2024年、集会等の報告
2024年08月17日
「戦後79年 戦争犠牲者追悼、平和を誓う8.15集会」を開催しました
戦後79年を迎えた8月15日、平和フォーラムは千鳥ヶ淵戦没者墓苑において「戦争犠牲者追悼、平和を誓う8.15集会」を約150人の参加のもと、開催しました。
正午に黙とうを行い、平和フォーラムから染裕之・共同代表が「平和への誓いと慰霊のことば」(本記事下部に掲載)を捧げました。引き続いて、立憲民主党の阿部知子・衆議院議員、社会民主党の福島瑞穂・参議院議員、戦争をさせない1000人委員会の内田雅敏・事務局長がそれぞれ追悼のことばを述べました。その後、平和フォーラム構成団体代表および参加者が墓前に献花を行いました。
平和フォーラムは、すべての戦争犠牲者を追悼し、不戦の誓いをあらたにするとともに、いまなお解決していない戦争被害に対する謝罪や賠償などの問題の解決に向け、今後もとりくみをすすめていきます。
「平和への誓いと慰霊のことば」
終戦から79年が過ぎ去り、今年も暑い夏がやってまいりました。
愛する家族を案じつつ、心ならずも戦場に倒れ、戦禍に遭われ、あるいは戦後、異郷の地に亡くなられた三百万余の方々の無念や、犠牲となられた国内外すべての人々の悲しみや苦しみを思うとき、先人たちの犠牲の重さは、終戦から長い歳月を経た今もなお、私たちの心の碑に深く刻み込まれ、痛恨の思いが尽きることなく込み上げてまいります。
犠牲となられました方々の御霊に謹んで哀悼の誠をささげるとともに、遺族の皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。
私たちは、先の大戦の反省から得た「再び戦争の惨禍を繰り返さない」とする決意で、平和の尊さ、大切さを後世に語り継ぐとともに、世界中の人々に「ヒロシマ・ナガサキを原爆による最後の被爆地に」と、訴え続けてまいりました。
「全世界の国民が、等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有する」と謳う日本国憲法の国際協調の理念をしっかりと胸に刻むとともに、「恒久平和」の実現を目指していかなければなりません。しかし、大戦から79年が経過した今も、世界では紛争がやむことはなく、ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナの戦禍の中で、多くの尊い命が奪われるとともに街が破壊され、国際法違反の虐殺・拷問、暴行、略奪などの犯罪が報じられています。このことは、人間がひとたび戦争という極限状態に置かれたとき、想像を絶する残虐な行為にいたることを物語っており、いかなる理由があったとしても戦争行為は勿論、戦争に至るような国づくりを許してはなりません。
今日の日本の歩みは、平和憲法の理念に逆行し、戦前の「戦争国家」へと踵を返し進もうとしています。戦後の日本は、専守防衛をはじめ、集団的自衛権行使の否定、武器輸出の禁止など、他国に脅威を与える軍事大国には決してならないと決意したはずです。軍備増強にひた走る今日の日本の姿は、アジアの周辺諸国に脅威を与え、相互不信を増幅させていることを危惧せずにはいられません。
あの壮絶な大戦を単に歴史的事実としての理解に留めるのではなく、二度と繰り返してはならないということを世代を超えて語り継ぎ、平和な社会を100年、200年先の未来へと確実に引き継いでいくことが、現代を生きる私たちに課せられた責務です。
本日、終戦の日を迎えるにあたり、私たち一人ひとりが、戦争の悲惨さと平和の尊さを改めて深く心に刻み、世界中から争いが無くなることを願い、歴史の忘却を許さず、平和憲法の理念の下に世界の恒久平和の実現に向け、これからも不断の努力を続けていくことを堅くお誓い申し上げ、慰霊のことばといたします。
2024年8月15日
フォーラム平和・人権・環境
共同代表 染 裕之