■衆・参両院の各委員会の議事録は、以下のサイトからの転載です。
●衆議院・会議議事録情報 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
●参議院・会議録情報 http://www.sangiin.go.jp/japanese/frameset/fset_b07_01.htm
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●衆議院・安全保障委員会(08年12月12日) 大塚拓議員(自民党)の質疑
○大塚(拓)委員(自民党)
法案の質問の前に、もう一点、ソマリア沖の海賊対策の件でちょっとお伺いをしたいわけです。
今、内閣官房の方とか各党のPTとかでいろいろ議論が進んでいるわけでございますけれども、その中で、論点の一つとしては、現行法の枠でやるのか新法をつくるのかということがあるわけです。いずれにしても、自衛隊が、海賊対策に当たって、いざ海賊を拘束した、その後の、その拘束した身柄をどうするのかというところがあるんだと思うんです。
結局、自衛隊が仮に海上警備行動で海賊を取り締まって逮捕したとしても、司法警察職員ではないわけですから、その後、勾留したりとか取り調べをしたり、そういうことができない。それじゃ新法で権限を与えたとしても、どうかというと、やはり、これまでそういうことをやってきているわけではないのでノウハウもないだろう。警務隊といっても、やはり通常の犯罪捜査という意味ではノウハウがないということにもなると思います。
そういう中で、どうやって司法職員に渡していくかということになるわけでございますけれども、これはソマリア沖にいるわけですから、なかなか容易じゃない。
そういう中で、以前、党の部会の方で、自衛隊の艦船に海上保安官に相乗りをしてもらって共同で任務に当たったらどうかということをちょっと提言させていただいたことがあるんですが、これは海上自衛隊と海上保安庁の連携という意味でもいいケースになるんではないかと思っておるんですけれども、こういうことに何か支障があるのかというのと、現在の検討状況というところを教えていただければと思います。
○城野政府参考人 お答え申し上げます。
昨今、ソマリア周辺海域におきましては、海賊等が商船を襲撃する事件が頻発しておりまして、我が国の経済や国民の生活に必要な物資の安全輸送に大きな影響を及ぼしかねない状況になっているところでございます。
そこで、先ほど先生がおっしゃられました司法権の行使につきまして、一般論といたしまして、海上警備行動の発令により自衛艦が派遣されることとなった場合、当該自衛艦に海上保安官が上乗りするなどして司法警察活動を行うことも可能であると考えておりますが、これまでそのような形態で法執行活動を実施したことがないということから、ソマリア沖海賊対策に関する検討の一環として、このような活動を実施することとなった場合の関連する国内法令との関係や実務上の課題について関係省庁と所要の検討を実施しているところでございます。
○徳地政府参考人 お答えを申し上げます。
先生御指摘のとおり、海上警備行動が発令をされている場合でございましても、派遣されておる自衛官には司法警察権限がございません。
そこで、我が国の刑事法令が適用される犯罪につきまして、自衛官が刑事訴訟法の第二百十三条に基づきまして現行犯人の逮捕を行うということは、それは御指摘のとおり可能でございます。ただ、この場合でも、刑事訴訟法の第二百十四条に基づきまして、直ちに現行犯人を検察官または司法警察職員に引き渡さなければならない、こういうふうにされておるところでございます。
そこで、現時点におきましては、海賊行為の取り締まりのための措置として自衛隊がいかなる対応をとるべきかという点につきまして、一定の結論が出ているわけではございませんけれども、逮捕後の手続につきまして、先ほどのような厳格な時間制限を定めた刑事訴訟法の趣旨も踏まえまして考える必要があるというふうに考えております。
海賊を拘束した場合に、身柄をそれでは沿岸国等の関係国に引き渡すのか、あるいは我が国の司法手続に従って我が国に移送するのかといったような論点につきましても、海上保安庁あるいは法務省等の関係省庁と連携をいたしまして、積極的に具体的な検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○大塚(拓)委員 先例がないことということで、関係法令の整合性のチェックなど結構慎重にやられているんだと思うんですけれども、私はこれは非常にいいケースになるんではないかなと思っていますので、ぜひ実現するように努力をしていただければ、こういうふうに思っております。