■衆・参両院の各委員会の議事録は、以下のサイトからの転載です。
  ●衆議院・会議議事録情報 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
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●参議院・外交防衛委員会(08年11月6日)佐藤正久議員(自民党)の質問

○佐藤正久君(自民党) この委員会でも取り上げられましたソマリア沖の海賊対策という分野で、国連の安保理決議の一八三八で、日本もその共同提案国となってソマリア周辺の海域での海賊対策の強化というものがうたわれました。
 一般的に、艦艇を派遣して海賊対策をある海域で行うという場合、二つの要領があると思います。船舶を個別に護衛するやり方と、ある程度の海域を全体を警備するやり方というふうにあろうかと思います。今、実際、ソマリア沖、アデン湾といっても結構広く、海域警備には多分恐らく一般論からいって多くの艦船が必要だという認識は私は持っております。
 実際に、今NATOの方が艦隊をソマリア沖に、SNMG2というんですかね、そういうグループを派遣したというふうに聞いておりますが、その状況はどんなものか、どういう今の警備要領を、護衛要領をやっているのか、これについて外務省の方からお伺いしたいと思います。

○政府参考人(谷崎泰明君) お答えいたします。
 ただいまのNATOの海賊対策でございますけれども、これにつきましては、十月の上旬でございますけれども、NATOの非公式国防相会合というのが行われまして、そこで決定が行われております。その中身は、国連事務総長の要請を受ける形で、ソマリア向け支援物資の輸送のための世界食糧計画の契約船舶の警護及び海賊行為抑止のためソマリア周辺海域の哨戒を実施するという、そういう決定でございます。
 この決定に基づきまして、現在、この地域に、今御指摘のございました常設NATO海上軍の2ということで艦船七隻がおります。このうち、特に海賊対策という形で専従しておるのが三隻おります。この三隻の中身でございますけれども、今御指摘のありましたいわゆるエスコートの任務に就いておりますのは三隻のうち二隻、もう一隻はこの海域全体を警護しているという、こういう状況でございます。

○佐藤正久君 ありがとうございます。
 やはり、今回のは国連事務総長からの要請で、しかもWFPの援助用食糧運搬貨物船の護衛ということが一つのメーンだというふうに確認いたしました。実際、そのWFPの食糧運搬船、これを二隻で直接護衛をしていると、これが実際的な要領なのかなという感じがいたします。
 麻生総理の方からも海賊対策についてはいろいろ検討をするようにという話が来ているというふうにも聞いておりますけれども、日本政府としても、やっぱり日本の国益上、あるいは、安保理メンバーにもうすぐなりますから、そういう観点でも何らかの対応を取った方が私もいいと思います。民主党の長島委員も、衆議院の委員会の方でもその観点を指摘されたようですけれども。やはり、艦艇を派遣するというやり方と、あとはP3C、空からの哨戒というやり方があると思います。ただ、艦艇を派遣する場合となると、P3Cという上からの警戒監視と比べると少しやはり準備が必要かなという感じがいたします。
 一つは、NATO海軍との共同訓練というのは今までまだやったことがないんではないかというふうに思いますし、また、実際に同じ海域で一緒にやるとなると、やっぱりROEという部分についても調整をしないといけないのかもしれませんし、あるいは向こうとのコミュニケーションシステム、これ結構非常に大事な分野だと思いますけれども、そういう観点での準備も必要かなと、これについては今後いろいろ検討されるというふうに思いますけれども。
 もう一つの選択肢としてP3Cというものが衆議院の委員会の方でも取り上げられました。私の感覚からすると、艦艇の派遣よりも、準備あるいは実際的な行動から考えるとP3Cの方が派遣についてはやや早くハードルも低いような、そういうイメージはさっきから持っているんですけれども。このP3Cの派遣というものについての、あるいは艦艇の派遣というものについての防衛大臣のオペレーションを行うという観点からの御認識をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(浜田靖一君) 現時点で海賊行為の取締りのための措置として自衛隊がいかなる対応を取るべきかについて一定の結論が出ているわけではありませんが、P3Cの派遣を行うかどうかについては、これは政府全体としての海賊対策の在り方、自衛隊派遣の根拠等の法的側面、そしてまたP3Cの機体の整備などの運用態勢、そしてまた受入れ国との関係という様々な点についてやはり十分な検討が必要であるというふうに考えておりますので、引き続きこれは検討を要するのかなというふうに思っておるところであります。
○佐藤正久君 特にP3Cの場合は、実際武器を使うわけでもありませんので、広い海域を哨戒を行うと。実際には、ソマリア沖においてはこのNATOの艦隊だけではなく、実際にOEF―MIOに参加している艦艇も日本の商船を今まで救出に行ったように、そういう艦船も動いていますから、そういう面では広い海域で哨戒を行うということは非常に私は有力な選択肢ではないかと思います
 実際に、アメリカとかフランス等の固定翼機も既存の基地を使いながら哨戒をやっているという事実もありますので、そういう面では今後ともいろんな観点から検討を深めていただければと思います。我々自民党も自民党の方でどんどん検討を進めていければなというふうに思います。今後ともよろしくお願いします。


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