美浜原発へのテロ攻撃を想定
福井県で国民保護法に基づく実動訓練
福井県で11月27日(日)、「国民保護実動訓練」が行われました。今回の訓練は、昨年成立した国民保護法に基づく、初の実動訓練で、内閣官房・福井県・美浜町・敦賀市が主催しました。
国民保護法は、武力攻撃事態法(いわゆる有事法)と同時に、国民を避難させるために発動されます。武力攻撃事態法は対処する事態を「武力攻撃事態」=外国の軍隊による攻撃と、「緊急対処事態」=テロ攻撃に分類しています。
今回の実動演習は、「関西電力(株)美浜発電所がテロリストグループによる攻撃を受け、同施設の一部が損傷を受けたことにより、放射性物質が放出されるおそれが生じる」という想定のもとで、「緊急対処事態」の訓練として行われました。
訓練は、以下のように行われました。
■ 7:00 国籍不明のテロリストが、偽造迫撃砲で美浜原発を攻撃。テロリストは山間部と海上に逃亡。
■ 7:10 事業者から異常事態発生(原子炉自動停止)の通報。
■ 7:20 敦賀警察署が現地確認に向かい、周囲の警備を開始する。
海上保安庁が周辺海域の警備を開始する。
■ 7:45 緊急対処事態対処方針の決定、緊急対処事態対策本部の設置、
福井県緊急対処事態現地対策本部の設置
福井県から自衛隊への国民保護等派遣の要請
災害放送で、サイレン音を吹鳴し、住民に屋内への避難を指示
●美浜原発の正面ゲート 警備会社と機動隊による検問が実施される。
●灰色の建物が美浜原発。警察の巡視艇が周囲を警備。
●関西電力のPRセンター内。
美浜原子力防災センターに設置された対策本部の会議内容を、関係者がモニターしている。
■10:50 テロリストの一部が山中で逮捕される。
■11:05 関西電力が、美浜原発2号機で炉心損傷の可能性があると報告。
■11:30「第1回緊急対処事態 原子力災害 合同対策協議会 緊急事態対応方針決定会議」開催
域外への避難措置の指示、救援の指示を通知
■12:15対策本部が、住民広報や防災無線を通じて、避難の指示を地元住民に伝達する。
●住民の避難誘導のために現地へ向かう、消防・警察・自衛隊の車両。
●自治体の用意したバスなどにより、避難をする住民。
避難訓練には、竹波・丹生の2つの地区から70人が参加。
竹波の住民はバスで陸路を、丹生の住民は巡視艇で海路を移動した。
●美浜原発から、ヘリを使用して緊急患者の搬送。
●地域によっては、陸路ではなく、海上保安庁の巡視艇で移動。
●手前に見えるのは、訓練区域内の釣り人。
●安全地域の漁港に到着
●巡視艇には、自動小銃を装備した海上保安官が乗り込んだ。
●住民避難用に用意された民間バス会社のバス。
●パトカーに先導されたバスで、避難所へと向かう。
●避難所になった、美浜町保険福祉センター
初期被ばく治療などを行う。
■13:20 海上保安庁がテロリストを逮捕。
■14:05 関西電力から、美浜原発2号機A電動補助給水ポンプの修理が完了したとの報告がある。
■14:20 2号機A非常用ディーゼル発電機が復旧し、原子炉冷却が開始されたとの報告がある。
■15:50 訓練終了