米軍戦闘機の移転訓練に反対  茨城県百里基地で100人が抗議


10月15日から19日まで、茨城県小美玉市の航空自衛隊百里基地で、在日米軍再編にともなう米軍戦闘機の移転訓練が行われました。
移転訓練を行ったのは、青森県三沢基地に所属する米空軍F16戦闘機5機と、米軍兵士約50人です。
茨城平和擁護県民会議など4団体は10月18日に、現地百里での訓練監視活動、自衛隊基地への抗議申し入れ、抗議集会を実施し、県内外から100人が集まりました。


●航空自衛隊百里基地(茨城県小美玉市)。
F15戦闘機やRF4偵察機などが、配備されています。


●航空自衛隊のF15戦闘機。今回はこの機種が、米空軍のF16と訓練を行いました。


●百里基地を建設する際に、土地の提供を拒否した農家がありました。
その農地の存在によって、百里基地では滑走路に平行して走る誘導路が「く」の字に曲がっています。
自衛隊に対して、平和憲法が闘いを挑んでいるのです。


●基地の誘導路に飛び出した民有地から、基地の中を監視することができます。


●米軍訓練移転反対で、基地に向けてシュプレヒコール。


●民有地の入り口にかけられた看板。


●川井弘喜さん。この土地を1人で守り、憲法違反の自衛隊と闘っています。


●基地正門で、自衛隊に対して訓練中止を申し入れました。


●その後、屋内に移動して、100人の参加で抗議集会を行いました。


米軍再編に伴う百里基地での日米共同訓練実施に対する抗議の申し入れ

2007年10月18日
防衛大臣 石破茂 様

茨城平和擁護県民会議          会長   川口玉留
平和運動センター関東ブロック連絡会  代表   浪江福治
フォーラム平和・人権・環境        代表   江橋 崇
全国基地問題ネットワーク        事務局長 山城博治


 在日米軍再編に伴う米軍の百里基地への訓練移転問題は、本来沖縄における嘉手納基地の騒音対策として基地周辺の住民負担を軽減するため、嘉手納基地に所属するF15戦闘機の訓練を全国に分散させるものでした。

 しかし、昨年5月の「再編実施のためのロードマップ」では、嘉手納基地だけでなく、三沢・岩国に所属する米軍機にまで訓練対象が拡大され、今回の百里では三沢基地からF16戦闘機が参加しました。なぜ、F15戦闘機訓練がF16戦闘機へと変わったのでしょうか。

 これでは、沖縄における基地騒音を軽減するとは名ばかりであり、実質は米軍基地のたらいまわしであり、米軍が自衛隊基地を全国で使用し、騒音を全国化することになります。

 私達は、憲法を無視し、米軍の戦争協力につながる日米共同訓練を実施したことに対し、抗議の意思を表明します。

防衛省北関東局は10月5日、訓練実施のわずか一週間前に計画を発表しました。直前の通知では、地元自治体では、訓練実施を住民へ周知徹底する時間的な余裕もなく、周辺自治体や住民から安全や騒音・米軍による治安の悪化への不安の声が拡大しました。

今回の共同訓練は、周辺住民への反感を意識してか、訓練期間の短いタイプ1で実施され、夜間発着訓練等も行わなかったものの、共同訓練機の発着以外の時間帯には通常の自衛隊機訓練も行なわれており、周辺住民からは「午前・午後1回程度と聞いていたが1日中騒音を感じた」という声や訓練地域から離れた水戸市中心地域で「戦闘機が低空を通過し、爆音が響きビックリした」という声も聞かれています。

また、今回の訓練では騒音だけでなく、米軍兵士による周辺住民や学校に通う子供たちの登下校時の安全対策や事故への不安など、基地周辺の住民負担は騒音被害だけでなく、計り知れないほどの精神的な負担を拡大するものでした。

今後、訓練移転が計画どおりに拡大され、訓練もタイプ2へと発展し、ロードマップで書かれている「将来の共同訓練・演習のための自衛隊施設の使用拡大に向けて取り組む」ということになれば、百里基地は未来に渡って周辺住民に負担を押し付け、基本的な人権や平和な生活を脅かす米軍基地が固定化され、基地機能が拡大・強化する事態になってしまいます。こうしたことは絶対に許されることではありません。

 以上のことから今回行った百里基地での日米共同訓練に対する県民の不安と地元負担は増加しており、私達は共同訓練を実施したことに対し、強く抗議の意を表明し、以下申入れを行ないます。



1 地元住民に負担を強いる百里基地での日米共同訓練を今後実施しないこと。
2 民間共有に伴い百里基地における訓練を見直し、縮小していくこと。
3.騒音被害の測定器設置調査箇所を現行6箇所から大幅に増加し、小美玉市の基地周辺と茨城町・水戸市地域へも拡大を行なうこと。

以上



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