在日米軍再編に関する自治体の対応


神奈川県

神奈川県

松沢成文知事


知事
●「今の最終報告への動きを見ていると、全部ひっくり返すのは現実問題難しい。米国は中間報告はほぼその方向と言っているし、安全保障は最終的には国の権限で決めるわけだ。地方は本当につらい。第1軍団の反対だけを言っていれば済むのか。交渉の中で少しでも基地負担が軽くなるようにしたい。オール・オア・ナッシングだけの世界じゃない」
(朝日新聞 3月24日)

相模原市

小川勇夫市長


市長
●「戦車に轢かれても、命をかけて反対する」

●「昨年10月の『中間報告』で、キャンプ座間への日米新司令部の設置及び相模総合補給廠への自衛隊移駐案が示され、その内容は、基地の機能強化・恒久化につながるもので、到底容認することはできません。日米両政府は、3月までに最終報告をまとめたいとしておりますが、私は、市議会をはじめ、市民の皆さまの思いを支えに、不退転の決意で取り組んでまいります。」
(06年度施政方針演説)

●(防衛施設庁との会談について)「非常に高圧的で説明はこれでおしまい。市民の願いとかけ離れているし、説明が荒っぽい。負担を強いるだけで、とても、のめる話ではない」。
(朝日新聞 3月24日)

座間市

星野勝司市長


市長
●「ミサイルを撃ち込まれても基地強化を阻止する」

●(防衛施設庁との)会談で報告内容の受け入れを強く拒否。戸田次長ら防衛施設庁幹部には、「『(この案は)このままお返しします』と答えただけ」と明かした。また「来週の日米審議官級協議には、この内容で臨むという話だったが、我々の基地の恒久化、機能強化反対の基本姿勢は変わっていない。これまで国に申し入れてきたことは一体何だったのか、と国に不信感を持たざるを得ない」と憤慨した様子で語った。
(朝日新聞 3月24日)

横須賀市

蒲谷亮一市長


市長
●米海軍横須賀基地の原子力空母配備問題で、横須賀市の蒲谷亮一市長は23日、外務省に麻生太郎外相を訪ね「原子力空母は安全という日本政府の説明のみでは納得できない。根拠を示してほしい」と要請文を渡した。
(毎日新聞 3月24日)

〈その他の主なとりくみ〉

座間市  
●市民署名6万人分を集める。
●「キャンプ座間基地強化に反対する座間市連絡協議会」を結成。
●第1軍団指令部移転に反対する、懸垂幕・ポスター・ステッカー・チラシを作成し、掲示・配布。
●座間市ホームページに「米陸軍第1軍団司令部のキャンプ座間移転に反対する活動について」
http://www.city.zama.kanagawa.jp/
●05年11月18日に市民文化会館で「市民大集会」を開催し1500人が参加。06年 3月11日に市主催で「市民大集会」とデモ行進を開催し1900人が参加。


相模原市 
●市民署名21万人分を集める。
●「相模原市米軍基地返還促進等市民協議会」を結成。
●日米両国政府に対する「抗議はがき」運動を実施。
●05年11月13日に「市民集会」を開催。
●相模原市のホームページに「在日米軍再編問題」
http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/topics/htm/05/beigun.html
●市議会が「在日米軍再編の中間報告に断固抗議し撤回を強く求める決議」など


東京都(横田基地)

東京都

石原慎太郎知事


知事
●先般、日米両政府による在日米軍再編協議の中間報告が発表されましたが、本来、全く別物である横田の軍民共用化が米軍再編の動きに巻き込まれてしまったことは、まことに遺憾であります。我が国の防衛力強化の観点から軍軍共用化はやむを得ないとしても、並行して横田基地の滑走路を軍民が共同で利用することは、国益総体を考えれば当然でありまして、日本の外交力の貧しさゆえに、要らぬ回り道をさせられたといわざるを得ません。そもそもこの問題は、一昨年、日米両国首脳により実現可能性を検討することが合意されたものでありまして、日米協議を米軍再編とは切り離して加速させるべきであります。
(05年第4回都議会定例会 所信表明 05年12月1日)

昭島市

北川穣一市長


市長
●「総合的に判断すれば受け止めざるを得ない」
(市議会全員協議会 3月22日/共同通信 3月22日)

市役所
●今後も3月の最終報告に向け、在日米軍再編による航空機騒音への影響等、国に対して更なる情報提供を求めてまいります。また、中間報告において軍民共同使用の検討が盛り込まれましたが、これについては、騒音の増大に繋がる軍民共同使用については、従来どおり反対の立場をとっています。
(市のホームページ)

瑞穂町

石塚町長


町長
●「耐え難いほどの負担でない限り、国策に協力すべきである」
「国は(地元市町に)手厚い振興策を実施すべきである」

立川市

青木久市長


市長
●「容認しがたい」

東村山市

荒井三男市長

市長
●「軍民共用化」について、「市議会と市民の意向を尊重し、推進を図りたい」と述べた。
(共同通信 2月14日)

〈その他の主なとりくみ〉

東京都
●ホームページに「東京都の米軍基地対策」
http://www.chijihon.metro.tokyo.jp/kiti/hyoushi.htm#label
●福生市・瑞穂町・武蔵村山市・立川市・昭島市・羽村市から、防衛施設庁に対して質問状を送付し回答を得る。



山口県 (岩国基地)

山口県

二井関成知事


知事
●県は(1)今以上の基地機能強化は容認できない(2)NLP(夜間発着訓練)は容認できない(3)地元の意向を尊重する−−の3条件を主張してきた。二井知事はこの日、(1)と(2)について「一応クリアできていると思う」と述べたが、最後の「地元の意向」について旧岩国市の住民投票で「反対」が9割を占め、国に移転撤回を求めたことなどから「関係市町村に共通する懸念を勘案すると地元の理解を得られたとは言えない」と説明した。
(毎日新聞 3月23日)

●まず一つは、中間報告まで報道の皆さんから、いろいろな岩国基地関連情報が出ましたけれども、政府から正式に中間報告が出ましたのは10月の末です。それまでの間には、地元に事前に説明する時間があったにもかかわらず、ある意味、突然、中間報告が出された。そして、中間報告が出されて、私どももいろいろ疑問点がありましたから、質問をし、国は努力されたと思いますが、回答が12月21日にあり、それから、我々が分析しないといけない。そういう状況の中で、3月末には最終報告を出すというのは、やはりこれだけ大きな案件について、ちょっと地元に対する期間、配慮が足らなかったのではないかと思います。
 まだ、最終報告が出ていないから、何とも言えませんけれども、3月末に出ることを前提に考えれば、もっと地方に配慮をしてもらっても良いのではないかという感じはしました。従って、最終報告が出されたにしても、先ほど言いましたように、やはり地元の納得のいく努力は重ねていっていただかなければならないと思っていますので、それはこれからも強く要請していきたいと思っています。
(知事記者会見 3月24日 県のホームページより)

(旧)岩国市

井原勝介市長


市長
●井原勝介市長は16日、外務省と防衛庁を訪問、在日米軍再編に伴う米軍岩国基地への米空母艦載機移転について、先の住民投票で反対の意思が明示されたとして撤回を求めた。
(西日本新聞 3月17日)

広島県

藤田雄山知事


知事
●広島防衛施設局は24日、県などが提出していた再質問書に回答した。国は、騒音の状況を判断しやすいと求めたデシベル値での騒音データの明示を拒否。米軍機の低空飛行訓練ルートの提示については、「米軍の運用にかかわる問題で、明らかにするよう米側に求める考えはない」とした。重要な質問事項の多くが回答を拒否され、藤田雄山知事は「(岩国基地増強が示された)中間報告の内容を容認できる状況にない」とコメントした。
(毎日新聞 3月25日)

安芸高田市


市議会
●議員提案による「在日米軍再編に伴う米海軍空母艦載機部隊の岩国基地移駐に反対する意見書」を採択。


〈その他の主なとりくみ〉

山口県
●3月23日に、二井知事が国に対し「米軍岩国基地再編案に係る要望書」を提出。山口県の基本姿勢、検討結果、地元の意向を踏まえた意見を説明。

岩国市
●3月20日、岩国市は、由宇町・玖珂町・本郷村・周東町・錦町・美川町・美和町と合併して、(新)岩国市に移行。
●(旧)岩国市の井原勝介市長は、受け入れに反対。3月12日、空母艦載機部隊の受け入れの是非を問う住民投票を実施し、受け入れ反対が有権者の過半数を超える。
投票率58.68%(有権者84、6519) 
反対89% (反対43,433票  反対5369票)

広島県
●広島県連絡会議(自治体と民間団体)が結成 8月30日
●広島県・市長会・町村会で、国に質問状を提出



鹿児島県(鹿屋基地)

鹿児島県

伊藤祐一郎知事


知事
●21日午前、地元の反対などを理由に「賛成できない」と述べた。   発言骨子は(1)米軍再編は地元合意なくして絶対に進めてはならず、地元に強い反対がある(2)問題の原点は沖縄の負担軽減。SACO合意の実現が先(3)今回の(中間報告)案に沖縄県知事は明確に反対しており、同様に賛成できない(4)空中給油機が空母艦載機移転の結果、鹿屋に移駐するのは負担のつけ回し−としている。
(南日本新聞11月21日)

鹿屋市

山下栄市長


市長
●海上自衛隊鹿屋航空基地へ米軍空中給油機部隊を移駐する計画について、「断固反対」とする同市の最終意見を要望書としてまとめ国へ提出。経済効果への期待は「移駐容認につながる」と強調。要望書で触れなかった。

●額賀福志郎防衛庁長官は27日午前、鹿児島県鹿屋市の山下栄市長と同庁で会談した。山下市長は米軍普天間飛行場(沖縄県)の空中給油機部隊を海上自衛隊鹿屋基地へ移転する案について「受け入れられないというのが市民の声だ」と重ねて反対した。
(時事通信 3月27日)

〈その他の主なとりくみ〉

鹿屋市
●鹿屋市周辺地域米軍再編問題対策協議会を設置(12月21日)
 鹿屋市・垂水市(南大隅町を除く)・肝付町・東串良町・錦江町が参加
●市が協力して「在日米軍空中給油機部隊移転に反対する市民集会」を開催し8200人が参加。(2月26日)


嘉手納基地・三沢基地・岩国基地の戦闘機訓練の全国分散

■北海道

高橋はるみ知事

知事

●3月22日の道議会予算特別委員会で、米軍嘉手納基地(沖縄県)のF15戦闘機訓練を航空自衛隊千歳基地に移転する方針が示された問題で、「地元負担がどの程度増えるのか、不透明なままでは、道として対応を検討できない」と述べ、現状では受け入れ難いとの認識を示した。

(北海道新聞 3月23日)

千歳市

山口幸太郎市長


市長
●21日に土屋局長との面会を終えた山口幸太郎市長は開口一番、「これまで状況説明がなかったことは遺憾。誠実さに欠ける」と国を痛烈に批判。移転については、「現時点での受け入れがたいという姿勢は変わらない」としながらも、「内容が分からない段階では(米軍)基地や米軍人が来るのではないかと考えられたが、大きな市民の負担を伴うものではなく安心した」とも話した。
(毎日新聞 3月22日)

苫小牧市

桜井忠市長


市長
●桜井忠市長は明確に移転反対の姿勢を示した。「国防は国の専権事項ということや沖縄の厳しい状況が分からないわけではない。だが、市長として市民の生活環境を守る責務がある。地元市長として訓練移転には反対する」と語気を強めた。
(毎日新聞 3月22日)

■青森県

三沢市

鈴木重令市長


市長
●「F15戦闘機の訓練も三沢に来るのかという不安は持っているが、今より(騒音が)減るだろうと解釈している。これ以上はどう考えても無理で、住民の我慢にも限度がある」と話した。
(毎日新聞 3月22日)

■茨城県

橋本昌知事


知事
●「訓練増加による騒音被害の拡大など地元への影響が大きいので、地元首長の意見を聞いて態度を固めたい」と語った。
(毎日新聞 3月22日)

●(当該自治体の首長)全員が反対ということになれば,県として受け入れるということは極めて難しいと思います。
(知事記者会見 3月23日)


小川町
伊能町長は「周辺住民にとってこれ以上騒音が増えることは耐えがたい」と述べ、訓練移転に反対の意向を改めて示したが、この問題は新市の市長に引き継ぐと伝えた。
(毎日新聞 3月25日)

鉾田市


鬼沢市長は「これまでの協定範囲内の訓練については拒否できないだろう。訓練回数の制限撤廃については、小川町・行方市と早急に協議したい」と述べた。
(毎日新聞 3月24日)

行方市
坂本俊彦市長は「他の地元市町と協議しないと何とも言えない」として態度を保留した。
(毎日新聞 3月24日)

■石川県

谷本正憲知事


知事
●西村小松市長が大阪防衛施設局の申し入れに反対の意向を表明したことについて、谷本正憲知事は21日、「その意向を尊重して県として対応しないといけない」と述べ、小松市と歩調を合わせて対応していく考えを明らかにした。
(北国新聞 3月22日)

小松市

西村徹 市長


市長
●西村市長は、「4週間という期限が変わらないのはよろしい」と一定の理解を示したが、「騒音で新たな負担は受け入れられない」と述べた。回数制限の撤廃は「現段階で受け入れられない」とし、施設建設は「絶対に受け入れられない」と拒否した。
(北国新聞 3月23日)

市議会
●小松市議会は23日、基地・空港対策特別委員会(武田長平委員長)を開催。武田委員長は報道各社に「嘉手納(沖縄)からの移転なら人情的に応えるべきだと思っていたが、岩国(山口)や三沢(青森)からも、というのは反対。(防衛施設局は中間報告の説明から)5カ月も放っておいて、今ごろ来て、月末までに結論を出せなんて、できるわけがない。市民感情を逆なでしている」と怒りを込めて話していた。
(毎日新聞 3月24日)

加賀市
大幸甚市長は「住民感情からしても反対だ。さらに協議を重ねていきたい」との意向を示した。
(北国新聞 3月23日)

白山市
角光雄市長は「日本の国は国民が守るものと考えている。米軍戦闘機の飛行には賛成しかねる」として、現段階では訓練移転には反対の意向を伝えた。ただ、現行協定内なら容認の方向で小松市などと協議する考えを示した。
(北国新聞 3月23日)

能美市
酒井悌次郎市長は「国防や沖縄の住民負担軽減には理解している」と話した。会談後には「現行協定内ならば容認できるのではないか」と述べ、小松市の方針を尊重し、市議会と協議する意向を示した。
(北国新聞 3月23日)

川北町


西田耕町長も「小松市や県の意向を尊重し、慎重に対応していく」と伝えた。
(北国新聞 3月23日)

■宮崎県

安藤忠恕知事


知事
●安藤知事は会見で「『地元の合意なしでということはないでしょうね』と尋ねたが、施設局からはっきりした返答はなかった。騒音や事故などの心配が払しょくされない現状では賛成できない」と話した。協議会は今月中に改めて防衛庁などに反対の要望をする。(毎日新聞 3月22日)

 新富町

土屋良文町長


地域
●新富町と周辺2市2町でつくる「反対対策協議会」会長の土屋良文・新富町長は会談後、「十分な説明がなく、住民の不安を取り除くものではない」と継続して反対していく方針を示した。
(毎日新聞 3月22日)

議会 
●16日、議員提出議案の「米軍の新田原基地使用に反対する決議案」を賛成多数で可決した。

区長会
●航空自衛隊新田原基地(新富町)への米軍訓練移転問題で、新富町区長会(原田一二会長、六十一地区)は十四日、町役場で訓練移転に反対する署名を最終集計した。署名数は九千五百七十九人で、町内有権者の63%に上った。同区長会は十六日に防衛庁などを訪れ、署名と訓練移転撤回を求める要望書を提出する。
 区長会によると、署名は十一月二十一日から三十日に八千四百七十人分を集めた。中間集計後、さらに一万人を目標に活動を再開し、今月六―十三日に集めた千百九人分を追加した。町内の有権者一万五千百九十三人(一日現在)のうち、署名に協力を得られなかった町内在住の自衛隊員と家族ら約二千百五十人を除くと、実質的な署名率は約73%に上るという。
(宮崎日日新聞 12月15日)

宮崎市

津村重光市長


市長
●「騒音や事故などへの心配が払しょくされていない状況で、賛成することはできない」として移転に反対する意思を表明した。
(宮崎日日新聞 3月7日)

市議会 
●米軍の航空自衛隊新田原基地使用計画に反対する意見書を採択
(3月21日)

■福岡県

行橋市
市議会が訓練移転に反対する決議案を可決。(西日本新聞 3月24日)

築上町
町議会が訓練移転に反対する決議案を可決。(西日本新聞 3月24日)


沖縄県(普天間基地・嘉手納基地・那覇軍港ほか)

■沖縄県


知事
●稲嶺恵一知事は24日午前の定例記者懇談会で、米軍普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設案をめぐり、名護市が滑走路を沖合にずらす微修正案を受け入れた場合でも、従来の辺野古沖案以外は県外移転を求める県の立場を貫く姿勢をあらためて強調した。
 稲嶺知事は「軍民共用、使用期限はどうなっているのか。近隣市町村などの理解を得たことや振興問題など、10年近くにわたる数多くの積み重ねがある。(名護市が妥協しても)県は県のスタンスがある」と述べた。
(琉球新報 3月24日)

名護市

島袋吉和市長


市長
●額賀防衛庁長官と市長との間で、協議中。
 政府は基本方針として、(1)政府は沿岸案を基本に、名護市を中心とする周辺住民の安全を考える(2)環境に配慮する(3)実行可能性がなければならない――として、豊原区や安部区上空を米軍機が飛ばないように滑走路の向きを反時計回りに10度傾け、施設全体を沖合に数十メートルずらす微修正案を提示。一方、島袋市長は豊原・辺野古・安部・嘉陽の四集落を、固定翼機と悪天候の日など機器を使ったヘリコプターの飛行ルートから外すよう強く要請。


(注)
作成日 2006年3月29日
作成者 平和フォーラム
出典  各自治体の対応は、報道各社のホームページや、当該自治体のホームページを参考にしています。



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