解説6 日本は安全か


 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、米国に届く射程距離の大陸間弾道ミサイルは保有していません。制裁措置を強化しても、米国が北朝鮮の攻撃にさらされる危険性はありません。韓国内では、野党や保守勢力の一部に強硬論がありますが、与党ウリ党とノ・ムヒョン大統領は軍事力行使反対と話し合いでの問題解決を求めており、攻撃を受ける可能性は低いでしょう。中国の立場も同様です。北朝鮮が軍事力を行使する場合、また米朝戦争になった場合、北朝鮮の攻撃を受ける可能性が高いのは、日本ではないでしょうか.

日本政府は国連制裁決議採択以前の10月11日、北朝鮮工作員が日本国内でテロを引き起こす可能性が高まると判断して国内の治安警戒レベルを強化しました。警察庁は各都道府県警に対し、危機管理と即応態勢の強化を求めるとともに、同日、同庁次長を本部長とする「警備対策本部」を設置しました。また防衛庁・自衛隊は、各部隊に緊急事態に即応できるよう指示しました。国土交通省は10月13日、関係各課の課長ら約30人をメンバーとするテロ対策チームを省内に設置し、初会合を開きました。久間章生防衛庁長官は、10月12日に行われた参院予算委員会で、「弾道ミサイル防衛システム」計画について、前倒しする意向を示しました。米軍基地を防衛するために、自衛隊員を配備する計画もすすんでいます。

こうした中、栃木県宇都宮市は10月13日、朝鮮総連栃木県本部の土地・建物に対する固定資産税・都市計画税の全額減免を見直し、来年度から課税する方針を固めました。市幹部は、「核実験を容認しない姿勢を示すため」として、課税が核実験への報復措置であることを認めています。地方自治体による個別の制裁措置は、地域に住む人々に、北朝鮮への敵愾心をもたらすかもしれません.
日本国内は急速に、戦時体制への準備が進んでいます。


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