軍の、出撃演習基地の中での生活を余儀なくされています。日本国憲法が掲げる平和的生存権、国連憲章が掲げる民族の独立主権、これが日々奪われる中での生活です。私たち沖縄県民が願っていることは、この矛盾を根本的に解決するために、一歩でも二歩でも前進することです。言葉では「過重負担」といいますが、中身はこうした内容です。普天間基地は宜野湾市面積の33パーセントを占めています。残りの7割の地域に9万人の市民が住んでいます。嘉手納市は面積の88パーセントを米軍にとられています。残りの土地に約1万人が生活しています。
 辺野古の海はどうなっているでしょうか。世界自然保護連合会議が、2000年・2004年・2008年の3回にわたって、世界の宝である辺野古の海を保全するように、日米両国政府に勧告しています。辺野古の海やヤンバルの森は、沖縄県民にとって大切なものです。沖縄のリーディング産業は観光事業です。日本の環境基本法にはこう書かれています。なぜ環境保全が必要か。「国民と将来の国民が健康で文化的な生活を確保するのに資すること」と書いてあるのです。あの周辺は「東洋のガラパゴス」といわれています。世界のガラパゴスはエクアドルにあります。ガラパゴスで人々が足を踏み入れることが許されているのは全体の3パーセントです。一方、東洋のガラパゴスには人殺しの米軍基地が作られています。大浦湾とヤンバルの森を破壊しています。沖縄県民の生存を、将来にわたって破壊しているのです。
 だから私たち沖縄県民は、闘いをやめることなく続けているのです。皆さん、こういうことが世界にあるでしょうか。独立している他国に入ってきて、平和的生存権と独立主権を奪って堂々としている、人殺しの訓練をしている。沖縄だけ、日本だけでしょう。ゲーツが来ていろいろ言っていますが、世界の笑い者でしょう。日本国民は平和と民主主義を掲げて、民族の主権を取り返すまで、団結してがんばろうではありませんか。



社民党への要請


共産党への要請


内閣官房・松野頼三副長官に要請


外務省・武正公一副大臣に要請


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