PAC3ミサイルの霞ヶ浦基地への配備反対。70人が深夜の監視・抗議行動に参加
2008年3月29日 茨城県・土浦市 航空自衛隊・霞ヶ浦分屯地前


 3月29日早朝、茨城県土浦市の航空自衛隊・霞ヶ浦分屯地(陸上自衛隊・霞ヶ浦駐屯地内)に、ミサイル防衛(MD)のためのPAC3ミサイルが搬入されました。これに対して茨城平和擁護県民会議は、川口玉留会長・相良事務局長を先頭に、加盟労組・民主団体が参加して、監視・抗議活動を実施。行動には、関東各地から集まった市民団体の人びとも合流し、総勢70人が、「PAC3の配備反対」「ミサイル防衛反対」の声を上げました。

 茨城平和擁護県民会議や市民団体の関係者は、29日午前2時に、航空自衛隊・霞ヶ浦分屯地に近い駐車場に集合。県民会議会長であり、地元土浦市の市議会議員でもある川口玉留さんから、防衛省から市に対する搬入通告などこの間の流れについての説明と、抗議行動についての提起を受けました。その後、自衛隊駐屯地に向かって移動し、正門前でのぼり旗やプラカードを掲げて、監視・抗議行動を行いました。行動開始から2時間が経過した午前3時50分頃、緑色のトレーラーがこちらに向かってきました。私たちは、「PAC3は霞ヶ浦に来るな」「憲法違反のPAC3の配備反対」と、大きな声でシュプレヒコールを行いました。

 新聞報道などによると、この日搬入されたトレーラーは7台で、うち5台がミサイル発射機、1台がレーダー、1台が射撃管制装置とのこと。PAC3ミサイルの本体は、搬入されなかったようです。ミサイル本体の搬入や、配備されたPAC3部隊の市街地での実働・展開訓練を許さないために、今後も監視を続けていかなければなりません。


右翼団体の襲撃を許さない
 私たちが監視・抗議活動を行うために自衛隊駐屯地まえに移動すると、150人近い右翼団体員が、自衛隊正門前で日の丸を掲げていました。私たちは、正門とは反対側の車線の歩道上を歩いていましたが、数名の右翼が車道を横切って私たちの前に飛び出して歩道を封鎖し、「お前たちを通さないぞ」「かかってこい」などと叫びながら、つかみかかってきました。このときは、周辺にいた警察官が割って入り、私たちは歩道上を進むことができました。

 また行動を終えて解散する際には、反対側の車線を走っていた右翼団体の宣伝カーが、車道を横切って逆走、歩道上にいた私たちの列に突っ込んでこようとしました。

 さらに解散地点そばのコンビニエンスストア前では、10人近い右翼団体員が歩道上に立ちふさがり、私たちの仲間に対して、手をかけて引きずる、殴りかかる、持っていた飲料水などをかけるなどの暴行を働きました。
 このとき、右翼団体の一人が、火のついたタバコを、参加者の一人に投げつけました。参加者は、周辺にいた茨城県警の警察官に対して、直ちにその行為を告発しました。茨城県警は、その場にいた機動隊員で暴力を働いた右翼団体員や、宣伝カーを取り囲み、逮捕しようとしましたが、右翼団体員は宣伝カーや他の車に乗車し、機動隊員の列に突っ込むようにして、その場から逃走しました。現在、茨城県警は、暴行容疑で、右翼団体に対する捜査を進めています。

 横須賀基地にPAC3が配備された際にも、抗議行動を行う神奈川平和運動センターを、右翼団体が襲撃する事件が起きるなど、平和運動に対する右翼団体の妨害が増えています。こうした右翼団体の妨害をはねのけ、私たちは日米軍事同盟の強化や米軍再編に対して、今後も反対していきましょう。


【写真レポート】


●自衛隊正門前。迷彩服を着ているのは、警備する航空自衛隊委員。


●県民会議や市民団体など約70人が正門前で、監視・抗議行動を行いました。


●「PAC3は来るな」と、力強くシュプレヒコールをあげます。


●午前3時50分ころ、PAC3車両がやってきました。
この写真にうつっているのは、おそらく射撃管制装置です。


●ミサイル発射機車両。


●同じくミサイル発射機車両。


●一番最後は、民間のトラックでした。


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●「日本のミサイル防衛(MD)を考える」


パトリオットミサイルの詳細はこちらへ
●航空自衛隊・入間基地・SPECIAL FEATURE010「高射隊、いざという時のために」



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