【資料13】 韓国の反米軍基地運動  ピョンテクからの訴え

 

 2005年6月18日(土)、東京・豊島区民センターで「東北アジアの平和と“歴史認識”を問う6・18集会」が開かれ、180人が参加しました。集会の呼びかけは「朝鮮侵略100年、朝鮮解放・分断60年、日韓条約から40年を問う2005年運動」です。この集会に参加するために、韓国のピョンテク市で、米軍基地に反対しているシン・ジョウォンさんが来日しました。以下は、シンさんのアピール(要約)です。

 

米軍基地拡張に反対するペンソン住民対策委員会組織局長  
シン・ジョンウォンさんの

私は、シン・ジョンウォンです。「米軍基地の拡張に反対するペンソン住民対策委員会」の組織局長です。平澤(ピョンテク)の米軍基地の面積は457万坪ですが、さらに349万坪を拡張しようとしています。この349万坪のうち、285万坪がペンソン地区に属しています。

この地域ではかつて、日本軍が土地を奪って飛行場を作りました。飛行場はその後、米軍に移管されました。米軍は基地を拡張するために、私たちを追い出そうとしています。

米軍が駐留する数十年間、韓国人は多くの被害を受けました。特に1970年代には、米軍兵士の犯罪が横行しました。2002年に起きた米軍装甲車による女子中学生れき殺事件への抗議運動や、梅香里での米軍基地反対運動によって、SOFA(駐留軍地位協定)の改正など事態を改善する動きはありますが、依然として毎年700件の米軍兵士による犯罪が起きています。

平澤では今年、米軍の中尉が汚職や強姦の罪で捕まりました。この中尉は、基地周辺のクラブやバーに対して、米兵相手の商売の許可を与える役割でした。彼はこの役割を利用して、クラブやバーに賄賂や、店の女性の性的サービスを要求していました。ピョンテクだけではなく、米軍基地があるあらゆる地域で、米兵の犯罪が発生しているのです。

犯罪だけではありません。空軍基地に離発着する輸送機やヘリコプターの騒音は、近隣住民の会話も妨げ、睡眠の妨害になっています。陸軍基地の射撃場からは、500メートル離れた民家に流れ弾が飛んできます。

これまで私たちは「米軍は韓国を守るために駐留している」と信じてきました。しかし、在韓米軍は韓国の安全保障に関係ありません。今回の基地の拡張は、北朝鮮だけではなく、中国に向けた戦略です。平澤は、戦争を準備するための基地です。平澤だけではありません。群山の米軍基地には、ステルス爆撃機が配備されています。光州にはパトリオットミサイル部隊が配備されています。米軍基地が拡大する中で、いつ危険な状況になるか分かりません。在韓米軍が戦闘に投入された場合、韓国も紛争に巻き込まれることになります。これは米韓相互条約に違反し、韓国憲法にも違反します。

米軍基地が拡張されれば、2つの村が完全に無くなります。その他の村でも、住むことができなくなる人が多数でます。全体では、1,000人が追い出されることになります。

米軍のために、村や田畑が無くなるのです。希望と生活の基が無くなるのです。政府は「補償を行う」といっていますが、平和な生活ができなくなってしまうのです。私たちの闘いは、生命を守るための反対闘争なのです。現地では昨年の9月1日以降、毎日夕方、キャンドルデモが行われ、6月27日には300日を迎えます。また7月10日には、平和大行進が行われます。

韓国政府と米国を相手の闘いに「勝つ見込みは無い」と言う人がいます。「国の言うことには無条件で従うべきだ」言う人もいます。しかし、「国民の幸福と財産を奪う国の政策は正しくない!」と叫ばなければならないのです。

私たちは、基地拡張を中止に追い込むまで闘います。年寄りも多く、肉体的にも大変ですが、土地は命です。最後まで守ります。皆さんも支援してください。



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