鹿児島で米海軍救難艦「セーフガード」入港反対行動


(鹿児島県平和運動センターからの報告)

米軍再編による日米軍事一体化、防衛庁の「省」昇格法の成立などにより、東北アジアの緊張は高まる中で、昨年2月の駆逐艦「ジョンSマッケイン、11月の駆逐艦ハルゼーに続きまたしても米軍艦船が入港するという情報を受けこのままでは、鹿児島港の軍港化につながるのではないかという懸念が強まっています。県平和運動センター、県憲法を守る会、社民党では、2月8日13時より県港湾空港課に出向き、米軍艦船の入港許可を取り消すよう申し入れをしました。県としては、「日米地位協定による事前協議も無く従来入港した米艦船と同様の取り扱いとして入港を許可した」と回答。我々は今後の米軍艦船寄港にあたっては,国是である非核三原則にもとずき、「非核証明書」の提出を求めるよう申し入れしました。

 また、9日9時30分より谷山8号岸壁において、約30名が参加し抗議集会を開催し、主催者を代表して県憲法を守る会荒川会長、県平和運動センター押川議長より「米軍再編反対!」「日米軍事一体化反対!」の闘いを強めていく決意を込めた挨拶があり、在日米海軍司令官、米第7艦隊司令官、米海軍佐世保基地司令官などへあてた抗議文を鹿児島ブロック丸山副議長が読み上げて全体で確認した。


鹿児島県への申し入れ

2007年2月8日

鹿児島県知事
伊藤祐一郎 様

鹿児島県憲法を守る会   会長 荒川譲
鹿児島県平和運動センター 議長 押川浩一郎
社会民主党鹿児島県連合  代表 南徹郎

米軍救難艦セーフガードの鹿児島港入港を認めないよう求める要請書

米軍「再編」による日米軍事一体化、防衛庁の「省」昇格法の成立などにより、東北アジアの緊張は高まり、世界の目が朝鮮半島周辺に集中しています。このような中で、昨年2月の駆逐艦ジョンSマケイン、11月の駆逐艦ハルゼーに続く米軍艦船の鹿児島港入港は、鹿児島港の軍港化につながるのではないかとの懸念を強めています。1月末の米軍用機によると思われる頴娃町周辺での炎と爆音騒動、陸上自衛隊と米海兵隊による米本土での共同訓練、自衛隊鹿屋基地への米軍空中給油機の訓練・運用移転計画などとあわせ、鹿児島県が米軍と一体となって軍事的な役割を強めようとしているのではないかと、県民に不安の声が広がっています。
 私たちは、2月9日に入港が予定されている米海軍救難艦セーフガード(99年6月16日に母港の佐世保に配備、排水量3,181トン、全長77.7m、乗員99名)の鹿児島港入港に反対します。県当局が県民の平和な生活と安全を第一に考えて対処するよう求め、下記の事項について要請します。


1 日米地位協定には入港許可の義務規定はないにもかかわらず、港湾管理権を行使して米海軍第7艦隊所属の救難艦「セーフガード」の入港を認めた理由を明らかにすること。
2 米海軍救難艦「セーフガード」入港の目的が、「乗組員の休養と親善」のみなのか明らかにすること。併せて、鹿児島港に入港している海上自衛隊の護衛艦「さわぎり」など4隻と米海軍救難艦の入港との関係について明らかにすること。
3 核保有国である米軍艦船の寄港に当たっては、国是である非核三原則にもとづき「非核証明書」の提出を求めること。
4 民間港である鹿児島港の機能を損なわないために、米海軍救難艦「セーフガード」の入港許可を直ちに取り消すこと。


米軍への抗議文

2007年2月9日

在日米海軍司令官 ジェームズ D.ケリー 様
米第7艦隊司令官 ジョナサン グリナート 様
米海軍佐世保基地司令官 ティルマン・ペイン 様

米軍救難艦「セーフガード」鹿児島港寄港 抗議文

鹿児島県憲法を守る会
鹿児島県平和運動センター
社民党鹿児島県連合

私達は、米海軍救難艦「セーフガード」が鹿児島港へ寄港したことに反対し、強く抗議します。
 米軍「再編」による日米軍事一体化、防衛庁の「省」昇格法の成立などにより、東北アジアの緊張は高まり、世界の目が朝鮮半島周辺に集中しています。このような中で、昨年2月の駆逐艦ジョンSマケイン、11月の駆逐艦ハルゼーに続く米軍艦船の民間港・鹿児島港への入港は、鹿児島港の軍港化につながるのではないかとの懸念を強めています。1月末の米軍用機によると思われる頴娃町周辺での炎と爆音騒動、陸上自衛隊と米海兵隊による米本土での共同訓練、自衛隊鹿屋基地への米軍空中給油機の訓練・運用移転計画などとあわせ、米軍によって鹿児島県の軍事的な役割が強められようとしているのではないかと、県民に不安の声が広がっています。
 私たちは、錦江湾を非核の海に、鹿児島県の港湾における非核・平和利用の徹底を求めています。日本の民間港に寄港するならば、日本国憲法はもとより、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という国是の「非核三原則」を厳守し、「核を搭載していない」ということを文書で明らかにするのは当然のことです。そういう当然の責務を果たさない中での寄港は、「鹿屋に米軍はいらない」「鹿児島港を軍事基地にさせない」という県民感情を逆なでするものであり、断じて認めることは出来ません。
 米軍艦船が二度と鹿児島港に寄港しないよう強く求めます。
以上。


【救難艦 セーフガード Safeguard ARS 50】
1999年6月16日、米軍第7艦隊の佐世保港に配備。
満載排水量3,181tons。全長77.7m、幅15.6m、速度25.8km/h、乗員99名。
米軍の保有する4隻の救難艦のうち唯一の海外配備。海難救助、一時的な艦船修理機能を備え、殴り込み部隊の受けた被害を修理して最大限に補完する戦闘兵站支援船。「救難艦は戦闘艦のこれ以上の損傷をくいとめる。戦闘中の戦艦を安全な地域にいる修理艦や基地まで曳航する。」(米海軍HP)
熱センサー付きの消火用ヘルメット、潜水救助用のアクアラング、救難者の応急治療室(酸素マスク付き)、ニミッツ級の空母を曳航できる2つのドラム、40トンのも のを海中から引き上げるクレーン、12人乗りの救命いかだ、操縦室、食堂etc.
* 1986年、佐世保を母港としていた救難艦ビューフォートが長崎港に入港して、秘密裏に港の機能や有事の際の民間支援能力を詳細に調査。
* 米第7艦隊

 ハワイホノルルに司令部を置く太平洋艦隊の指揮下にあり、基本的に東経160度の西側を担当する。東側は第3艦隊が担当。空母キティー・ホークを始め50-60の艦船、350機の航空機を擁し、戦時には6万の水兵と海兵を動員する能力をもつ。平時の兵力は約2万。アメリカ本国の反対側に当たる地球の半分を活動範囲とし、アメリカ海軍の艦隊の中では、最大の規模と戦力を誇る。
本拠地である神奈川県横須賀基地の他、長崎県佐世保市沖縄県韓国釜山浦項鎮海シンガポールなどに基地を展開している。


●南日本新聞より(07年2月10日)
西太平洋海域、裏方の要 米海軍救難艦入港 鹿児島港谷山1区

 米海軍の救難艦「セーフガード」(3337トン、100人乗り組み)が9日朝、鹿児島市の鹿児島港谷山1区に入港した。乗組員の休養と補給が目的で、一般公開はない。13日にも出港する。
 同艦は佐世保基地所属。潜水作業や座礁した船の離礁作業、応急修理など後方支援が主任務。4基の高出力エンジンを搭載し、空母のえい航も可能。同型艦は米海軍でも4隻しかなく、同艦が西太平洋海域での任務を担う。
 ドイル・K・ホッジス艦長は記者会見で「鹿児島は桜島など景色の美しい場所。訪問は日米間のきずなを深める意味でも意義深い」と述べた。県庁への表敬訪問や、乗組員と地元ソフトボールチームとの交流などが予定されている。
 岸壁では、県平和運動センターのメンバーら30人が、鹿児島港の軍港化につながりかねないとして、「入港反対」と気勢を上げて抗議した。

 ●朝日新聞より(07年2月10日
鹿児島港に米軍艦入港で抗議集会
 米軍艦「セーフガード」が9日、鹿児島市の鹿児島港谷山1区に入港した。それを受けて、鹿児島県憲法を守る会など3団体が同港岸壁で抗議集会を開いた。
 「セーフガード」(約3300トン、乗組員100人)は在日米軍佐世保基地所属の救難艦で、今回の寄港は乗組員の休養や観光、友好親善が目的とされている。
 集会では、「昨年2月と11月の駆逐艦に続く米軍艦船の、民間港である鹿児島港への入港は、鹿児島港の軍港化につながる。1月末の米軍軍用機によると思われる頴娃町周辺での炎と爆音騒動など、県の軍事的な役割が強められようとしているのではないか」と抗議文を読み上げた。その後、「鹿児島港の軍港化を許すな」とシュプレヒコールを上げた。
 憲法を守る会の荒川譲会長(73)は「友好親善などと言うが、そう言った公式行事があるわけではない。とってつけた目的で、軍港化は許せない」と話した。



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