【資料05】多国籍軍に関する政府見解の変遷
(出典:アサヒコムHP)

 

政府見解
●80年10月
国連軍の目的・任務が武力行使を伴うものであれば、自衛隊がこれに参加することは憲法上許されないと考えている。これに対し、国連軍の目的・任務が武力行使を伴わないものであれば、自衛隊がこれに参加することは憲法上許されないわけではないが、現行自衛隊法は自衛隊にそのような任務を与えていないので、これに参加することは許されないと考えている。
(鈴木内閣が閣議決定した政府答弁書)

●90年10月
国連軍に対する関与のあり方としては「参加」と「協力」とが考えられる。参加とは、国連軍の司令官の指揮下に入り、その一員として行動することを意味し、国連軍の目的・任務が武力行使を伴うものであれば、憲法上許されないと考えている。参加に至らない協力については国連軍の目的・任務が武力行使を伴うものであっても、武力行使と一体とならないようなものは憲法上許されると解される。
(中山太郎外相が国会に示した政府統一見解)

●01年12月
国連決議に基づく多国籍軍への参加の可否については、決議の内容、多国籍軍の目的・任務・編成等具体的な事案に沿って判断すべきものと考える。湾岸戦争の際に展開した多国籍軍のようなものは、武力の行使自体を目的・任務とするものであるので、わが国が参加することは憲法上許されないと解している。
(津野修内閣法制局長官の国会答弁)

●04年6月
国連決議の内容、多国籍軍の目的・任務・編成など具体的な事実関係に沿って、わが国として武力行使を行わず、またわが国の活動が他国の武力行使と一体化しないことがきちんと確保されている場合には、武力の行使を伴う任務と伴わない任務と両方が与えられる多国籍軍に参加することは憲法上問題ないものと考えている。
(秋山収内閣法制局長官の国会答弁)

多国籍軍とは?
91年の湾岸戦争の際に国連安保理決議に基づいて編成されて以来、各地に派遣されており、現在もアフガニスタンの国際治安支援部隊(ISAF)などが活動している。湾岸戦争での多国籍軍は軍事制圧を目的としていたが、ISAFやコソボでの国際部隊(KFOR)のように国連平和維持活動(PKO)の色合いの濃い多国籍軍もある。イラク新決議に基づく多国籍軍は治安維持や人道復興支援などを目的としている。



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