イラク情勢Watch vol.78 09年11月30日

         発行:フォーラム平和・人権・環境  編集:志葉 玲


TOPICS
1)イラク関連報道ピックアップ
2)イギリスでイラク戦争検証の公聴会が始まる―真相が次々と明らかに
3)イラク戦争の検証を―院内集会で訴える
4)イラク・ファルージャで健康被害が激増
5)イラクの少女サブリーンのお別れ会
6)ブッシュを逮捕しろ!前大統領来日に抗議―有志の若者達150人


1)イラク関連報道ピックアップ

・イラク連邦議会選:1月実施不可能−−選管委員長

・米兵千人増派で年間10億ドルの追加戦費、アフガンやイラクで

・イラク戦争問い直す

・乱射起こした米警備会社がイラク高官に賄賂か、元幹部知らずと

自衛隊イラク派遣「違憲でなかった」 官房長官


2)イギリスでイラク戦争検証の公聴会が始まる―真相が次々と明らかに

 イギリスでは、イラク戦争参戦の経緯など同戦争への関与を包括的に検証する「イラク調査委員会」が今年7月、設置された。そして今月24日、公聴会が始まった。調査の対象期間は、米同時多発テロが起きた01年から英軍が撤退した09年までで、来年末にまでに調査報告書がまとめられるという。初の証人には、01年当時に外務省、国防省、情報部門でイラク政策を担当していた政府高官3人が証人喚問され、開戦前のイラク封じ込め策などについて質疑が行われた。この公聴会はメディアにも公開され、イラク調査委員会のHPでも動画をみることが出来る。この公聴会では、ブレア元首相も来年頭に証言する他、場合によっては米国の政府関係者も証人喚問の対象となるとのこと。
 
 イラク調査委員会のサイト
 公聴会の前に、22日、英サンデー・テレグラフ紙が政府の内部文書を基に、ブレア政権が議会での証言に反し戦争準備を進めていたと報じている。同紙によると、ブレア前首相は02年7月、国会で、開戦準備をしているかについて問われ否定したのだが、実際には、英軍は同年2月からサダム政権の転覆のための大規模戦争の準備に入っていたという。しかし、機密保持を優先させるあまり、作戦計画は「一貫性も人的・物的資源の裏付けも欠いた」内部文書)ものになったという。さらに、軍事作戦後の安定化に不可欠な国家再建・復興策がお粗末だったことも同紙は指摘。英外務省に復興計画立案班が結成されたのは、開戦のわずか三週間前で、戦後復興をろくに準備しないまま、開戦に踏み切ったことが明らかとなった。
 25日の公聴会でも、2002〜04年に英外務省軍事・情報局長を務めたウィリアム・エアマン氏が、イラク戦争開戦前に、国連査察官からイラクの化学兵器は「使用不能」だろうとの報告を受けていたことが明らかになっている。さらに、01〜03年に同省で核拡散防止を担当したティム・ダウズ氏は、1991年の湾岸戦争以降、イラクの核開発は停止したとされ、生物・化学兵器計画の大半が廃棄されたと証言。ブレア元首相が「イラク軍は生物・化学兵器を45分以内に配備できる」と脅威をあおったことに関しても、ダウズ氏は「45分というのは通常兵器のことで、ミサイルのことではなかったにもかかわらず、そのことは文書からは削られた」と証言。サダム政権とアルカイダの関係も否定されていたことも明らかにした。また、27日の公聴会では、元英国連大使のジェレミー・グリーンストック氏が証言。開戦前、イラク攻撃の決議を国連安保理で可決させることができないなら、同氏は辞任させられるだろうと、上司に脅されていたと証言している。
 
 イラク調査委員会はまだ始まったばかりだが、開戦の経緯が非常に歪んだものであったことが、次々に明らかにされている。



3)イラク戦争の検証を―院内集会で訴える


 今月10日、イラク戦争の検証を求めるネットワーク「イラク戦争何だったの!?」のキックオフ院内集会が催された。一般参加70人以上、国会議員13人が発言、議員本人は来れなかったものの、秘書4人が参加するという、大成功といっても良い滑り出しだった。

○予想以上の反応の良さ

 実は、この日、午後1時から国会で予算委員会が入ってしまったため、議員が誰も来ないのでは、もし議員が来たとしても、平日の昼間で一般参加で来る人々がどの程度いるかどうか・・・あまりに参加者が少ないと、議員のテンションが下がる恐れもあると主催者としては懸念していたのだが、蓋を開けたところ、冒頭にも書いた通りの盛況だった。

 集会では、今野東議員が「今の国会というところには検証する文化が欠けているので、こういう動きはありがたい」、斉藤つよし議員が「政権交代を果たしたからこそ、検証すべき」、犬塚直史議員が「民主党はイラク戦争に反対した。しっかり検証したい」と発言するなど、いずれの議員も検証の必要性を訴えました。その他、民主党では、石毛えい子衆院議員、稲見哲男衆院議員、岡崎トミ子参院議員、神本美恵子参院議員、小林ちよみ衆院議員、近藤昭一衆院議員、首藤信彦衆院議員、平岡秀夫衆議院議員、藤田一枝衆議院議員
が、社民党からも服部良一衆院議員が参加。予算委員会のため、やむなく戻った議員の他は、1時間半近くの集会の最後まで会場に残り、呼びかけ人の発言や、質疑応答に熱心に耳を傾けるなど、各議員の意気込みも感じられた。

 「イラク戦争何だったの!?」の呼びかけ人からは、翻訳家・作家の池田香代子さんが「イラクが大量破壊兵器を持たないことは、開戦前から元国連査察官のスコット・リッター氏が指摘していた。間違った戦争のために余りに多くの人々が犠牲になった」と嘆き、「現政権が
言っているアフガンへの支援が誤ったものにならないためにも、検証を」と訴えた。アジアプレス代表の野中章弘さんも「2003年3月20日から現在まで、何人のイラク市民が亡くなったか知っているか、と尋ねても、ほとんど誰も知らない」と、イラクへの無関心さを憂い、米軍の動きばかりを伝えたイラク戦争報道に関し、「もしイラク市民の状況をしっかり伝えていたら、世論は変わっていただろう」と指摘した。イラク支援ボランティアの高遠菜穂子さんは、今年4月にイラクを再訪した際、見聞きした現地の被害の大きさを報告、地元・北海道では、「自衛官の方々の悩みや、家族の悩みが、それとなく入ってくる。イラクに派遣された自衛官の方々の健康被害(PTSD、劣化ウラン被害など)も検証したい」と話した。日本国際ボランティアセンターの谷山博史さんは、「2009年2月にオランダ、77月にイギリスで、イラク戦争の独立検証委員会の設置が決まった。日本でも独立調査委員会を立ち上げるべき」と検証が進む海外の事例について報告し、自衛隊イラク派兵差止訴訟の弁護団とも連帯していく他、現場NGOとしても要請文をまとめる考えを明らかにした。

 また、この度、「イラク戦争何だったの!?」の事務局長に就任した志葉からは、趣旨説明のほか、今後の展開として、関西・北海道・名古屋・広島・長崎・沖縄などをはじめ、全国的ネットワークを形成し、参院選に向け各選挙区で活動をしてもらうこと、来年3月20日までに、政府の見解を聞きにいき、できれば鳩山首相に直接申し入れに行きたいなどの構想を明らかにした。


○NHK報道、議員との会合─集会後の動き

 関連報道としては、13日、NHKで、国会議員達の動きとして、イラク戦争検証のことが報じられました。内容は、「民主・社民両党の有志の国会議員が、イラク開戦当時、小泉内閣が戦争を支持したことの是非の検証や、イラクへの人道復興支援の具体策を検討するための調査委員会を設置することを求めていくこと、このことを幅広く与党の議員に呼びかけ、勉強会も行う予定だということ。
http://www3.nhk.or.jp/news/k10013754661000.html

 さらに、その後、有志の議員と、「イラク戦争何だったの!?」の事務局で会合を持ち、今後の方針について、話し合いたいことも決定。今週2日に両者の会合が行われる予定だ。



4)イラク・ファルージャで健康被害が激増

  今年4月、イラク西部ラマディで取材していた時、「イラク戦争開戦以来、死産や障害を持って生まれてくる子どもの数が増えている」という医師の話を聞いたし、地元のカメラマンが撮ったそれらの赤ちゃん達の写真も観た。 

          
          無脳症と思われる赤ん坊。死産だった。
           写真提供:アハマド・ハムザ氏

 
 ラマディの近くファルージャでも深刻な事態となっているようだ。劣化ウラン研究会の山崎さんから衝撃的なメールが来たので、紹介したい。

*************************
 劣化ウラン研究会の山崎久隆です。

 劣化ウラン研究会会報23号を今週初めに発送をしましたが、
その巻頭に「Help Deformed Children in Fallujah 」の訳を掲載
しました。
http://www.petitiononline.com/hdcif/petition.htmlで原文は
読めます。なお、このサイトは国連への書名提出を予定していて、
http://www.petitiononline.com/hdcif/petition.htmlでサインでき
ます。

イラク連帯キャンペーンという英国の団体でHussein Al-alak さん
が書いた文章です。

 劣化ウラン研究会の会報に掲載したその訳文を掲載します。


ファティマ・アーメドは2つの頭を持ってファルージャで生まれた

                         2009年10月18日

国連総会宛の要請文

 若い女性たちはイラクのファルージャで、うろこ状の皮膚を持つ体(先天性角化症)、四肢欠損症、無頭症、二重胎児、単眼症などの赤ん坊が増加するなか、そのような子どもを
出産することを恐れています。
 さらに追い打ちを掛けるごとく、恐ろしいことに幼い子供たちがファルージャでガンおよび白血病の増加に見舞われています。
 これらの形態異常は2009年9月1日にと2008年6月に英国のスカイテレビによるドキュメンタリーにより広く公表されています。
 取材陣は直接にファルージャで医師と接触してリポートしており、それによれば、2009年9月に、ファルージャ総合病院で生まれた170人の新生児のうち実に24人が最初
の7日間で死亡しました。驚くことにそのうちの75%の新生児が形態異常を持っていました。2002年8月(すなわちイラク攻撃、ファルージャ攻撃前である【訳注】)の記録では530人の出生中、最初の7日間で死亡したのは6名、そのうち形態異常が見られたのはたった一人でした。
 医者はファルージャにおいて、とりわけ先天性欠損症だけの例を目撃しているわけではありません。早産もまた同様に2003年当時に比較して増加していることを指摘しています。さらに驚くことに医師によれば「生き残った新生児も無視できない大勢の子どもがその後にひどい障害を起こしている」のだと言います。
 医者のグループの1人、英国の臨床医クリス・バーンズ-コックス博士は、この状況についてブレア政権で国際開発大臣を務めていたクレア・ショート議員に手紙を書いています。クレア・ショートは2003年5月にイラク戦争反対の立場を貫くために辞任しましたが、形態異常に関する質問については後任のダグラス・アレクサンダー大臣に手紙を送りました。
 コックス博士は国際開発省政務長官ガレス・トーマス氏から2009年9月3日付で回答(スカイテレビによる9月1日の放送から2日後)を受けました。
 彼の回答はファルージャにおける年間2ないし3人を超える規模の形態異常出産があることを否定し、従って問題がないと断言するものでした。
 これはファルージャに関するまさにデタラメな報告です。 一つの墓地の、ある墓掘り職人は一日あたり4人から5人埋葬をしていますが、その大部分が形態異常を示している
と言います。 クレア・ショートは私たちに手紙の写しを手渡しました。
 それは子供の健康および劣化ウランの使用について4年間に受け取った3つの別々の書簡の回答に、注目に値する類似性を持っています。手紙は嘘と特定の目的に基づいて書かれていて、これらが受取人を混乱させるようになっています。
自叙伝「高潔な欺瞞?」の著者クレア・ショートは「10番地(ダウニング街・首相官邸のある場所)の本能は嘘をつくことである」と言います。私たちは極めて深刻な手紙を受け取り、トーマス氏の書いた文章を、そして私たちが他の手紙に書かれた虚偽を見つめます。これらの手紙は小さな汚職や税金の問題ではなく、軍と致命的な兵器の使用についてのものです。ある特定の兵器の使用は、途方もなく大きいツケを生みます。イラクは手をこまねいていると子どもがいない国になってしまうでしょう。
他の国々がイラクに何が起きたかを見習い、国連憲章、ジュネーブおよびハーグ条約および国際刑事裁判所ローマ規定の完全な無視を模倣することになるでしょう。
 いくつかの国、例えばアフガニスタンのような国では劣化ウランや黄リン弾(白燐弾)などの破壊的な環境影響を長期間にわたり受けることになります。 私たちが国際開発省に我々の手紙で言うように、英国政府が明確にそれを使用し、結果を知らないままに政策として「犠牲者数を数えない」場合は、英国政府はどのようにそれがイラク戦争において特に「比例」という言葉で、国際法によるアフガニスタンおよび自然環境に長期の被害を与えるようなことは行なっていないと判断することができるでしょうか?
 英国がどのようにして、ストームシャドウ・ミサイル(英国・フランス・イタリアが共同開発した空中発射型巡航ミサイル、2003年のイラク戦争で初めて実戦使用された:訳注)のような国際市場で売る兵器システムの違法性について、イラクの子供たちや大人たちの死そして医療行為の必要性を評価するべき、まさしく政府と省が、真実を話してるかどうか知ることができるでしょうか。

 私たちは国連総会に対して下記の通り求める:

1.イラク、特にファルージャ、バスラ、バグダッドおよびナジャフに先天性欠損症およびガンの症例が、これまでにない規模に数が増えていることに関して深刻な問題があることを認め

2.イラクに先天性欠損症およびガンの症例が増加した問題について十分な調査を行なう独立委員会を設置し

3.劣化ウランおよび黄リンを含めて占領軍によって使われた 有毒物質の洗浄を実行し

4.これらの危険に対し子どもたちや大人たちを守るためにも、被曝を最小限にするためにも汚染エリアを規制し

5.国連憲章、ジュネーブおよびハーグ議定書および国際刑事裁判所ローマ規定を支持し,戦争犯罪、あるいは人類に対する罪が犯されたかどうか調査すること。


訳注:Deformed Childrenは一般に[奇形児]などと訳されることが多いと思いますが、極めて差別性の強い言葉ですので、ここでは「形態異常」としています。

冒頭にある「うろこ状の皮膚を持つ体(先天性角化症)、四肢欠損症、無頭症、二重胎児、単眼症」については、原文がその状態をそのまま表しており、医学用語で書かれてはいない(例えば角化症ならばKeratosis 単眼症ならばcyclopia、四肢欠陥ならばlimbdefectという)のですが、書かれている状態から推定される先天性疾患の名称に置き換えて訳しています。従って、原文から正確な病名はわかりません。
原文表記grotesquely deformed, with no heads, two heads,
a single eye in their foreheads, scaly bodies or missing limbs


英国では、スカイテレビ、ガーディアンなどが取り上げ、そのことが英国からのこういう活動につながっているのでしょう。
この中に出てくる数値は、驚きを通り越し、戦慄を感じます。意図的であろうと無かろうと無差別大量殺戮であり、戦争犯罪その
ものです。
エージェントオレンジによる虐殺と同じことがいま繰り返されています。 有機リン系殺虫剤ジクロルボスなどには強力な発がん性、催奇性があるため日本などほとんどの国では使用禁止になっています。リンを大量に使う兵器が環境中でどのような化学物質に変化をするのか解明されているわけではありません。有機リン系化学物質となり母体に蓄積していたとしたら何が起きてもおかしくないかもしれません。
それに加えて劣化ウランなどが事態をますます悪化させます。ファルージャでは他にもタングステン兵器など重金属を使った兵器が多数使われています。これらが複合汚染を引き起こしているのは間違いないでしょう。
 これこそが犯罪でなくて何でしょうか。このような場面で日本などはもっと関与をすべきなのです。



5)イラクの少女サブリーンのお別れ会
                

 当コーナーでも紹介した、闘病もむなしく亡くなったイラク人少女サブリーンさんのお別れ会が、今週2日、東京都新宿区のカタログハウスのセミナールームで行われる。会場では、サブリーンさんが生前描いていた絵が展示される他、彼女への医療支援を行ってきた日本イラク医療支援ネットワークの鎌田實代表や、佐藤真紀事務局長からも挨拶がある。詳しくは、以下、日本イラク医療支援ネットワークの佐藤事務局長からの案内をご参照。
***************
皆様、JIM-NETの佐藤真紀です。
いかがお過ごしでしょうか?
先日、イラクの少女サブリーンが、ガンが悪化して亡くなりました。
この女の子は、2005年に、目のガンにかかりましたが、すでに
手遅れで右目を摘出。その後、JIM-NETの支援を受けて、病院に
通い続けました。何度か再発を繰り返しましたが、10月16日、
なくなってしまいました。

彼女の絵はとても素晴らしく、募金のキャンペーンに使う絵を
依頼して描いてもらってきました。
彼女の夢は、バスラの病院の院内学級の先生になって、ガンの
子どもたちに絵を教えることでした。
ガンが再発しましたが、自分が描く絵を使った募金でお金が
あつまり、たくさんの薬が病院に届くことを知って、生きて絵を
描かなければと悟り、つらい闘病生活を耐えてきました。
「私は、死んでしまうの、何とか助けてください」
しかし、ガンの再発転移で左の目も失明。絵もかけなくなって
しましました。
10月16日、サブリーンは、「私は死にます。でもうれしい。私の
絵をチョコレートに使ってくれたと聞いたからです。イラクの子ども
たちを助けてください」と言い残し他界しました。

12月2日、今回いままでサブリーンが描いた絵40枚を選び
ポスターにしたものを展示し、サブリーンの思い出を語りたい
と思います。
そして、サブリーンの絵を使ったバレンタイン募金用チョコレート
もまもなく出来上がります。是非皆様のご来場をお待ちしており
ます。絵の展示が中心ですので、たとえ5分でも時間のある方
はお越しください。

12月2日(水) 南新宿(東京)
サブリーンのお別れ会
去る10月16日になくなった、イラク、バスラの少女サブリーンの
描いた絵をモチーフにしたポスターを展示した会場でサブリーン
を偲んでいただきます。  

■ 挨拶:鎌田實JIM-NET代表、佐藤真紀JIMNET事務局長
■ 日時:12月2日(水) 19:00〜21:00 (時間内の入退場は自由
      です。)
■ 会場:カタログハウス B2 セミナーホール 
■ 主催:JIM-NET、協力:イラク医療支援・通販生活
■ お問い合わせ:さとうまき(090−54122977)

JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)
事務局長:佐藤真紀
バレンタインには、かわいくて+おいしい JIM-NETのチョコを!

〒171-0033 
東京都豊島区高田 3−10−24 第二大島ビル303
JIM-NET 電話&ファクス 03−6228−0746
携帯 090−54122977
www.jim-net.net
***************



6)ブッシュを逮捕しろ!前大統領来日に抗議―有志の若者達150人

  
   抗議する若者達。ブッシュによる始球式が行われた東京・後楽園で

 今月3日と4日、前米大統領のジョージ・w・ブッシュ氏が来日、日本シリーズで始球式に参加した。これに対し、フリーター全般労組の山口素明さんらがブッシュ来日への抗議呼びかけ+靴投げイベント+デモを抗議デモを行い、若者を中心に150人が参加した。

 国際法に照らせば、ブッシュ氏はその責任を追及される可能性があり、本来は、のこのこと来日できる身分ではないし、鳩山政権もしかるべき対応をとるべきである。ジュネーブ諸条約では、重大な人道法違反があった場合、いかなる国であっても、捜査を開始し、また被疑者の犯罪責任に関する十分な証拠があれば、容疑者の引き渡しを要求する権限を認めている。こうした戦争犯罪容疑者に対する捜査や公訴はジュネーブ条約締約国の義務でもある。
 
 例えば、ラムズフェルド元米国防長官が、2007年10月にフランスを訪れた際、彼がグアンタナモ、アブグレイブ両捕虜収容所での虐待を指示した容疑で、国際的な人権団体のネットワークがフランス地裁に提訴。ラムズフェルド氏は、慌ててフランスでの旅を中断、帰国するはめとなった。

 2003年のイラク侵略後、幾多の民間人、民間施設が攻撃され、劣化ウラン弾、白燐弾などの残虐兵器が使用され、そのいくつかは明らかに戦争犯罪と言える。国連イラク支援ミッション(UNAMI)の2007年10月発表の報告書は「多国籍軍による不法な殺害についての信頼できる申立てをすべて、徹底的に迅速かつ公平に調査しなくてはならない。過度のあるいは無差別の武力を用いたと認められる隊員に、適切な処分を下すべきである」と明言し、多国籍軍による民間人殺害を告発している。





バックナンバー
第77号 2009年10月31日
第76号 2009年09月30日
第75号 2009年07月31日
第74号 2009年06月30日
第73号 2009年05月06日
第72号 2009年04月10日
第71号 2009年01月31日
第70号 2008年12月30日
第69号 2008年11月17日
第68号 2008年09月17日
第67号 2008年07月31日
第66号 2008年06月30日
第65号 2008年05月31日
第64号 2008年04月30日
第63号 2008年03月31日
第62号 2008年02月07日
第61号 2007年12月28日
第60号 2007年11月15日
第59号 2007年10月30日
第58号 2007年09月30日
第57号 2007年08月20日
第56号 2007年07月31日
第55号 2007年07月17日
第54号 2007年06月30日
第53号 2007年06月06日
第52号 2007年05月11日
第51号 2007年04月16日
第50号 2007年04月02日
第49号 2007年01月31日
第48号 2006年12月31日
第47号 2006年11月30日
第46号 2006年11月19日
第45号 2006年11月07日
第44号 2006年10月28日
第43号 2006年10月13日
第42号 2006年09月30日
第41号 2006年08月29日
第40号 2006年07月25日
第39号 2006年07月13日
第38号 2006年06月30日
第37号 2006年06月12日
第36号 2006年06月01日
第35号 2006年05月20日
第34号 2006年05月09日
第33号 2006年04月28日
第32号 2006年04月18日
第31号 2006年04月07日
第30号 2006年03月28日
第29号 2006年03月16日
第28号 2006年03月07日
第27号 2006年02月28日
第26号 2006年02月15日
第25号 2006年02月06日
第24号 2006年01月27日
第23号 2006年01月20日
第22号 2006年01月07日
第21号 2005年12月24日
第20号 2005年11月30日
第19号 2005年11月24日
第18号 2005年11月15日
第17号 2005年11月07日
第16号 2005年10月31日
第15号 2005年10月24日
第14号 2005年10月15日
第13号 2005年10月09日
第12号 2005年09月30日
第11号 2005年09月21日
第10号 2005年09月12日
第09号 2005年08月30日
第08号 2005年08月22日
第07号 2005年08月14日
第06号 2005年08月05日
第05号 2005年07月30日
第04号 2005年07月22日
第03号 2005年07月12日
第02号 2005年07月05日
第01号 2005年06月29日